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転生ドラゴンは生き残りたい  作者: プレ子
第一章
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10.きゅるるぅー

 移動しながら二十匹の羊を狩って、最後の一匹を食べ終えた頃には、辺りは既に暗くなっていた。

 僕が目を覚ました川から5キロ程離れた場所に、かなり大きな羊の群れがいたため、今日食べきれるだけの分を狩らせて貰った。

 すぐに大きな群れがあったのは幸運だっただろう。


 毛を除いても一匹40キロ位重量のこの羊を十匹食べてようやく腹八分程度だ。

 もう少し狩って置けば良かったと少しばかり後悔はしているが諦める。


 それよりも翼の治療の方が重要だ。

 ご飯を食べた事によって魔力がかなり回復している。

 自然回復したのと会わせるとほぼ全回復している。

  とりあえず『ライトヒール』を使って翼を治していく。


 今日だけで1トン近くご飯を食べている。

 それでも完全に満腹にならなかったし、二十匹以上倒したのにほとんど強くなれなかった。


 明日は出来るだけ遠くに移動しよう。

 動物を狩るだけなら簡単なのだが、何分食べるのに時間が掛かりすぎるのだ。

 魔術や体を鍛える時間は多いに越した事はないので、半日もご飯を食べる時間に使って要るのはもったいない。

 明日は空を飛んで移動することが出来るので、せめて魔物がいる場所に行きたいと思っている。




 二時間程が経ち僕の翼が完璧に治った。

 かなり痛かったので治ったのは嬉しい。

 残りの魔力量が半分程度になっているが、明日になれば八割方回復するだろう。


 一人で寝るのは少し怖いが、いつも寝ている時間を大幅に過ぎているためかなり眠い。

 明日起きれる事を願いながら眠りにつく。



 朝目が覚める。

 翼を伸ばしたり、パサパサ羽ばたいて見たりしてみる。

 昨日の時点で分かってはいたけど一応ちゃんと動くか確認して飛び立つ準備をする。

 かなり久しぶりに飛ぶのだ。

 準備運動も入念にやって、漸く飛び立つ。


 昨日1トン近くご飯を食べたのに、僕の体重は殆ど変わっていないため、簡単に飛ぶ事が出来る。

 とりあえず翼が疲れるまで飛び続けて、降り立った場所でご飯を探すとしよう。


 大空から下を見渡すと、幾つかの動物の群れが見える。

 前世ではテレビでしか見たこと無いような光景がこの世界では、当たり前の様に見ることができる。

 僕がドラコンとして産まれてきた中で見てきた全ての景色が美しく壮大な物で、その中で生きている自分がちょっとだけ誇らしく思える。


 景色を堪しながら進んでいた僕の時間はあっとゆう間に過ぎていき、気づけば体力の限界が近づいていた。

 速度を落として着地する。

 体感で60キロ程進んだと思う。

 飛行中上空から見渡していたが、ちらほら魔物の姿を確認する事出来ていた。

 それでも、魔物としては最低ラインで、魔物と動物の中間程度の魔力量しか無い種族ばかりだった。


 獲物を探し初めてすぐに、魔物を発見した。

 2メートル位の大きさで、くすんだピンク色をした肌に豚の頭部を持った人型の魔物、オークだった。

 数は三匹で、棍棒を持っている。

 この場所は背が高い雑草が密集しているため、オーク達は近くに来るまで僕に気づかなかったらしい。


 僕を見た瞬間に慌てて逃げ出すオーク達。

 でも、その速度は僕からしたら非常に遅く、全てを倒す事が出来た。

 一体目に飛びかかり、前足で顔をつかみ地面に叩きつけ、二体目は、尻尾の叩きつけで気絶させて、三体目の首筋に噛みついて即座にその命を奪った。

 戦闘はあっという間に終わった。

 気絶させていただけの個体に噛みつき、止めを刺す。


 初めて人型の魔物を殺したのだが、罪悪感のような物は感じない。

 しかしそれは仕方ないと思う。

 いくらオークが人型とは言え、どちらかと言うと豚が二足歩行しているようで、人間とはかけ離れた容姿をしていた。

 

 それにしても、まさか目に入った瞬間に逃げだされるとは思わなかった。

 自分の魔力は気配遮断で隠れているはずなので、あのオーク達は僕がドラコンだから逃げた事になる。

 それだけドラコンは有名なのだろうか。


 2メートルのオークが三匹も手に入ったのだ。

 魔物の中では弱い魔力量しか内が、それでも今日はお腹一杯に出来るだろう。

 早速オークのお肉にかぶり付く。

 味は予想通り豚肉だった。

 それも、かなりグレードの高い、高級感のある味だ。

 むちゃくちゃ美味しい。

 一匹をすぐに平らげてしまった。


 二匹目は、火を通して食べてみよう。

 魔術を使って表面を焦がしていくと、豚肉の香ばしい香りが漂ってきた。

 きゅるるぅー

 オークを丸々一匹食べた後だと言うのにお腹が鳴る。

 お腹が鳴った恥ずかしさを無視してこんがりと焼けたオークにかぶり付く。


 脂身が口の中でとろけるように無くなっていく。

 普段はお肉を生で食べている僕だけど、このオークは絶対に焼いて食べようと思うほど美味しかった。

 気づいたら二匹目も食べ終わってしまった。

 三匹目も同じように焼いて食べきった。


 そういえば、オークは集落を作って住む習性があった筈だ。

 オークの魔力量は少ないとは言え、倒したとき僕の魔力上限が少し上がったのは確認できた。

 うん。狩り尽くそう。

 今日はお腹一杯だからやらないけど明日は、オークの集落を探そう。


 まだ夜まで時間がある。

 今日は魔術の特訓をしよう。

 そうして僕は日が暮れるまで魔術の特訓をして1日を終えた。

 オークは極上和豚のような味です。

 私は食べたことはないのですが・・・

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