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卒業試験 開始

まあ、あっという間に半年後。

半年といってもこの世界の一週間は十日だが。地球よりも一ヶ月が長い。

けっして一日が長いわけじゃない。

 ここに来てからは大体

修行、修行、修行だ。学ぶことが大半。

 

この世界の常識、言語、歴史。重要なのは魔術工業マジッククラフトの修行だ。色々叩き込まれた。

 あとはまあ休日とか師匠の薄い本とかちょっとした武器の扱い方とか本の山の天国とか。

なんていうか、ウチの師匠は腐っている。腐女子的な意味で。


 そして今日、なんか師匠に呼び出された。なんかやらかしたっけ?


「さて、お前がここに来て半年ぐらいか。もうお前はここで学ぶことないだろう。」

「おお?ついに卒業っすか?」

「まーだーDA☆ 最後まで話を聞け。こっから本題だ。おまえにゃ、卒業試験が残ってる」

「うぇ・・・。試験・・・」


やばい、試験って聞いたら腹痛くなってきた。いやな思い出しかない。高校の試験に出れなかったけど、

それまでの猛勉強がきつかった・・・。


「お?どうした。急に顔色が悪くなったな。そんなに試験が嫌か?」

「元の世界での事情だ・・・」


クソ・・・こういうことがあるとニヤニヤするドS腐女子め。

こいつはウチの世界来たら食うに絶対困らないとハッキリテッキリ言ってやろう。


「どうする?やめるか?」

「いや、いい」


ここで引き下がってたまるか。どうせまたアルンダロウ?ソウナンダロウ?


「では、簡単に説明しますね。」

「おおう。イルに仕事取られたな」

「ソーラさんは今日から一ヶ月のあいだにゴーレムか自動人形オートマタを造ってください。材料はここにある物を使ってください。あと、かならず『言葉を発する以上』の知識をつけてください。」

「うわ・・・。割とレベル高いな。初心者にはむずかしい」

「なにを言うかといえば泣き言か。おまえはたぶん半自立型を作れるぞ。それくらいの知識はあるな」

「うへぇ・・・。人の気持ちを知らずに・・・」

「ほい、泣き言言ってないで早くやらんか。一ヶ月しかないんだ。間に合わんかもナア?」

「じゃ、もうちょっと長くしろよ・・・」


ふつう、ゴーレムを造るのは設計も兼ねて一ヶ月半。自動人形は二ヶ月掛ける。動かし方とかあるし。

初心者だと少なくとも三ヶ月掛かるはず。なのにこの人はどれだけスパルt・・・いや、ドSなんだ。

 泣くぞ。


「はぁ・・・もういいや。取り掛かる。」

「おう、がんばれ」

女性向けの薄い本を持ったまま「がんばれ」って言われてもやる気が失せる。何だこの人。


◇◇◇◇


「まあ、とりあえず形だな。成人男性でいいか。材料は・・・」

そうつぶやきながら、自分の部屋の隣で設計立てる俺。材料とかはすでに持ってきてる。

 学んだところをフルに活用している。というか思い出していく。


◇◇◇


「まず考えるところは材料の量と何を作るか。ゴーレムや自動人形を造るときは形をしっかりとしないとな。自動人形の成人型を造る時、胸や尻の分があるから女性型よりも男性型を造った方が材料的には

得だ。まあ、材料に余裕のある変態貴族とかはよく女性型を造るけどな。性処理の為」

「女性がそんな下品なことを言うな。まあそうなんだろうけど。そういえば、どこにも所属してないクラフターは珍しいのだっけ」

「そうだ。フリーのクラフターは大体私のような自由人か、技術がない、言ってしまえば役立たずくらいだな」

「アンタは自由人より変人だろ」


◇◇◇


・・・なんか、細かく思い出すのやめよう。大雑把に思い出そう。うん、そうしよう。



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