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序章 5,今日のエキシビジョンマッチとは

書き溜めている8話まで一気に投稿します。


「それでは改めまして。実況は私ナーグ。解説はセシルローザさん、ゲストコメンテーターにドラゴンさんで本日の一戦をお送りしたいと思います。よろしくお願いします」

「うむ」

「よろしく」


エルフの女帝と仮面の男――二人のカリスマが、そろって偉そうに頷きを返す。

ナーグは軽く喉を鳴らし、次の質問へと滑らかに繋いだ。


「さてドラゴンさんにお伺いしたいのですが、このエキシビジョンマッチ、一体どういう意味を持った一戦なのでしょうか」

「一番の目的は、プロレス、そしてスーパーストロングスタイルとはどういうものか。それを示すことだ。まずは見ろ、と」

「見ればわかる。と?」

「会見してから試合するより、試合を見せてから会見する方が色々と手間が省ける」


ドラゴンの口ぶりはあくまで合理的。それでいて、どこか余裕を滲ませていた。


「なるほど。しかし、それにしてはあまりに豪華すぎる試合だと思うのですが」

「逆に言えば、この試合で目の肥えた記者たちが何も面白いと思わないとしたら、プロレスはこの世界では流行らないと判断できる」

「確かに。勇者と魔王の戦いでダメなら絶対無理ですね」

「そういうことだ」


ナーグは笑いながら頷きつつ、ふとリングに視線をやる。


「ちなみに剣を二人ともレフェリーに渡してるのは何故なんですか? 何か武器に使用制限が?」

「いや、アレはいわばチャンピオンベルトの代わりだ。勝った方がエクスカリバーとラグナロクを手に入れる」

「えっ、えぇぇぇっっっっっ!!!???」


ナーグが珍しく声を裏返り、驚きが隠せない様子で目を見開く。その様子を見たセシルローザとドラゴンは、どこか楽しげに嗤う。


「剣が欲しい奴らには、是非魔王や勇者に勝てるレベルにまで鍛えて挑戦してもらいたい」

「いやいやいやいやいやいや。聖剣エクスカリバーに、魔剣ラグナロクですよ!?」

「最強の証明書代わりに持つものとしては、悪くないだろ?」

「悪くないどころか、、、それ以上はないですよ。。。」

「ならば何の問題もない」


無慈悲なまでに断定的で、それでいて静かな声。その静けさは、異論を認めない強さを内包していた。

一方で、ナーグは呆然とした表情で言葉を失う。


「くっくっくっ、ナーグよ。まずは落ち着け。そうでなければ最高の瞬間を見逃すハメになるぞ」

「セシルローザさん、、、そうですね、おっしゃる通りです。それでは落ち着いて開始のゴングを待ちたいと思います」


ナーグは深く息を吸い、冷静と情熱の間に精神を落ち着かせる。それから、リングに視線を戻した。


「これから始まる世紀の一戦、稀少なオーディエンスの皆様も落ち着いて刮目してください」


リング上ではゼオンとノブナガが睨み合う中、レフェリーが虫メガネのような形の機械で二人の姿を確認している。


「ドラゴンさん、これは一体何をしているんでしょう?」

「これは試合用コスチュームが守備強度が期待値を越えていないかの確認だ。数値で言えば装備品のトータルで2000以内という規定だ。ついでに武器を隠し持っていないかの確認もしている」

「なるほど。ではあの虫メガネのような装置は二人の守備強度の確認をしているということなんですね」


納得するナーグの横からセシルローザが口を挟む。


「今のうちにルール説明をしといた方が良いのではないか?」

「そうですね。それではドラゴンさん、ルールの説明をお願いできますでしょうか」

「いいだろう」


そう言ってドラゴンの語ったルールは以下のようなものだった。


◯試合時間とリング

・15分。これは試合ごとに異なるもので、あくまで今日の試合時間ということになる。

・リングは35m×35mの正方形。四方の柱は、青のオリハルコン、赤のヒヒイロカネ、銀のアダマンタイト、虹のミスリルとそれぞれ属性があり、柱の上に登っての攻撃は属性が合致すれば強化される。

・四つの柱はダンジョン深層のドラゴンの皮と骨で作られたワイヤーロープで結ばれている。ロープの反動を利用した攻撃、防御は反則にならない。


◯勝敗の決定条件

・フォール(両肩が地面についた状態で押さえ込み、3カウント取る)

・ギブアップ(タップ、口頭で降参)

・ノックアウトにより意識を失えばレフェリーストップ。KOに判定になる

・場外で20カウント以内に戻れなければ負け。ただし、選手が二人ともリング外にいる間はカウントしない。

・空中は場外ではない。

・重大なルール違反があった場合は反則負け


◯反則

・基本的に武器は使用禁止

・召喚魔法は禁止(1対1ではなくなるため)



「基本的なルールは以上だ。その他の細かなものは、試合後の会見で配布するルールブックを参照してくれ」

「ありがとうございます!――おっと、どうやらチェックが終わったようです。そして今……!」


レフェリーがリング中央に立ち、静かに右手を掲げる。


その瞬間、勇者と魔王の殺気が真っ向から衝突した。だが二人は動かない。

立ち上がった闘気だけで、リングの床を軋ませ、空気を波打たせる。まるで、早くゴングを鳴らせ!とばかりに。。。


そして、、、、、

カァァァァァァァァァァン!!!


鋼を打ち鳴らすような、重く、硬質な音が、サンクチュアリの天井を揺らした。

続きを読んでやってもいいぞ、という方は、

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