第七話 併合作戦の後日談~「僕」
併合作戦が終わってからもう半年になった。太田部長も無事に復帰し、CMについても大当たりし収益が以前の2倍にもなり、会社は成長の一途をたどっていった。
え、ライバルの社長の息子はどうなったかだって?一々面倒を見るのが大変だからという理由で警察に引き渡したよ。
資本主義の現実の凄まじさを労働基準法の範囲内で見せつけようとも言ったのだが、永遠に昇進できないかもしれないという絶望感で精神病にでもなったら困るという理由で警察に告発したのさ……まあ太田を殴ったり彼の成果を全部横取りしたり自分の不祥事を全部、彼に押し付けたりと散々なことをしたのだ。実刑は免れれぬ。自業自得だ。太田にそのことを伝えると
「妥当だね。でもうちで働いて地獄を見てもらうのも反省できる1つの手段とは思ったけど」
と言っていた。
うちの部署でも大変なところでは、作業でミスをすれば即死することもある機械の製作所がある。旋盤の作業所や危険な点検作業が存在する。その為そこの部署はとても気持ちが熱い人達であふれかえっていて技術力や集中力も高い。
生半可な気持ちの者は相当しごかれる。当たり前だ。ミスをすれば本当に命はないのだから。彼がそこに行ったところで長くは入れないと思う。心を入れ替えぬ限りは。
実刑になれば公務員の職には付けなくなるなどの大きな制約が生まれてくるし就職活動でも大きなハンデとなることは間違いない。
ただ、うちに就職させてくれと言ったら就職させようとは思う。一番底辺の部署からね。まあそこから下克上したらそれは認めようとは思う。うちは実力主義だもの。門出は関係ない。できればの話だが。
新商品の開発もうまくいき、買収したライバルの持っていた食品の生産ラインも獲得し新たに缶詰などの保存食などの販売も始めることにした。どれも順調に動いているが今の現状がいいかどうかとはまた話は別だ。今も投資家たちや多くの企業が僕らの会社を狙っている。少しでも油断すれば買収を仕掛けられり企業スパイに新しく作った製法を盗まれたりするかもしれない。怠慢すれば他の企業が技術で僕らを圧倒するかもしれないから僕らも日々、技術力を高めていかなければならない。もし僕らの会社が倒産すれば今の給食の美味しさや食品の品質が保てなくなるかもしれない。海外との競争にも影響して日本の影響力に水を差してしまう。
僕らの負けは自分たちの不幸だけでは済まないということをみんなに際に再認識させなければ。後悔しても遅いからね。
第二編を見ていただきありがとうございます!
次からはある人物の過去編となります。是非読んで下さい!
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