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言葉

「あれ?そういえば・・・」

「ん?」

 翌日の朝、朝食をとっている時のこと。

「なんで言葉が通じるんだろう・・・」

 そんな疑問を俺は抱いていた。

まあ、仮にも異世界だし、二人の顔の彫りが深いことから東洋のところでないとわかる。


「ああ、それは自動翻訳魔動機のおがげだ」

 そう答えるライク。

「その翻訳機に言語を登録すれば、自動的に翻訳できる。試しに切ってみるか?」

そういうと、イルがとなりの部屋に行って、帰ってきた。

「言っていることが分かる?」

「あれ、分かる。」

「え?」


 明らかに日本語ではないが、意味は何故かわかる。

そのことをライクに伝えると、


「ふむ・・・可能性は二つある。ひとつは、召喚した魔法にもともと翻訳魔術、または魔法が付いていたか」

「召喚した時の魔法ってよくわかってないのか?」

「ソーラさんを召喚した魔法は、いまではほぼ消えてしまった古代の魔法です。わかってないことの方が

多いのです。」

「そういうわけだ。翻訳魔法がオプションで付いていてもあまり驚かない」

「それって危なくないか?」


 なにが危ないかというと、わかっていないことが多いことだ。失敗したときどうすんだ。

失敗したらたぶんなんかあったぞ。


「失敗したら召喚する対象が『狭間』に飛んだり、分解されたまま魂だけさまようということが

あります」


 おおう、片方行ったことある。メル・・なんちゃらだったか。あの死神め。『失敗してない』とか言いやがって。

失敗してるじゃないか。そりゃ魂の昇天と召喚が重なると失敗するわ。


 というか俺の場合両方じゃないか。話を聞くと俺は召喚された時魂だけで現在

半ホムンクルスで作られた体らしいじゃないか。というか、ホムンクルスってなんだ?人造人間?

錬金術のにおいしかしないな。しかもそれの『半』ってなんだよ。


「まあ、お前は魂だけだったからな。ある意味失敗だ。」


 うちの師匠はそういって笑い始める。ある意味じゃない。失敗なんだよ。

そりゃ、死んだよ?けどそれって普通死体ごとこっち側に来るんじゃないのか?

 後から鏡っぽいの見つけて自分見てみたら、髪黒かったのがすげーきれいな茶色になってたり、

顔の彫が深くなっていた。目つきが若干鋭くなっている。目の色が白だ。身長も180cmくらいある。

なんだこれ。日本に代々残る鍛冶屋の誇りもへったくれも無い。実の子じゃないけども。


「話が逸れたな。で、もうひとつの可能性なんだが、私の知識の一部が写ってしまったということだ」

「なるほど・・・そういうことでしたか」

「え、なに納得してんの?」


 どういうことだ?知識が移る?


「不思議そうにしているソーラ君に私が教えてやろう!」


 あ、ちょっとイラっとした。そうか、こういう人か。似た様な友人を思い出す。


「君のいまの体はホモンkおっと。ホムンクルスといってな」


 今あの人『ホモ』ンクルスって言いかけた。なるほど、そういう人か。こりゃこの人うちの世界来たら

夏と冬の大祭コミケに絶対いくな。


「ホムンクルスは簡単にいうと人造人間だ。私は錬金術にも関わっているからな。まあ、お前の体には

半ホムンクルスというのを使っていて、それはホムンクルスより人間に近いとでも言っておこう。

で、そのホムンクルスはゴーレムや自動人形オートマタと同じく体の動かし方を分からせるため、

ある程度動かし方の記憶とかしゃべるための記憶などを写すんだ。」


 それじゃあ翻訳機要らないじゃないか。おそらく、俺の体にもしゃべる為の記憶とかあるんだろう。


「だか、お前にはあまりそういうことをしていない。体を動かすのに必要な記憶しか写していない。

なぜかというと、めんどうだからだ!」


 おい、何だこの人。めんどくさいから、だと?酷い。


「まあ、それは理由のひとつだ。他にも理由はあってな。こういう、記憶を写す作業は時間が掛かるし、

疲れるんだ。それに、記憶は頭に残っているというが、魂になっても記憶は残っているのでな。元々の

言語の方が新しい記憶を写さなくてもいいし、記憶をねじ込んで、混乱するよりかもいいんだよ」


 記憶を写すのは疲れるし、変にいじるより翻訳したほうが色々いいということか。

というか、魂は記憶に溜まるのか。脳じゃなくて。へ~。どうでもいい。


「だが、記憶を写す作業は大変でな。少しでも調整を間違えると、余計な記憶まで持っていかれる。

おそらくお前は、自分の世界の言語とここの世界の言語を混ぜて使っているな。試しに言ってみろ。

わたしは**ほ*をか**つするとな。」

「あれ・・・聞こえない部分がある・・・」

「やっぱりな。一部だけ記憶が混じっているようだ。」


 何だこの体。混乱するわ。


「まあ、要学習だな」




ココノン 


 そしてイルは大体空気。

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