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11/23

―見つかって良かった?のかな?―①

「我々も事態を憂慮していますよ。ヒトの言葉で言えばコムネナは狂ってしまっている。原因も分かっている。ただ、ヴァンパイアを殺し始めた訳では無いし、ヴァンパイア殺しを始めたところで自分が襲われ無い限りそれほど気にしないんだから、ヒトが何人死のうと気になる訳が無い、いや、無かった、と言う事です」


 デヌリーク隣国であるスエリ国の、地理的にデヌリーク市国からもっとも遠くに位置する都市ガルマスに設けられた国連デヌリーク市国対策会議世界連合軍が本拠を構えるビルの一室。デヌリーク市国は世界的な宗教イレスシス教の法王を元首に抱く宗教国家であって外交はともかく内政も含めれば本当の意味で国家の呈をなしていない。


 外交にしてもイレスシス教の布教を中心とした活動によるものが中心だから、一般外交や防衛、国内の警察権などはもともと近隣国であるスエリ国に委託してきた。


 世界的な他の宗教の中には、その宗派による世界的なテロ事件も頻発する世の中だが異教の本拠地との理由で攻撃を受けた事は無い。


 テロならどの道対処は難しいだろうが正面切った戦いの防衛力くらいは持っている。その運用実態はイレスシス教にあだなす存在、具体的には人外の何者かへの攻撃力であって同じ組織にエクソシスト部隊もある訳だ。


過去に起こったアンデット渦にも部隊を派遣しており実質的に世界唯一の対アンデット戦闘部隊だったが、コムネナの侵攻時に旧タイプのアンデットこそ退けたが新型に壊滅させられている。


 その際も最も早く連絡を受けているつながりの深いスエリ国だったので、国連は今回のコムネナによる攻撃をスエリ国内のテロと捉え、その解決に乗り出す形で国連が肩入れするスエリ政府軍側の要請でスエリ国内に拠点を構えた事になっている。


 実際にはヒト社会への侵攻と考えられているが、デヌリーク王宮を占拠して一週間、特別な音沙汰が無いので少々気が緩みかけていた。


 スエリ国はコムネナの名が出た時点で結果としてヴァンパイア企業であったコリグランド貿易傘下のスエリ国内兵器軍需企業、エリコム社も把握しており、占拠事件勃発後2日目に偵察したところめぼしい在庫兵器は残っておらずヴァンパイアやアンデットの姿も無い事を確認した上で人員を配して敷地の封鎖をした。


 その後訪れたヴァンパイアが中に入ろうとして一時戦闘状態になったがヴァンパイアからの攻撃は一切無く、防戦一方だった事から指揮官が意を決し会談を申し入れたところ、コムネナの乱行を聞き付け様子を見に来ただけだと分かった。


 ヴァンパイアからの積極的な攻撃が無いにもかかわらずその際に見せたヴァンパイアのあまりにも高い身体能力の為に、現場では戦意喪失状態になった事も幸いする。


 最初に訪れたヴァンパイア達はその日の内に消えていたが、その後ポツポツと訪れる来訪者がヴァンパイアだと分かると妨害をせずに中に通した。


 どこから聞き付けたのかマスコミ関係者がまぎれてエリコム社に侵入しても、機材をめちゃくちゃに壊された以外は丁重に放り出された事からも彼らが何らかの意図を持って集まりかけており、それはむしろヒト社会に有益であろうと判断されると、特使が立てられ会談を要請した。


 当初ヒトがエリコム社敷地内に出向く前提で決死隊にもなりかねない人選に難航したがヴァンパイア側は実に気楽にガルマス訪問を受諾した。


 そして実際に現れたのは20代半ばとしか思えない青年だった。


「まぁ、私たちがあなた達ヒトを怖がる理由も有りませんしね。今まで隠れるように暮らしてきたし今でも出てくる気が無い連中が大半です。でももともとヒト達が私達の事を誰一人知らなかった訳じゃ無い。これだけの事態になれば今まで通りとは行かない可能性も高いであろう事を前提にすれば、まずは現状の把握、ヒト達の動き、私達の仲間の動向を見極め無くてはならない」


 対応している者達は数少ない彼らを知るヒトから一応の知識を得ている。が、もっとも詳しいデヌリーク市国王宮内の者達が皆殺しにされた今、デヌリーク市国の生き残りも彼らと直接面識があった訳では無く直会いしていても正体を知らない場合がほとんどだ。つまり、ヒト側はヴァンパイアについて何も知らないも同然で話し合いしていた。


「私はデヌリーク市国テロ事件対策会議を代表してお話しさせて頂くフランス陸軍中佐のアロワ・ボーメスニルと申します。こちらはロシア連邦のミロシェビッチ氏。彼はかの国の強い要請で同席しており英語も喋れます。君達が、その、ヴァンパイアだとしてコムネナとはどんな関係になるのですか?」


「私達に上下関係は有りません。コムネナの組織であるコリグランド貿易に所属していた者は一応コムネナを上としていたと思いますが、それも組織にいる間の便宜上です。多少の通達によりいくつかのルールは存在しますが破ったところでどうかなる訳でもない。コリグランド貿易の様に例外も多数有りますが基本的にはヴァンパイア同士だからと言って共に行動する事も有りません。ただ、コムネナクラスになると別格なのは確かです。メガリオである事もありますが彼は特別で何年生きているのか私達にも分かりません。メガリオである時点で400年以上ですが彼やその他一部の連中はそんな枠に収まっていません」


「400年? コムネナと言うのは400年も生きているのですか?」


「彼はメガリオです。これは私達の基準でヴァンパイア化してから400年以上と言う意味です。私はプレナガでその下です。プレナガ以下は生まれてからの年数で勘定しますがメガリオだけはヴァンパイア化してからの年数です。コムネナは見た目からすると40前位ですから440年以上生きていることになる。もっとも以上であって500年なのか800年なのか分かりませんが」


「800年? あなた達はそんなに長寿なのですか?」


「ちょっと待って下さい。今それは問題では無い」


 ミロシェビッチが口を挟む。


「我々はヴァンパイアは同志だと認識してきました。我々は同じイレスシス教でも少し違う教義を持っています。デヌリーク市国でイレスシス教徒を数人殺したからと言って即どうこうは有りませんが今回は大規模過ぎます。何が有ったのですか」


「数の問題ではないだろう」


 アロワが気色ばむがミロシェビッチは意に介さない。


 その時秘書の様な職員がノックの後に入室してくる。


「失礼します」


 アロワの耳元に口を寄せて何事か報告す。


 アロワは驚きの表情を隠せずに


「皆さんに聞こえる様に繰り返して貰えないか」


 秘書の様な男は無表情に従う。


「デヌリーク王宮を占拠している一団から連絡が有りました。以前と同じ様に食糧を積んでヒトの輸血パック100リッター分と共に王宮前広場に放置せよ。トラック1台随伴車1台で乗員はそれぞれ1人づつのみ。食料は材料も入れて良く吟味する事、パックの血液型は問わない、24時間以内に実行の事。私の仲間君にはくれぐれも行動に気をつける様に伝えて欲しい。以上です」


 アロワは改めてヴァンパイア代表を見て問う。


「やはり君達は血を吸うんですか?」


「パックを要求してるのだから飲む、でしょう。それよりも私達の訪問を完全に把握している方が問題と思いますが」


「確かにそうですが……」


「ふう。順を追ってご説明するほど暇では有りません。いずれにせよヒトでは彼に太刀打ち出来ない。私達の動きを見守るよう忠告しますよ」


 言ってからヴァンパイア代表は席を立つ。


「待て。まだ話しは終わっていないぞ」


 アロワは誰何するようにヴァンパイア代表に迫るが


「そういう物言いは好きでは無いな」


 とつぶやくとおもむろに出口である戸に向かう。


「待て。カギがかかって外には衛兵が」


 ヴァンパイア代表は全ての言葉を全く無視すると戸のノブを捻る。開か無い事が分かると見た目には力を入れた様には見えないが戸を蹴り破った。


 一撃で粉々になる戸板を見ながら


「待ってほしい。君達は味方なのか? 敵なのか?」


 とミロシェビッチが問いかけるがヴァンパイア代表は答えず歩みを進め立ち去ってしまった。まだ敷地内にはいるだろうが追う事に意味を感じさせない毅然とした去り際だ。


 残された2人はこのヴァンパイアとの会談結果をどう上司に報告すべきか、それぞれの立場で考えていた。



 エリコム社敷地の反コムネナヴァンパイア拠点に戻ったヒトとの会談代表を努めたヴァンパイアは皆を集める。


「コムネナには俺達の動きは筒抜けだ。まぁ、あのコムネナだからなぁ。今日つまらない要求をしてきたがこれと言った動きも無いし、これからどうしたものだろうか」


「いたずらに様子を見るだけなら帰った方がいい。原因はアーニアだろう? その内ヒトを襲い始めなければ間尺が合わないし、気付か無いだけで王宮の中は血の池が出来ているかも知れない。なにしろもう3000人は殺しているんだから放ってはおけないだろう。しかしコムネナをどうすればいいんだ? 滅するのか?」


「出来る出来ないの問題もあるぜ? 統制がとれたアンデットならかなりの脅威にはなるだろ。戦闘力自体は変わらんのだからな」


「3000人が行方不明として確実に殺された防衛隊が200人位か。残りの行方不明者の1割がアンデット化したとすれば280体はいる。コムネナ達が20人くらいとしても、もしこちらから攻撃をかけるなら80人程度は欲しい計算だ。集まるかな?」


「集めようと思えば何ともなるだろうが面倒だぜ。それよりその食料配給車に便乗して様子を探らないか? もともと俺達にまで牙を向けている訳じゃ無い。いまさら連中に味方するのも難しいが、黙って推移を眺めるのも有りだと思うぜ。この先どう決着するか知らんが終りさえすれば100年もすればヒトは忘れる。まさかヒトを全滅させようとも考えていないだろ」


「なるほど一案ではあるな。誰が行く?」


「俺とロマーニでいいだろう。一応無線機を持って行くから現地でバックアップしてくれよ。万一の事態になったらは戦わずに一先ず逃げるって事で」


 ロマーニとは代表としてヒトと会談に望んだヴァンパイアだ。


「了解した。行こうか」


 ヴァンパイアの習性として身が軽く実行が早い。ヒトに比べて非常に卓越した頭脳4つが出した解答を即実行に移した。



 デヌリーク市内は黒く低い雲が広がり降雨こそ心配させないものの午後遅い時間もあり暗く沈んでいる。それでもスエリ方面から吹く風で湿度は低くすごしやすい土地柄だった。


 スエリのエリコム社から車で4時間ほどかけて王宮周辺の封鎖線に着いた4人のヴァンパイアは取り決め通り役割分担をして現地の指揮者と交渉を始める。


「そんな指示は聞いていない。あなた方がヴァンパイアである事は認めるが作戦行動に参加させる訳にはいきません」


 ヴァンパイアである事を認めさせるのは簡単で移動して見せれば良かった。ヒトにはあり得ないスピードなのは情報として伝わっているらしい。


 実はこの前線にたどり着く前に通行止めしている部隊があったのだが説得が面倒なので軽装甲車を2台横倒しにしてしまった。


 唖然とするヒト達に怪我は無いはずだ。ヴァンパイア達が仮に王宮から出てきたいたとしても発砲は禁じられているらしく撃たれる事は無かった。


「それではさっそく許可を申請して頂けませんか? 私が会談したのはフランス陸軍のアロワ・ボーメスニルさんと言う方でしたよ?」


 指揮官はエリコム社跡地にヴァンパイアが集まっている件は聞いていた。そこからヴァンパイアが来る事自体はあり得ない話しでは無い。


「お待ちください」


 通信電装を強化しているらしい指揮車に入って行く。マローニは腕時計を見る。指定の時間まで後1時間ほどだ。


 やがて指揮官が戻ってくると


「分かりました。それがあなた方のお考えなら従うようにとの指示です。トラックが着いたら引き渡しますのでしばらくお待ち下さい」


「ありがとうごさいます」


 やがてかなり大きなコンテナトラックが到着する。冷蔵コンテナだ。


「こちらですが運転は大丈夫ですか?」


「もちろん」


 随伴車に部隊から借り受けたのは軍用の小型トラックだ。白い国連仕様の塗装だった。


「準備はいいかい」


 あらかじめ決めてあった待機組が部隊に残り、ロマーニともう一人のヴァンパイアが車に乗り込む。


 ロマーニは、これも借り受けたインカムのスイッチを入れてしゃべってみる。軍用の小型な製品で使い勝手は抜群だ。


「OK。良く聞こえているよ」


 お決まりのテストをしてからゆっくりトラックを進める。ここから王宮までは4キロほどのはずだ。しばらくは大きなトレーラートラックには狭い道だが2キロほどで中央分離帯が無くなり対向車がいなければ道幅が広い道路同然となる。


 さらに広場手前500Mからは石畳だ。かえって走りにくさを感じながら王宮前広場に乗り入れる。


「ハローハロー」


「誰も出て来ないな」


「どうする? 中に入ってみるか?」


「うむ」


 ヴァンパイア2人組は車を降りて王宮をうかがう。その時3体のチームが2セット、計6体のアンデットが出てくるのが見える。片方のチームの前にヴァンパイアが一人いる。


「おでましだ」


 ヴァンパイア達は一応身構えて待つ。


 その時2人のヴァンパイアに深い悲しみが襲った。


 虚しく全てを否定する強い感情だ。


 ヴァンパイアはその強さゆえに感情が薄い傾向がある。頭も良いので何かが出来ないと言う事が少なく悩む必要が無いのだ。


 健康的なヴァンパイアだった二人は絶望と言う何百年も忘れていた感情を味わい、やがて支配されて行く。近づいてきた女のヴァンパイアが囁く様に告げる。


「お前達はまだ義務を果たしていない。私に血を運べ。新鮮な血を。そうすれば私と共に歩んで行く事が出来る。若い女の血よ。私を若い女性の血で満たしておくれ」


 2人のヴァンパイア達は言葉の意味と関係なく悲しみと絶望を感じていた。発現して以来何百年と忘れていた感情は素早く確実に彼らを覆い尽くす。


「どうした。何かあったか?」


 インカムから待機組の声が聞こえる。


「いや、何も。すぐに戻る」


 短く答えると随伴車の白い小型トラックに乗り込んで元来た道を帰り始める。


 しかし偵察組の声を聞いた待機組のヴァンパイアは違和感に囚われる。無線の声で感情を悟る事は出来ないが、偵察に行った状況の話しも無くいきなり帰るはおかしい。冗談を言い合う仲でも無いがそっけなさすぎる。


 コムネナが今回の騒動を起こした原因は分かっていたが、


「まさかこの短時間で洗脳されるものなのか?」


 と考える。やがてトラックが見えて来る。


 が、防衛線に着く手前で急に路地へ入ってしまった。


 それを確認した瞬間待機組のヴァンパイア達は第2コムネナ防衛線、ヒトを王宮へと近づけない通行止め部隊へと走り始める。


 速い。


 第2防衛線までは1キロ弱で車ならすぐだが路地を経由することで10分以上はかかるだろう。通行止めはこの辺りの道がボトルネックに集まった先にあり、どの道を通ってもそこを通る道配置に思える。過去に対外防衛の為に設計された都市計画かも知れない、とヴァンパイアは考えていた。


 回り道するトラックとは違い待機組はほぼ直線が多い街道を飛ぶ様に走り抜ける。一歩が20Mにも達し、身体が上に飛び上がろうとするエネルギーを前進に変えて駆け続ける。


 彼らは話し合った訳では無い。偵察組の行動は時間が短いだとか彼らに限ってだとかは置いて、洗脳された可能性を考慮すべきとの考えに達したに過ぎない。


 もし洗脳された状態でとき放なたれればコムネナの二の舞を演じかねないのだ。


 待機組は6分ほどで通行止め部隊にたどり着く。時速にすると100キロ程度もでていた事になる。ヴァンパイアと言えども障害物が多ければこんなスピードは出せない。車もいない理想的な環境だったからこそ最大限の力で移動出来たのだ。


 こちらを認めて銃を構える兵士達に


「もうすぐ来る車を全力で止めろ!」


 と叫ぶ。兵士達は事態が分からず銃を構えたまま確認し合っているようだ。無理も無い。ヴァンパイアが再度登場してから30秒と経たず、しかも先程軽装甲車を転がして行った輩共なのだ。


 ヒト達には頼らず自分達が横倒しにした軽装甲車に近寄ると道路中央へ蹴り出す。車体も大きく凹むが1Mは横にズレる。軽と付いても装甲車は普通の車の倍は重いのでこれはヴァンパイアにとっても火事場のバカ力と言える。


 2台をきれいに並べても道を完全に塞ぐには足りない。その時道の向こうに白いトラックが現れてかなりスピードを出して突っ込んでくる。


 ここでヒトの隊長の一人が気づく。トラックはヒトが用意した帰還用の足だ。それをヴァンパイアが妨害しようとしているのだから敵はヴァンパイア達である、と結論する。


「トラックを通せ。ヴァンパイアを排除しろ」


 これは無理の無い判断だったかも知れない。兵士達は一斉にヴァンパイアに銃を向けるがヴァンパイア達は全く意に介さない。


 最後に一蹴りして罠を仕掛けるとそれぞれの軽装甲車を後ろから支える。ヴァンパイア達の動きが止まりしかも背中を向けているという絶好の機会に兵士達は銃弾を浴びせ始めた。


 もちろん10数Mの距離でもフルオートで綾奈の様に集弾させるなど不可能だ。それでも10数発が身体に食い込むがそれでも全く態勢を変える事は無い。


 トラックが真ん中に出来た隙間に強引に車首を突っ込んでくる。やはりおかしいと待機組ヴァンパイア達が考えた時罠が効いた。神経質にきれいに並べ無い限り2台の軽装甲車はどうしてもトラックの進行に対して楔状になる。それが谷なのか山なのかでストッピングパワーは全く違うのだ。


 最後の蹴りで山状にした軽装甲車に突っ込んだトラックは左側は抜けそうになったが右でガッチリブロックされる。左に置いた軽装甲車が動き易い事でトルクが流れて右側の効果が高まったと言う事も有る。


 結果としてトラックは右前を下にして舞い上がり大きく一回転半した後逆さまに地面に叩きつけられる。


 待機組ヴァンパイア達は兵士の銃を奪いトラックに向けて連射するが彼らとて銃を撃つなど初めてだからあまり当たらず弾装を空にしただけだ。


 目の前の乱劇に呆然とするヒト達を完全に無視してトラックを注視する待機組ヴァンパイア達。やがてドアが内側から吹っ飛び中から偵察組が出てくる。


 さすがに多少のダメージを受けているらしく動きは緩慢だったのでヴァンパイア二人がかりで気絶するほど殴りつける。もう一人も同じ運命を辿りとりあえず洗脳容疑者は確保した。


 待機組ヴァンパイアがヒトの部隊の隊長に簡単に事態を説明してようやく納得を得ると、部隊が持っていた拘束衣を三重に被せ足もグルグル巻にロープをかける。


 さすがのヴァンパイアも身動き出来ない。待機組ヴァンパイア達はスマキにした偵察組を運ぶ手段を調達すべく国連への連絡を依頼した。





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