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転生ドラゴンは生き残りたい  作者: プレ子
第一章
16/114

15.ごーほーむ

 融解した地面に着地したのに「あちゅい」で済んでいるのはロックドラゴンを倒した影響だろう。

 最後に放った熱線で全ての魔力を使ってしまっているので正確には解らないが、魔力上限が3倍くらいには増えている。


 ロックドラゴンの鱗を少しだけ剥ぎ取り、そこからお肉にかぶりつく。

 臭みが無く、どちらかと言うと魚に近い味がするので、生の方が美味しいんじゃないだろうか。

 後で火を通しても食べて見よう。


 ロックドラゴンのお肉を食べて、魔力が回復したので、『ライトヒール』で傷を治していく。


 1時間程が立ち、お腹に空いた風穴以外の傷は治ったので、ロックドラゴンの尻尾に噛み付いて巣まで運びだす。

 いつもなら、狩ったその場で食べきるのだが、ロックドラゴンの大きさと魔力量からして、1週間は食事に困らない程の量があるのだ。

 魔力量が高くて、その上美味しいから全部僕が食べたいのだ。


 オークの集落が近くにあるのだが、多少視線を感じるだけで、特に何か仕掛けて来ることは無い様なのでゆっくりとロックドラゴン引きずりながら巣に持ち帰る。


 元々ロックドラゴンが気に食わないから攻撃を仕掛けた訳で、別に助けたかった訳では無いのだ。

 だから、攻撃されたら当然反撃するし、これからも僕のご飯になるのだ。

 もっとも、ロックドラゴンを倒し、魔力上限が増えた今、そろそろこの場所から移動するべきなのだろが・・・




 ようやく巣に帰って来たときには既に辺りが暗くなっていた。

 今日は疲れた。もう寝る。

 魔力量がふえて試したい魔術とかが色々あるけど寝る。

 

 「おやすみなさい」


 おはようございます。

 現在、太陽が僕の真上に見えます。

 完璧に寝過ごしてしまった。


 くぅぅー

 小動物の様な謎の音が聞こえてきた。

 ・・・昨日持って帰って来たロックドラゴンを食べよう。

 もうお昼だからご飯を食べるのであって、決して小動物の様な音は一切

全く関係していないのだ。

 そうに違いない。


 ロックドラゴンの鱗はごつごつした岩の様で、固くて一枚一枚がとても大きく、剥ぎ取るのが凄く大変なのだ。

 この鱗は人化したときに自分の装備として使いたいので丁寧に剥いでいく。

 

 全ての鱗を剥ぎ取ったら次は、『ウインドカッター』を使って食べやすい大きさにカットしていく。

 今日食べる分だけ残して後は凍らせて保存しておく。

 凍らせる方法は、水魔術の中級魔術『ホワイトロック』を使う。

 ホワイトロックは、指定した場所の気温を下げる常時発動型の魔術だ。

 かなりの時間は掛かるが、こればっかりは鮮度を保つ為なので仕方と諦めるしかない。


 その間に切り分けておいたお肉を食べるとしよう。

 表面を軽く炙り、焦げめが付いた頃にかぶりつく。

 適度な肉肉しさと魚介のような味わいが、表面を炙ったことによっていっそう際立ち、まるでじっくり煮込んだスープのような味わいがして、とっても美味しい。


 あっという間に食べ終わってしまったのでまだお肉が凍りきってはいないだろう。

 暇になってしまったので、穴を掘ろう。

 後で魔術を使うときに使うのだ。


 一時間程が立って大きな穴を掘る事が出来た。

 凍らせていたお肉もカッチコチに固まったので、魔術を解く。

 竜言語魔法で2メートルの氷の塊を作り、尻尾で叩き割ってその上に凍ったお肉を突っ込んで保存する。

 これで、氷を足していけば最後まで美味しく食べられるだろう。

本当は昨日の時点でやるべきだったのだが、とっても眠かったので後回しにしてしまったのだ。

 次からは気をつけよう。

 

 さっき掘った穴に魔術を使って水を張り、大きめの水たまりを作る。

 そして、魔力が完完全に回復するまで待つ。

 魔力が回復したので、魔術を展開させる。

 発動させるのは前から気になっていた人化魔術だ。

 魔力上限と回復速度が上がった今なら人化したときの姿を確認出来る程度は魔力が持つだろう。


 人化魔術の魔術式は効果が発動するまで5分以上掛かる。

 その上術式が細かくて、失敗すると無駄に大量の魔力を消費してしまうので練習がしにくく、非常に難易度が高い。

 魔力量の強化と魔術式の練習には最適だったので、何度か使っていたので、集中していれば問題なく発動する事が出来るだろう。


 魔術式が完成して人化が始まる。

 痛みは無いが、全身の構造が置き換わる不快感が体中に走り、気持ち悪い。

 しかし、そんな気持ち悪さも数秒の間に無くなり、あっさりと人化が完了した。


 人化したときの身長は150センチ程で、体重もそれ相応に軽くなっている。

 衣服を身に着けていない為、自分の体格がはっきり分かる。

 体つきは完璧に女の子のそれで、胸もある。

 大きさは戦闘に邪魔にならない程度だが・・・


 きっ気を取り直して行こう。

 人化している時の僕の性別は、両性だった。

 つまり、男と女のアレとソレがどっちも付いているのだ。

 これははっきり言って予想外だった。

 てっきり人化している時は無性なのだと思っていたからだ。

 これには幼竜さんも思わずびっくり。


 誤魔化すようにふざけていたら、そろそろ魔力が無くなりそうなので最後に、さっき作った水たまりで自分の姿を確認する。

 水面に映っていた僕の容姿は自分とは思えない程に整っていて、自分の事ながらつい見とれてしまった。


 黒髪のショートカットにキリッとした目つき、それでいて、ぷっくりしたくちびるは女の子らしさを強調している。

 子供の時の中性的な外見のままに大人の女性の様な色気を持っている様は、どちらかと言うと男の娘に近い。

 なんにせよ、今の僕の姿は超絶に可愛いのだ。


 この世界の人間を見た事が無いから分からないが、世間一般よりも可愛いんじゃないだろうか。

 少なくとも地球では上位10%には入っているだろう可愛さだ。


 自分に見とれていたら、あっという間に魔力が無くなって、人化魔術がとけてしまった。

 予定では言語を喋れるかとか、どれだけの時間人化していられるかとかを調べるつもりだったのに、すっかり忘れてしまっていた。

 それなのに妙な満足感があるのは、やっぱり嬉しいからだろう。

 『僕可愛い。えへへ』

幼竜ちゃんの容姿は私の性癖です。

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