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第3話(1) クリア後ダンジョンの発見(シン視点)

 病院の待合室。車いすに座った僕は、ベッドに寝たきりの人が診察を終えて廊下を運ばれていくのを見ていた。

 じきに僕もああなる。そう遠くない未来に確実に。


 数年前までは、僕も院内を行きかう人達のように二本の足で歩いていた。

 今はもう何かにつかまらなければ歩けない。移動には車いすが必須。

 そして、その内に僕は車いすにすら座れなくなり、寝たきりになり、目しか動かせなくなり、最後はもちろん、死ぬ。

 たぶん10年もしない内に、僕はそうなる。


 リハビリをして回復するような病気だったら。

 辛い治療を乗り越えれば治る病気だったら。

 僕はいくらでも努力したと思う。

 でも、僕の病気には治療法がない。努力すらできない。


 だけど、希望の光はある。ダンジョンの中に。

 ダンジョンからは現代科学の力では理解すらできない奇跡のようなアイテムが見つかる。

 きっと、ダンジョンの深層には、僕の病を治せる薬が眠っているはずだ。


 そう思って、数年前から毎日のように、こっそり闇ダンジョンに潜っている。だけど、僕はダンジョン友達のキョウと協力しても、まだ30階層までしか到達できていない。

 正規ダンジョンに潜る探索者のトップクラスの人達は80階層あたりまで平気で到達していて、100階層に至る人達もいるのに。


 僕はスマホを開いた。

 自分の興味があるニュースだけがあがってくるから、僕のスマホのニュースはダンジョン関連の記事ばかり。

 そこに、とんでもないニュースがあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

探索者ポーロ、ついに新宿ダンジョン100階層を制覇!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 新宿ダンジョンの探索者ポーロはSNSやテレビで人気の有名探索者だ。ポーロはダンジョン内の写真を撮れるアイテムを入手していて、派手なダンジョン装備の自撮りやダンジョン深層の写真をSNSに投稿したり動画を作って配信して、圧倒的なフォロワー数を誇っている。

 アイテム売却の収入も加えると、一月で何千万円も稼いでいるらしい。

 僕はお金には興味ないけど。

 だって、何億円あったって健康は買えないから。


(そっか。ついに日本でも100階層クリアする探索者がでたんだ。100階層の金印アイテムはなんだったんだろう)

 

 そう思いながら、僕はニュースの記事をよく読んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 新宿ダンジョンのカリスマ探索者ポーロが、ついに新宿ダンジョン100階層のボスを倒した。ポーロは、100階層のボスの間の先に他のダンジョンへの隠し通路があることを発見したという。新しいダンジョンは、より上位の隠しダンジョンである可能性が高い。ポーロのSNSには証拠の写真が公開されている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 僕はポーロさんのSNSにとんだ。

 ポーロさんが投稿している写真に、僕は見覚えがあった。

 それは、僕とキョウがいつも潜っている闇ダンジョンの11階層にある奇妙な柱によく似ていた。ダンジョン内はよく構造が変わるけど、基本的な構造物は同じだ。

 僕がいつも潜っているダンジョンの11階層には奇妙なマークが刻まれた柱が二本あって、その奇妙なマークの柱はダンジョンの構造が変わっても必ず11階層のどこかにあった。


(新宿ダンジョンの100階層が僕らのダンジョンの11階層につながってる!?)


 だけど、ポーロさんの投稿には、「この新しいダンジョン、マジはんぱねぇ。さっそく見たことないモンスターに襲われて死にかけたわ」と書いてあった。

 ポーロさんは国内最大級の新宿ダンジョンで100階層をクリアしたんだから、僕らのダンジョンの11階層くらい簡単に攻略できるはずだ。

 ということは、僕らのダンジョンのはずがない。

 あのマークはどのダンジョンにもあるのかも。

 僕はそう思って、あまり気にしないことにした。


 だけど、翌日、いつものダンジョンで、僕は発見してしまった。

 12階層に転がるポーロさんの死体を。


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