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転生ドラゴンは生き残りたい  作者: プレ子
第一章
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16.物件探し

 一通りニヤニヤした後、今日は特にやる事が無いので、さっきまで鏡として使っていた水たまりの水を温めてお風呂を作ろう。

 今まで全く気にしていなかったが、人化したときの僕は可愛いので少しは清潔にしておこうと思ったのだ。

 もっとも、人化し始めた時に感じた体が書き変わる感じを考えれば、普段、つまりドラゴンの姿の時に体を綺麗にしても余り意味は無い様に思えるが、まあ、そこは気にしない。


 ニヤニヤしていた間に、ある程度魔力が回復していたので早速魔術を使って水たまりを温めていく。

 

 適度に温まったのを確認し、水が濁らないようにゆっくりとお湯に浸かる。

 地面を固めたりしていないので多少は泥が舞ってしまったが、ドラゴンとして生まれ、初めてのお風呂はとても気持ちいい。

 

 僕は余りお風呂は好きじゃないけど、たまにはお風呂も悪くない。

 ロックドラゴンを食べきったら此処から移動して、本格的に拠点を作るつもりだ。

 その拠点には大っきな露天風呂を作ろう。


 この世界は前世に比べてとても自然が美しい。

 そこに自分だけの露天風呂、考えうる最高の贅沢だろう。

 お酒が在るならなお良し。

 そしてドラゴンは体を洗う必要もなければ乾かす必要もない。

 まさにいいとこ取りだ。



 お風呂には、一時間程入っていた。

 お湯が少しずつ土に吸収されていったので早々に上がることにしたのだ。


 今日は、ご飯を狩りに行く必要が無いので、空いた時間は、魔力を回復させる為に寝よう。

 ロックドラゴンを食べればすぐに魔力を回復させられるが、わざわざ解凍するのも面倒だし。

 と言うのは言い訳で、実際はお風呂に入った事で体が温まり、眠くなってしまったのだ。

 僕は大きなあくびをして、眠りについた。


 「おやすみなさい」



 おはようございます。

 朝です。

 お昼寝のつもりが、気が付いたら太陽が登って来ているのだ。

 とても不思議だ。


 とりあえず、日課の戦闘訓練と、魔術の練習をしていたら、あっという間にお昼になった。

 お腹が空いたので、ロックドラゴンのお肉を一時間程掛けて解凍し、表面を軽く炙って食べる。


 ロックドラゴンのお肉があるから、狩りの必要が無いのでその分の時間を使って、新しい拠点となる場所を探しに行こうと思う。

 拠点を作る場所の条件は雨風を凌げて、ある程度強い魔物が居ることだ。


 ロックドラゴンのような強い魔物がオークの集落まで来ているのだから、そう遠くない所に僕が食事に困らないようなそこそこ強い魔物がいるだろう。


 そう考えてからはや3時間。

 まっすぐ飛び続けているが、一向に雨風を凌げそうな場所や、強い魔物がが見つからない。

 途中、ゴブリンの集落を見つけたが、ゴブリンはオークよりも弱く、魔物の中でもホーンラビットに次ぐ最弱種だ。

 種族進化して、ゴブリンメイジや、ゴブリンキングなどの上位種は、そこそこ強いのだが、そういった存在も見受けられなかった。

 そんなゴブリンが繁栄している程度には平和なのだ。


 そろそろ引き返さないと帰る途中で真っ暗になってしまうだろう。

 結局新たな拠点となる場所は見つからずに引き返す事になってしまった。

 しかし、収穫がゼロだった訳ではない。

 所々に建築資材になりそうな大きな原木を見つける事が出来た。

 建築技術なんて物は無いが、雨風を凌げる場所くらいは作れるだろう。


 そんなこんなで、日が暮れる前に拠点に帰ってくることが出来た。

 往復6時間も飛んでいたのに疲れは感じていない。

 ロックドラゴンを倒す前ではこれだけ飛び続ける事は出来なかっただろう。

 もっと強くなりたい。

 でも今は眠いから寝る。


 「おやすみなさい」






 拠点探しを初めて3日が立ち、漸く理想の環境が見つかった。

 そこは、全力で飛んで約5時間程掛かる所で、距離にして約300キロ位だろう。

 ロックドラゴンの骨とか鱗とかを無駄にしたく無いので、ここまで持ってくるつもりだ。

 持ち運ぶ方法は考えてはいるが、相当に時間が掛かるだろう。

 はあ、長い旅になりそうだ。

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