30.お疲れの様です
明るい日差しで目が覚めた。
晴れやかな雰囲気に反し、僕の気分は良くない。
昨日も結構落ち込んでいたが、疲れが取れたせいか今の方が落ち込んでいる。
だからと言ってここだ拠点では無いのだから無理やりにでも気持ちを切り替えて行かないといけないだろう。
起きたばっかりだけどこの凍らせた巨大な荷物をさっさと運び始めよう。
もしかしたら7トン以上あるんじゃ無いだろうか、非常に重い。
ゆっくりとし動かせないが気に突っ掛からなければ多分お昼過ぎくらいには拠点に戻れるだろう。
よし、頑張ろう。
「あ゛あ゛あ゛ーーーー疲れたーーーーー」
氷塊を押し続ける事訳8時間、休む事無く拠点まで帰ってきたのだ。
平常な精神状況だったら途中で休憩を入れていたのだが、あいにく今の精神状況は最悪なのだ。
何でもいいから体を動かしていたい気分だったのだ。
その結果がこのざまだ。
もう疲れてしまったのだ。
今日まだご飯食べてないしまだ暗くもなって無いけど、寝よう。
所謂ふて寝だ。おやすみ。
寝すぎた頭痛い。
おはようございます。朝です。
二日続けて寝起きが最悪なのは嬉しくない。
まあだからと言って何かある訳では無いので、洞窟の外に出て拠点周りの整備の作業に向かおう。
ご飯も大量にあるのだ。
とってきた時の事を思い浮かべるとあまり喜べないけれど……
でも当初の予定を大幅に上回った量があるので数週間は狩りがいらなくなって整備に集中できるだろう。
僕の目標はまだ決まっていなけれど、よく考えたらそんな直ぐに決められるものでは無い事に気付いてしまったので、ゆっくり考える事にした。
だけど、どんな目標を立てるにしてもわがままを通せる強さが必要で、強くなるのに一番効率のいい方法は魔物を倒すことだ。
これがジレンマというやつなのだろうか。
わがままな僕には難しすぎて答えが出せないので今できるのは現状維持だけなのだ。
つまり必要最低限だけを狩ってただ生き残る事に集中するのだ。
将来の夢は取り合えず拠点が完成してから考える。
さあ、お仕事を始めよう。
難しいことを考えるのは僕の性に合わないのだ。
今日は、川の予定地にある木を全て抜くのだ。
とは言っても、前回はたった一本の木を抜くのに半日も掛かったのだから、今日中に残りの4本を全部抜くのは絶対無理だろう。
まあ、2本は頑張って取り除こう。
やる事は単純で、只々ひたすら木の周りの土を掘り返していくだけだ。
何の道具もなしに犬かきの様にただひたすらに掘っていくのだ。無心で。
ここの土は少し掘ると粘土質な物になり、根っこの掘り出し作業が非常にやりずらいのだ。
この作業は心を無心にないと直ぐに辞めたくなってしまう危険な仕事なのだ。
作業開始から3時間が経過し、1本目の木を除去する事が出来た。
速いね!!
原因はグリーンウルフを倒しまくった事だろう。
そのせいで僕の魔力量が大幅に上がり、結果的に筋力も上昇しているのだ。
思わぬ誤算だが、これなら今日中に伐採作業が終わるだろう。
面倒ごとはさっさと終わらせるに限る。
全く誰がこんなに面倒くさい仕事ばかり貯めていたのやら。
2本目3本目と木を伐採していき気付けばもう最後の1本がいま倒れていく所だ。
ここまで長かった。
たった丸一日だけど長かったのだ。
途中昼休憩を挟んだのだが、食べたものがあれなだけに、全く休憩にならなかったのだ。
というのも今日の昼食はストーンフロッグ。あの毒ありガエルだ。
目眩は起こるし、痺れて動けなくなるし散々なお昼ご飯になってしまったのだ。
……ただ、ストーンフロッグの味は意外と良かった。
まあ、食べると死にかけるので今度見つけたら速攻で逃げよう。
そういえば、この前『マーカー』を付けた人たちはどこまで行ったのだろう。
この前場所を調べた時はここから150キロ程度の所にいたのだから、帰宅途中ならばもう自分の住んでいる所に帰っているのではないだろうか。
まあ、時刻は真夜中だから今調べた所で移動しているかは分からないだろうが、今どの辺にいるか気になったのだ。
えーと今の場所は……ここから大体600キロ程度の所だ。
えーと、うん、あーすごいね。
正直どうすればいいのか良く分からない。
ここまでの移動をするとは思っていなかったのだ。
だって僕が見た時の移動手段は徒歩だったのだ。
まあ、どのみち放置するしかないか。
考えてもしょうがない事は今の僕には沢山あるのだから一つくらい増えても何の問題ないだろう。
そうゆう事なのでもう寝る。
最近夜更かしが増えている気がする。
明日は早寝を心掛けよう。
おやすみなさい。




