不可解
俺は自分が見ている景色の中に、汚いものやおぞましいものを探す
そして見つけてしまうと嫌な気分になる
しかしそれは探しているから見つけてしまうのであって、探さなければ見ずに済むはずなのだ
美しいものや心地よいもので視界を満たせられたら、きっと幸せになれるはずなのに
そうしようとしても、意識のはじっこがそれに逆らう
眼球が汚いものやおぞましいものを求めて動き回る
ならばいっそ、まぶたを閉じるか
そうして暗闇の中に安堵しても
見つけなければならない、という気持ちが湧きおこる
それでまた、俺はあきらめと共にまぶたを開ける
探さなければいいのに
そうすれば見ずに済むのに
今日もまた景色の中に
汚いものやおぞましいものを見つけてしまうのだ
 




