師
「あ・・・。起きました。」
「おっ、起きたか」
「・・・!?ッ」
目を開けると、そこには一人の女性と、少女が座っていた。
「よう、気分はどうだ?」
「え・・・。いいですけど・・・ここは?」
「そんなことより、自己紹介をしようじゃないか。」
見知らぬ場所をそんなことでかたずけてしまった。
「私はライク。そしてあの子はイルだ。お前は?」
「えと、双羅といいます」
ライクはなにかすごそうな服を着ていて、金髪金目。
そして常に笑っている。
イルはメイド服っぽいものをきてる。青い髪。目は金。
無表情。
「ソーラか。いい名だな。ところで、自分は死んだのに、
こんなとこにいて、驚いてないか?」
「驚いてますけど・・・ここは、異世界なのですか?」
そういうと、ライクは驚いた顔をして、
「そうだ!よくわかったな。お前の世界はそういう力がないと思っていたが。」
「あ、いや、そうなんですけど・・・」
なんと説明したらいいかわからない。
「まあ、それはいいとして、お前の体に何か異常があったりしないか?」
「えあ?・・・そういわれると、違和感が・・・」
「ふむ、そうか。イル、説明してやれ」
はい、と言って少女が出てくる。・・・の前にライクをご主人さまと言っていた。
「ソーラさんは死にました。その際、魂と体が離れてしまいます。
なので体は元の世界に残し、魂だけこちら側に召喚しました。
せっかく召喚したのに体がないでは意味がないので、半人造人間を使い
体を造らせていただきました。」
「体がちがうからな。違和感やズレがあるだろう」
なるほど。わかったことは1つ。
―聞きたいことが沢山だ・・・
「俺を召喚した理由は?」
そういうとライクは真顔になり、
「それが一番重要だ。別に世界の危機とかじゃないぞ。
実は、私の弟子が必要でな。」
「弟子?」
「この世界には、魔術工場者というのがいてな。
そのクラフターが使っている技術を他の輩が使うには、ほんのわずかでも
魔力のパターンが同じでなければならない。
しかし、私は他の世界の魔力をとりこんでいるのでな。探そうと思えばこの世界でも居るだろうが、面倒なので異世界を探させてもらった。」
「その結果、一番いいのは俺だったと。」
「そういうことです」
「そのうち連絡してこちらに来るかどうか問うつもりだったが、死んでしまっては
元も子もないのでな。急いで召喚させてもらった。」
「・・・なんとなく、事情はわかりました。」
「そうか。1度、問うぞ? 弟子になるか?
ついでに言うと、イルは私が作った自動人形だ。
こういった者も作れる。」
「・・こちらの世界で、やることが無いですし、
なるだけなっときますよ。」
そういったらライクの顔には喜びの色に満ちた。
「そうか!なら善は急げだ。明日から修行開始だな!」
「ああ、明日からよろしく、師匠。」
「おめでとうございます、ご主人さま。」
そうして、俺の異世界生活は始まった。
お読みいただきありがとうございます。
[BL]∑((^o^===