卒業試験 中間1
型は成人男性で、材料は・・・青銅でいいか。一番多いし。
問題、ゴーレムか自動人形か。
ん~・・・。レベル的にはゴーレムか。しかし、あの師匠が全身青銅のゴーレム造ったってそう認めてもらえるとは考えにくい。
やはり、自動人形・・・か?
いやしかし、自動人形は正確な形を造らないといけないし、人間らしく見せるために人に似せた皮を被らせることになる。難しいな。
・・・。自動人形か。
合格できなかったらおそらくここから出れないし、出るには合格しなければならない。再試験なんて精神的に耐えられない。
ここは時間が掛かるが、合格の確率が高い自動人形にするか。
◇◇◇
設計立てるのに一日使ったな。早い。
まあけっこう大雑把だったし、期限のことを考えると設計に時間を掛けてられないな。
一日目、終了。
さて、二日目。
今回は、この世界には珍しい『骨格型』というのを使わせてもらう。
普通ゴーレムや自動人形の中はスッカラカンだが、骨格を入れることによってよりきれいに動くし、中に形ある物が入っているから腕が折れたりする可能性も減る。
もちろん、この世界に無いわけじゃないが、使っている人は少ないそうな。理由はコストだ。あと正確な骨格の形を知らない人が多い。
ま、作業開始だ。
「んと、たしか、ええっと、どれからだ?」
いま悩んでいるのは骨の形。分かっているが、どれから造ってどう繋げればいいのか思い出せない。
「くそぉ・・・こういう時思い出せないってつらい・・・。もう、勘だな。そうしよう」
思い出せるものだけ思い出してもう勘で造る。
「はぁ・・・変形・・・」
フォームは物体を変形させる工業魔術。ほかにこれをしやすくする加熱や熱処理がある。
魔法の使い方はまた今度説明しよう。
◇◇◇
「うえぇ・・・」
二日目の夜。
やっと骨格の三分の一が終わった。
しまった・・・まさか変形があそこまで地味に進むとは。
一つの骨格を造るのに最低18回は変形しなければならなかった。
それにつかう魔力・魔素はクソ多い。ちくしょぉ・・・
「おお、どうしたわが弟子よ。そんな疲れた顔をして」
にやにやする変態ドS腐女子め・・・そんなに楽しいか・・・
「変形でわりと疲れたんだよ・・・あんなに消費するなんて聞いてねぇよ・・・」
「ばれたか。」
「ちくしょー!」
三日目、終了
◇◇◇[BL](^O^) ししょー!!
さて七日目だ。
とりあえず、昨日で骨格をやりおえた。
次にやることは、外側か。
ふつうは形を造って皮をかぶせる。しかし今回は、骨格の上に皮をかぶせる。
人体、いや動物には筋肉があるのだが、ゴーレムとオートマタには必要ない。
理由、魔石や魔結晶が核としてあるから。
こういうのを造るとき、核が必要だ。その核に知識を写して動かす、という。
魔力で動くから、中はからっぽでいいんだが、動かし方と耐久を見れば骨格アリの方がいい。
筋肉は造らない。ゴムのようなものがあればできるのだが、ないし。
が、代わりに日本人形のような中身にしていく。こうしとけば動きは制限されるものの、動かす魔力を少なく出来る。あとは中に魔力をためるための魔石をいれる。
・・・一ヶ月、足りるか・・・?