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悲しくも美しい恋の物語(番外編 )【第一話】

作者: 昭和46年生まれの兄

 この物語は、私の実話で「今でも忘れられない恋」を基に、ヒロインであるOさんの過去にどのような悲しくも美しい恋の物語があったのか兄こと私の視点でフィクションとして書き上げたものです。名称等はすべて仮名です。

 令和大学病院に看護師として勤めている大川麻衣。仕事も慣れて公私ともに充実してきました。そして看護師として2年目になった時、ある一人の新人医師の赤城と出会います。お互い出会ってすぐに惹かれあい、恋に落ちるのに時間は必要ありませんでした。


 赤城との付き合いも丸2年を迎えたころ、お互いに結婚を意識するようになります。そしてとうとう赤城は、麻衣に結婚を申し込みました。もちろん麻衣はすぐにOKの返事をして、二人とも幸せの絶頂でした。そして、結婚式場も選び、ちょうど1年後の来年6月には式を挙げようと約束をしたそんな矢先、予想もしない出来事が舞い込みました。


 赤城はとても優秀で、令和大学病院でも将来を嘱望される若手医師の中でもエースとして認められる存在でした。そんな赤城にアメリカへの研究留学の話が舞い込みます。 赤城はとても悩みました。なぜなら、医師としての成功のためには、この研究留学は必須だったからです。


 しかし今回の研究留学の期間は3年間と長く、しかも3か月後の 10月から渡米しなければならないという急な話でした。赤城はとても悩みます。もし研究留学の道を選べば、愛する麻衣との結婚は、3年以上延期しなければなりません。それどころか麻衣が待ってくれる保証もないのですから。


 思い悩んだ末、赤城は覚悟を決めて麻衣に打ち明けます。 研究留学の話をもらったこと、もしこの話を受けた場合は今年の 10月から渡米し、3年は日本へ戻れないこと、 そして結婚を延期しなければならないこと。そして自分自身どうして良いのか分からない苦しみを率直に話しました。


 すると麻衣は、まったく悩む姿も見せずに素直に喜びました。なぜなら愛する赤城の将来への道が大きく開かれたのです。 それはまさに自分のことのように喜びました。 そして結婚については3年間待つことを約束し、是非行くべきだと背中を強く推したのです。赤城は、麻衣が結婚をとても楽しみにしており、そしてどれだけ待ち望んでいたかを知っていただけに、麻衣の申し出に感謝の気持ちであったと同じだけ申し訳ない気持ちでいっぱいでした。


 そんな赤城の気持ちを察したのか、麻衣は発破をかけます。 「こんないい女を3年間も待たせるのだから、3年間の研究研修で超一流の医者になって私を迎えに来ないと、 周りの男性がほっとかないわよ」 赤城は目にうっすらと涙を浮かべながら麻衣に必ず 3 年で迎えに来ると約束をしたのでした。


 あっという間に3か月が過ぎ、渡米のための準備でほとんど会うことが出来なかった二人。

二人とも寂しかった気持ちもあるものの、まだ同じ日本にいる、同じ病院に勤めているという繋がりから、なんとか気持ちを抑えていていました。


 渡米前日に久しぶりに二人で食事を共にし、いよいよ遠くに離れてしまうという実感を噛みしめながら、この時、この瞬間を大切に過ごす2人でした。 食事も終わり、もう帰る時間になった時、これが最後の別れではないのかと思えるほど、胸が締め付けられる思いの二人でした。


 渡米当日麻衣は赤城の見送りのために空港に行っています。 絶対に泣かないと決めていた麻衣でした。しかし赤城には、 麻衣の顔が満面の笑顔なのに、類をつたう涙がとめどもなく止まらない姿を見て、どうしても先へ歩き出すことができませんでした。


 もう時間も無くなってきました。麻衣もそんな赤城のことを察しています。 そして麻衣から思いきり背中を叩き、 検査場ゲートの前に突き出しました。「ファイト! ! 私は飛行機見えるところに移動するからね」 そして麻衣は走り去りました。 赤城は麻衣の優しさを噛みしめながら検査ゲートを通過し、急ぎ飛行機に搭乗します。


 麻衣は急いで展望デッキに向かい、 赤城が搭乗している飛行機を探します。 そして、赤城の登場する飛行機を見つけ、離陸する瞬間!思いっきり手を振ります! (いってらっしゃい。私待っているから。)

 これから麻衣に降りかかってくる悲しい恋がどのように進んでいくのか第二話に続きます。麻衣は赤城と幸せになれるのか。お楽しみください。


 この小説は、昭和46年生まれの兄のブログ「syouwa46.com」にも掲載されています。

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