第十一話 魔法との相性は良い~「僕」
一応魔法の適性についても調べることになった。魔法を調べるのだから水晶玉を使うのだろうと思ったらそうでもなく、特別な木を使って調べるそうだ。魔性木というみたいで、その仕組みはよくわかってはいないが、彼らの予想として、光合成をする際に二酸化炭素と共に魔力も吸収するようで、その木を切っても魔力は逃げず、人間が触るとその自分の持っている魔力に反応するようだ。そのときに自分はどんな魔法、または属性と相性がいいのかというのが分かるそうだ。
国王曰く伝承では召喚されたものは魔法と相性がよく、全ての属性に適合するのが全てだったというが、僕の場合はどうなのか。
一応安全のため別の施設に移り、黒い服を着た男たち(彼らは世界的に有名な魔法使いで僕を召喚した張本人だそう)に言われるがままに魔性木に触れた。
そのあとの記憶がない。
気付けばそこはベッドの上で見舞いに来た国王は
「……君は色々な意味で規格外だね」
と言ってきた。待って。マジで何が起こったか分からない。そういうと
「君が魔性木に触れた直後大爆発が起きて鉄扉ごと吹っ飛んだんだ。宮廷魔術師だって魔性木に触れただけで多少の爆発は起きても、それは花火程度の爆発であって、さらに今回は簡単に爆発しないように年代物の魔性木を使ってテストをしたんだ。それなのに人の腕の長さと同じ長さの鉄扉をぶっ壊すほどのエネルギーを持っているって信じられないよ」
思ったよりやばい話だった。いや、だとしたら何故僕は生きているのだろう……
「なぜ僕だからは今無事に生きているのですか」
「無事なわけあるか!」
おっと、そうだった今は寝込んでいるのか。
「万が一に備えて物理結界を張っていたのだ。だから魔術師たちも怪我はしていないのだが、君は爆発した地点の真正面にいたから、爆発の勢いを消しきることができなかった訳だ」
「生きてたのは幸運ですね」
「建物ごと吹っ飛んだから怪我人どころか死者まで出るところだった……新しい適性を見分けるための装置の発見を急がないとな。このままじゃ、いつか死者が出たっておかしくないって。その話はあとでするとして問題は君の特性だ」
少し口調がタメ口気味になっている気がするものの今その話を切り出したら話がややこしくなりそうだから言うのはやめておいた。
「結果は……」
ドキドキしながら聞くと
「私たちの想像のはるか上をいく結果が出た。間違いなく扱える属性が史上最多だ」
「というか、そもそもの話どんな属性があるのか全く話を聞いていないのですが」
「言ったとは思うが爆発の衝撃で記憶を失ったのかもしれんな。これから説明する」
国王自ら説明するとは……そう思っていると国王は魔法界では伝説的な人物だそうで、魔法に愛されたものとして世界的に有名だったそう。その話は長くなるから置いておき、まず僕の魔法に対する適性は言うまでもない。問題の魔法の属性には基本的に四種類あるそうで、
火、水、地、風が基本の四つ。
僕はその内の全てに対して適性があるそうで、さらに上位属性というものがあり、
光、魔、空間、時
これをもっているものは数えるほどしかおらず、時に至ってはもはや反則級で起きた事象をなかったことにできたりなど過去や未来に干渉できるそうだ。僕は上位属性の全てに適していることが判明している。ここまでは異常なことにせよ国王も想定内だったのだが、問題はここからだった。
「今言った八つの属性以外の属性をもっていることに私は衝撃を受けたんだ」
「……まだあるんですか」
「こっちのセリフだっつーの」
完全にタメ口だなと思いつつ話を聞くと、
油、爆発耐性、毒、酸、アルカリの五つが分かったそうで、さっき命名したばかりだそう。
「爆発耐性だけは昔勇者が魔法で持っていたという記録があるが新たに、八つの属性以外の属性を持っているのが分かったのは数千年ぶりのことだよ」
「じゃあ油、毒、酸、アルカリはどういうものなんですか」
「多分そのまんまじゃないかな。アルカリはタンパク質を溶かす性質があるし、酸は色々な酸を出せる。魔性木は本当にいろいろなことが分かるな。そして八つ以外の属性があるとは……もしかしたら世界に魔法の適性があるのに中々いい適性が見つからないのは魔性木の結果を見分ける人の精度が低いせいか……」
国王は何か言っていたが、そのあとの話を僕は聞き落としていた。その後この世界で、魔法には様々な適性が存在しそれは多種多様だというのが分かったのは、僕が魔王軍との交渉に出かけてからの話だったので知ったのはだいぶ先の話になったのだった。
自分の属性が分かったところでそれを試したいと感じるのが人の性というものだろう。
「国王様、自分の持っている魔法を試してもいいでしょうか!」
「絶対にダメ」
当たり前か。僕の持っている魔力の量はえげつない。だから試す場がないのだ。でも……
「訓練をしないと本番で魔法をいざとなったときに使う際に誤爆するかもしれません。だからせめて訓練場を教えて下さい!」
「仕方がないな、あそこに大きな山脈が見えるだろう。あの先は平地で何もない。やるならそこで鍛えてくれ。ただ、誤爆するかもしれないから指導する人は1人だけしか送れない。分かったな」
「はい!」
こうして僕は魔法の訓練を始めることにしたのだ。




