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転生ドラゴンは生き残りたい  作者: プレ子
第一章
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40.幼竜ちゃんの大変な一日

 ふわぁ。おはよう。

 いつもより目覚めるのが遅いのは昨日の作業のせいだと思う。

 夜更かしももちろんあるが、知らない間に疲れがたまっていたのだろう。

 何しろやっていたのは変わり映えしない永遠と土を掘り返す事だけだったのだ。

 精神的に疲れてしまってもしょうがない。


 まあ、今日は今日とて永遠と短調作業を行う予定だ。

 娯楽が欲しい。まじで。

 まあ娯楽があった所で遊ぶ余裕なんて全くないのが悲しい現実というものなのだ。


 今日は、洞窟の前を流れる川をせき止めて完全に川を移転させるのだ。

 埋め立てに必要な量の土はあるので今日中に作業を終わらせることが目標だ。

 埋め立てるだけだから多分余裕だと思うのだ。

 まあ、川を掘った際に生まれた土の量は川を全て埋めきってもまだ余裕があるだろうから、多少失敗しても大丈夫だろう。


 昨日ちゃんと水浴びをしなかったせいで鱗の隙間にカピカピになった土がついているのだ。

 まあどうせ今日も汚れるのだから、無視しようちょっと嫌な気分になるけど……

 こうなる事を想定できないくらいには昨日は眠かったのだ。


 まあ今日はそんなきつい作業ではないはずだし、気楽にやって行こうと思う。

 土をまとめて置いておいた場所までやってきた。

 ここにある土を使って川を埋め立てるのだが、まずは川の近くまで持って行こう。

 少しずつ川を埋めて行っても流されれ行ってしまうので、一気に川をせき止める作戦だ。



 これが地獄の始まりだった。



 まあたいそうな事を言ったが、集めていた土が固まってしまって、移動させるのがむっちゃ大変だっただけなのだ。

 だけど地獄だったことには変わりなかった。

 ただ土を移動させるだの簡単な作業だったはずなのにそれだけで一日が終わってしまったのだ。

 それなのに運べたのはまだ半分程度だ。

 そして何より恐ろしいのが、移動させた場所でまた土が固くなってしまっているのだ。

 つまりまだ地獄が続くという事なのだ。



 輸送用の道具が一切ない中でこんな量の土を移動させようと考えていたのがそもそもの間違いだったのだ。

 全ての土を、ただでさえ物を持つのに向かないドラゴンの手で移動させるなんて行為はもやれっきとした拷問だった。

 少し考えれば分かる事だろう。僕は馬鹿だと思う。


 今日は異常なほど疲れた。

 もう寝る。

 ふて寝みたいに寝るけど、もう寝るには良い時間なのだ。

 作業中の意識があいまいなのは拷問の記憶を思い出さないようにしている為だろう。

 なんてつらい作業だったのか。

 おやすみ。


 今度こんな作業をやるときは最低限運搬用の一輪車を作ろう。どんなに作りづらくても、だ。

 そんなことを心に誓いつつ眠りについた。



 おはようございます。

 昨日の記憶は意図的になくしてしまった。

 早速今日の作業を始めたいところだが、どうしてか体が作業をしたがらない。どうしてだろう。

 今日は、いったん作業を中断して何か土を運べるような道具を作成しよう。


 木を加工すればソリみたいなものが作れるだろう。

 加工は少し難しいが、太めの原木を使えば中身をくりぬくだけである程度形になるだろうから、これなら作れるだろう。


 この前伐採した木はくり抜くにしては少し小さいので適当に見繕って新しく伐採してこよう。

 周囲の木々の中には直径一メートルを超える様なものは多い。

 こだわっている訳では無いので、伐採する木が生えている場所が開けていればそれでよいのだ。


 切り倒す木は簡単に見つかった。

 ある程度空間が開けていて切り倒した後のいろいろがやりやすそうなのだ。

 拠点との距離も近いし魔物の心配もいらないから早速切り倒してしまおう。


 切り倒す方法はこの前使った『ウォータジェット』だ。

 太さがあるので貫通できるか分からないが、貫通しなくてもある程度切れれば思いっきり体当たりすれば倒せるだろう。


 術式を発動させて勢いよく射出する水の力で木の根元を切断していく。

 最初は問題なく刃が通っていたが、中心の一番太いところは水の刃は貫通出来なかった。

 この程度なら蹴り飛ばせば問題なく切り倒せるだろうから大丈夫だろう。

 ただ、この後この原木を加工できるか不安だ。


 まあ、今は切り倒すことに集中しよう。

 尻尾で思いっきり木を叩くとミシミシと大きな音を立てて向かい側に倒れていく。

 ただ完全に倒れる事は無く近くの木に引っかかってしまったのだ。

 背が高い木だったので仕方ない事ではあるのだが、前向きに考えれば大きな音で敵が集まって来ることが無いという事だ。


 気に引っかかっているので下から引き抜くのは出来ないだろうし、飛びながら地道に枝を折っていくのも面倒だ。

 なので空を飛びながら『ウォータジェット』を使ってある程度のサイズに切り分けよう。

 ホバリングは大の苦手だが出来ない訳じゃないので、やってやれない事は無いはずなのだ。

 カットした断面図がぐじゃぐじゃになってしまうだろうが、後で加工しなおせば良いので問題ない。


 地面から近いところはそのまま切断が可能だろうから先にそっちを済ませてから飛び立とう。

 切断する場所は根元から5メートル位の場所でいいだろう。

 『ウォータージェット』

 よし全部綺麗に切る事が出来た。

 切断した場所は根本より細かったので最後まできれいに切断が出来たのだ。

 

 カットした木をどかしても滑り落ちてくる様子は無いので、後は飛びながらの作業になるのだが、ただでさえ木々が密集していて飛びずらい中でこの太い木を切断しなくてはいけないのだ。

 難しい作業ではあるが何とか頑張ってみよう。

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