第4話(3) 蛮槃會No.2の最期(レナ視点)
あたしはあきれていた。
はぁ~。あいつら、ほんと、世話かかるわぁ。
蛮槃會の奴らにケンカ売っといて、そのまま素通りはないでしょ。
キョウはともかく、シンは普通に顔だしちゃってるわけよ? 関東最強の犯罪者集団、蛮槃會の奴らに顔見られちゃってるわけ。
ダンジョン内では無敵でも、外で見つかったら一巻の終わりだっての。
ま、こんな田舎で蛮槃會の奴らに遭遇することはないから、SNSで派手に顔出しでもしてない限り心配いらないかもだけどねー。
心配性のあたしは、念のため一人残らず片付けてあげることにした。
といっても、自分の手を汚す気はない。
放置するだけ。20階層に。
さっそく現れたモンスターに、蛮槃會の強面たちが恐怖に顔をゆがませ絶望したような声を上げた。
「おい、あれ、デビルラビットじゃねーか!?」
「100階層のボスがここにも!?」
「おい、後ろにデビルラビットがもう一体……」
このダンジョンの20階層台にたくさん出現する雑魚モンスター、デビルラビット。新宿ダンジョンでは100階層のボスなんだってね。
キョウは好き好んで大量にアレを狩ってるけど。見た目、グロくて、あたしは嫌い。
そうそう、あたしが見る限り、デビルラビットは2体じゃなくて4体いる。すでにすっかり囲まれてる。
メガネをかけた男が、地面にへたりこんだまま、あたしの足にすがるように泣きついてきた。
「おい、アレを倒してくれ。おまえなら、倒せるだろ? 倒してくれたら、なんでもやる。1億だって2億だってくれてやる」
あたしは、かわいらしく首をかしげながら、言ってやった。
「えー。あたし、お金じゃ手に入らないものがほしいロマンチックな女なの。あんた達じゃ手に入れられないものだから、バイバーイ」
「待て! 待ってくれ!」
待つわけない。蛮槃會のやつらなんか。
あたしはスタスタと歩き去った。
あたしは下位モンスターに襲われないネックレスをつけてるから、デビルラビットは素通り。
後ろの方から悲鳴が聞こえてきたけど、あたしは振り返らなかったから、何が起きたかは、知らない。
ダンジョン内の休憩室でゆっくりのんびりお茶してから、あたしはさっきの場所に戻った。その時にはすでに死体は全部きれいにダンジョンに吸収されて消えていて、装備だけが落ちていた。
あたしは、落ちていたメガネを拾った。このダンジョンじゃめったにでない、ステータス鑑定特性付きのアクセサリ。
他の装備はともかく、これは拾っておかないと。
といっても、あたしはこれと同じ機能のアイテム、もう持ってるからいらないんだけど。
キョウたちが拾っちゃったら、自分たちのステータスの異常さに気づいちゃうから。
あのふたり、おもしろいから、もうしばらくこのままにしておこうと思って。




