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伊賀者
木の枝や葉を振り払いながら夜の街を歩く。
(めんどくさいことになってもぅたなぁ、連れて帰るつもりが逆にしてやられてもうた)
伊賀に帰るのには3日もかかる。
(どうやって言い訳をしようか)
時間が有り余るからこそ考えられるものだ。
そんな余韻にすらつかせてくれない気配がした。
「おい護右衛門、クソ野郎の倅はどうした」
「おや来るのが早いこって、猿助殿は気が短いから困る」
「失敗したのか、だから一族の名前だけの奴は嫌いなんだよ」
「だったら猿助殿が早う来てくれたら連れ出せたのに、まさか信頼してくれてくださるとは本当は好きなんじゃないんどす?」
「減らず口は達者なのは血のおかげか、まあいいさっさと帰って報告しに来い」
と言って帰っていった。
(まぁ失敗したのは私の責任だからなしゃぁなしとしか言えへん、次は本気でやったるからな響香くん)




