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遠くて近い君との距離。  作者: Noise girl
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「白い光」

放課後の教室。

部活動に向かう生徒達を尻目にカバンを背負う。

特に部活動にも入っていないので、さっさと家に帰って寝る。

これも俺の日課だ。でも今日は違った。


「おー、汐留。ちょうどいい。この資料を資料室まで持っていってくれ。」

教室に残っていた俺に担任がめんどくさそうに言った。

俺はあたりを見回し教室に自分しかいないことに気づくと

「早く帰っておけば良かった。」と後悔した。

まぁ、今更思ってももう遅い。


担任に押し付けられた無駄に多い資料を持ち上げ、器用に足で教室のドアを開ける。

すると、そこに誰かが突っ込んできて、俺にぶつかった。

俺はバランスを崩し資料を落としてしまった。

俺にぶつかった相手は慌ててしゃがみこむと床に落ちた資料をかき集め立ち上がった。

俺にぶつかったのは花岡舞だった。

花岡は「す、すみません。」と小さな声で言い俺に資料を渡した。

俺はイラっとした。

1日で花岡に2回もイラっとするとは…俺は花岡と気が合わないのかもしれない。

まぁ、そんなことはどうでもいい。

俺はニッコリ笑い「いや気にすんな。こっちこそゴメンな。」と言って廊下に出た。

花岡はペコっと礼をして教室に入っていった。



俺の教室は東棟の3階だ。

資料室は西棟の3階なので、1度階段を下りて2階にある渡り廊下から西棟に移動し、また階段を上って3階の資料室に行かなければならない。

「めんどくせぇ。」ボソっと呟き廊下を歩く。

資料は意外に重く、それにプラス、カバンを背負っているので結構つらく、

俺は少しヨロヨロしていた。


そして、階段にさしかかったとき…

俺は足を滑らせた。

景色が一気にスローモーションになったように見えた。

体が宙に浮き、床がだんだん近づいてくるのを感じた。

「ヤバい…死ぬ。」

俺は覚悟を決めて目を強く瞑った。

その瞬間、俺の体は白い光に包まれた。

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