あぁん?なんで?
「えぇ・・?」
異世界に来て十一日目、いつもどうり、自分の部屋でしたくをしていた時のこと。
真横に身長180cmくらいの男が俺のとなりで寝ていた。
目立つ特徴は、髪が茶色、顔は彫が深く、目つきがすこし鋭い。あと目が白。
あれ?これって、俺が入ってたホムンクルスじゃね?
しかもなぜか、いつもより体に力を入れやすい。
あぁん?なんで?
いや、おかしいだろ。こっちの世界にはこのホムンクルスが体なんだから。
いま、魂だけなのか?だから力が入りやすいのか?
・・・いや、それはないな。体は温かいし、ちゃんと鼓動がある。
どういうこった?
とりあえず鏡で自分の顔を見てみることにした。
言っていなかったが、部屋に鏡っぽいものがあった。金属を磨いたものだから鏡ではない・・・?
それで顔を見てみると、そこには
黒い髪、彫は浅く、目つきが少し丸い。あと目が黒。
はあ? ・・・これって、元々の自分の顔じゃね?
十日前、俺が『日本に代々残る鍛冶屋の誇り』とか言ってた顔だ。実の子じゃないけども。
んん~?どういうこった?なんでいまさら体が?
んまあ、とりあえず仮説。
体が死で召喚が遅れた?
なんか、そんな気がする。死んだから召喚されなかったんじゃなくて、
召喚が遅れた? でも、それだとこのタイミングはおかしい。
せめても二日目ぐらいだろう。なんでだ?
「お~い。今日は行くところがあるから早く起きろといったはずだぞ~」
あれこれ考えていると、うちの師匠がやってきた。このタイミングで・・・漫画じゃないんだから。
「お?誰だお前」
お?じゃないよ。知らない人がいるのに。さらに異性だし。警戒が足りていないなこの人は。
「ん?ソーラはまだおきてないのか?」
ここで知らない人を無視して奥でころがっている弟子を気にするとは。正しいっちゃ正しいが、もっと
自分の心配をしようよ。ここで襲われるとか思わないのか?
「・・・?」
イル、そこでぼ~っと見ていないでなんかしようよ。あたりを警戒するなり通報するなりさ。
されたら俺が困るケドさ。なんか、この二人ぬけてるな。
「えっと・・・」
とりあえず、二人? いや、一人と一体か。に簡単に説明する。簡単って言っても今分かってることなんて少しだけど。
「ふむ。まあ、わかった」
「えらく簡単に聞き入れたな・・・」
ちょっとまて、この人警戒とかしないの?なんだこれ
「魔力のパターンは同じなんだろ?」
「はい、ソーラさんと同じです。もっと詳しく調べれば違うかも知れませんが、
同一人物と見ていいでしょう。」
「あ、あるていどそういうのはわかるのか。」
「まあ、イルには魔力測定装置がついているし。」
へえ、どうでもいい。いや、よくないか。自分で自動人形作るとき役立つかも。
「というか、魔力のパターンがわかってたからあんな悠長にしてたのか」
「いや?」
「わかっていませんでしたが?」
「え、じゃあ警戒しろよ。」
ほんとなんだこの二人。抜けすぎている。
「はぁ・・・」
とりあえず、思い出せるものが・・・・ない。
ん~?とりあえず、昨日の考えその2は間違っていたな。記憶の一部だけ頭に溜まるやつ。
元の体に戻っても、思い出せないからな。
「むぅ・・・。とりあえずこれは置いといて、今日の用事をすませるか」
「そういえばそうだな。どこへ行くんだ?」
「ここに一番近い王都だ。とりあえず、お前は早くしたくしろ」
「はいはいっと」
そういえば町とか行ったこと無いな。王都ってどういうとこだ?
やっぱ異世界ファンタジーなのか?
うちの師匠を追い出して、したくを始めていった。
◇◇◇◇
「うへぇ・・・」
「情けない声を出すなよ?」
にやにやしなかがらそういうことを言ってくる師匠めが。
俺は森にすごい思い出があるんだぞ。しかも何個も。良いのも悪いのも。
さて、なぜ森に居るかと言うと、あの師匠変な道を選びやがった。
現在俺が住んでいるところは色々豊富で、東に行けばでかい火山があって、さらに鉱山。
反対の西に行けば王都までの道が広がっている。南に半日かければ、海がある。
・・・で、今現在進んでいる道は、王都の道の隣らへんにある森。
すぐ目の前に楽な道があるというのに、あえてこちらを選んだ模様。
本を読んだところ、こちらの道では王都まで遠回り。
・普通の道 2時間とすこし。
・森 4時間30分。
しかも選んだ理由が、
「お前は辛そうな顔をなかなか見せんからな。このチャンスに拝んでおこうかと思った。
あっはっはっは」
ふっざけんじゃねえ。森は俺にとっていろんな意味で聖地だ。どれだけお世話になったと思っている。
あきらかにこの道(俺にとって)デメリットしかないじゃないか。なぜ選んだ。
なんで?なんでなの?
^し^