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恒河沙  作者: 佐瑠未亜綺
第1部 死者が語る戦争
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家庭の事情でね

部活が終わって家に帰ると優子さんに呼び出された。初めての経験なので少し戸惑い、理解するのに1分ほどかかった。

居間に入ると響香くんが正座させられていて、私もすぐにさせられた。


「おいお前ら、醤油1升飲め」


と訳のわからないことを開口一番に言ってきた。


「あの、どういうことですか?」

「そうですよ、死んじゃいますよ。それに最近物価が高いので醤油はやめてください」


と質問するが何一つ聞かずに口を続かせる。


「お前たち用の赤紙が届いたから戦争に行くな」


と矛盾している言葉一言で気持ちと一緒に言い表した。


「えっと何で届いているのですか?まだ成人してませんけど」


「知らないのか、軍の経験がある奴は半強制出兵らしいからな。というか夢子はいつ軍に行ったんだ?私に秘密事があるのか?」


とにじり寄ってくる。響香くんもそのことを知らないからどう言い訳をしようかと悩んでいると「まあ、いいや」と言って離れてくれた。


「で、どうにか行かさないように工作するしかないけどどうする?」


「俺だけでもいいから行ったほうが近所とかからは何も言われなくてもすみますよ。それに友達も多分行くので、一人でも行かせてください」


と響香くんが提案すると速攻で「却下」と反対した。


「何でそんなに行かせたくないのですか?何か理由があるのですか?」


と聞くと目を逸らした。


(何かあるな)


「それは....その」


と優子さんらしくないことをずっとしている。


「なんでですか?教えてください」


と聞いても一切変わらずゴニョゴニョ言ってる。めんどくさいのではっきり言うことにした。


「私たちは行ってくるので帰ったら教えてくださいね」


ときっぱり言って台所に向かった。



「言うんですか?あのことを」

「言ったら嫌われるかもしれないし、お前たちが死ぬのも見たくない、私はどうすれば...」

「安心してください。夢子は命を賭けてでも守るので」

「ありがとう、そしてそれを本番で言えよ」


と落ち着いたのか言い返してきた。

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