第十一話 掘ったり埋めたり
ナップ殺害計画は、いきなり頓挫しようとしていた。
PTチャットでは真っ先にツバメが、続いてクラレットも反対した。スピカは中立と言うか、ナップの態度に思うところがあったのだろう、黙認するような形だったが。
姐御はメリットがないから反対だと主張していたので、根っこのところがどうしようもなく外道だと思う。人の命を損得でしか判断してませんよこいつ。
だがカルガモは、今後も付きまとわれる可能性があることを主張。ならば実際に殺すかどうかは別として、明確な敵対行動を取ることで、距離を置くべきだと言ったのだ。
これにはツバメ達も消極的な賛成をしたが、やはり問題は姐御である。ぶっちゃけカルガモ個人の問題なので、自分達まで巻き込むのはいかがなものかと、正論を仰った。
ぐうの音も出ないカルガモだったが、しかし流れを変えたのは誰あろう、ナップその人であった。
彼がPTリーダーは誰かと問うので、姐御が自分だと答えた時、ナップは真顔で俺達に問いかけた。
「――最年少のようだが、本当にこの子が?」
恐ろしく見事に地雷を踏み抜いた。
姐御は小柄であることを認めているし、別にコンプレックスにしているわけでもない。だが子供扱いをされるのは大嫌いなため、この瞬間、姐御はナップ殺害を決意してしまった。
「ナップさん、ナップさん」
姐御が笑顔で手招きする。俺とカルガモは震えて見守ることしかできない。
あの怪物の本性を知らない他の面々は、きょとんとしているばかりだ。
そして呼ばれたナップは、何か、自省するかのように小さく笑って、
「いや、すまない。人を見た目で決めつけるのは、よくないことだったな」
あまりにも遅い謝罪の言葉を口にした。つーか口にする前に気付け。
しかも手招きされたのをいいことに、近寄って謝りながら頭を撫でるという暴挙である。
姐御は満面の笑みを浮かべて、口を開いた。
「ヒール」
意外にもそれは回復魔法。
燐光のエフェクトがナップを包み――視界を潰したその瞬間、足払いで転倒させていた。
これが戦闘であれば、ナップも身構えるなりしていただろう。だが油断し切っていたところへの不意打ちでは、流石に抗う術もない。さらには彼の重装備が災いする。防御に優れる板金鎧だが、どうしても起き上がるのが遅れてしまう。
突然の出来事への混乱もあったのだろう。彼は呆気なく姐御の追撃を許してしまった。
「ちょっと反省しましょうかー!」
怒りの叫びと共に放たれたのは、股間への痛烈なキックだった。
ナップの身を包む板金鎧も前面こそ守ってはいるが、関節の邪魔にならぬよう、真下はがら空きだ。そこへ突き刺さる足先。ナップは「あひゅっ」という息を洩らし、胎児のように身を丸めた。
……痛覚カットの設定にもよるが、ありゃあ痛い。とても耐えられるものじゃない。
思わず俺とカルガモはナップに駆け寄り、励ましの言葉をかける。
「だ、大丈夫かナップ!? 呼吸だ、呼吸するんだ!」
「気をしっかり保て! 金玉にヒールを使うんじゃ!」
確かに俺達はナップを殺そうと思っていたかもしれない。
だけど、それにしたってこれはあんまりだ。
どんな罪人であっても、玉を潰して殺そうだなんて思わない……!
「姐御……っ! 本当にここまでする必要があったのかよ!?」
震えるナップが四つん這いになったので、その腰を叩いてあげながら叫ぶ。
しかし姐御は酷薄な笑みを浮かべると、ナップの前にしゃがみ込み、目線を合わせて言う。
「躾のなっていない駄犬には、お仕置きが必要ですよねー?」
「……は、ぃ……!」
ガクガクと震えながら、最後の力を振り絞るようにして首を縦に振るナップ。
ああ、ダメだ。彼はもう死んでしまったのだ。
牙を抜かれ、心を折られ。ナップという男は、戦士として死んでしまったのだ。
この結末を嘆くかのように、俺とカルガモの慟哭が響き渡る。
ちくしょう、俺達なら止められた筈なのに……!
わりと頭おかしいのが揃ってる島人の中で、どうして姐御が恐れられているのか。それはルールの範疇であれば、目的のために手段を選ばない点だ。勝てる勝てないの話ではなく、敵に回したくないのが姐御という人なのだ。つまり止められた筈ではあるが、実際には絶対に止めない。俺だって命が惜しい。
しばらくして、ようやく立ち上がれるようになったナップは、弱々しい笑顔で礼を言った。
「カルガモさん、ガウス……ありがとう」
その眼差しに同情の色があったのは、苦労してるんだなぁ、とでも思っているからだろう。
俺達三人の間には奇妙な友情が生まれ、固く手を握り合った。
「――さ、それじゃあ狩り行きますよー」
「「「はいっ!」」」
声を揃えて返事をしたところで、俺とカルガモはナップを蹴り倒した。
「無礼じゃぞナップ! 飼い主への直答はまだ早い!」
「そうだぞ! へへっ、姐御ぉ〜。こいつの教育は俺らに任せてくれよな!」
「あれぇっ!? さっき俺達、友情を誓わなかったか!? なあ!」
そんな俺達を女性陣が呆れたように見ていたが、男の友情ってこんなもんだよ。
迅速に格付けを済ませて、俺達はピラミッドの二階へと移動した。
○
ナップ達と合同での狩りは、小一時間ほどで終わった。
特に問題があったわけではなく、ちゃんと休憩しようということで切り上げたのだ。
狩りを通して分かったことは、やはりダフニさん――格闘家の瞬間火力の高さは侮れないということ。通常攻撃こそ低火力だが、スキルを連続で発動した時の火力は間違いなく俺以上。ただし燃費も相応に悪く、そこをどうするかが今後の課題だと彼女は語っていた。
ナップは何て言うか地味だった。堅実にタンクをこなすのだが、俺とスピカがいて、ヒーラーの姐御まで揃ってるもんだから、あんまり出番がないと言うか……一人で戦線を支えるだけの力はあるんだけど、大人数のPTだとその長所がいまいち光らないんだよな。
逆にナップから俺への評価は高かったようで、もし気が向いたら、ということでクランに誘われた。その勧誘現場には当然ながら姐御もいるわけで、おすわり(物理)させられていたが。
で、姐御達はラシアの溜まり場へ帰り、ダフニさんは今日はログアウトするとのこと。
そんなわけで俺とナップの二人は、プラメージ廃坑にやって来ていた。
「待って、ガウス待って、ずんずん進むなって……!」
後ろからナップが小声で叫ぶものの、俺は歩調を緩めずに返す。
「直感を信じろ。敵がいたら反応する筈だ」
「さっきもそう言って、鉢合わせしてたじゃん!」
「アースエレメンタルは急に出るから仕方ねぇだろ!?」
決して直感が頼りにならないわけではないのだ。俺はそう信じている。
……さて。どうしてこうなったかと言えば、狩りの最中の雑談が理由だろう。
俺の斧の性能が微妙に良いことに気付いたナップが、店売りの量産品ではなく、鍛冶屋で作った品ではないかと尋ねてきたのだ。
そうだと肯定すれば、どこで鉄鉱石を確保したのだという話になる。現状、鉄鉱石はピラミッドのモンスターがたまに落とすぐらいで、まとまった量を確保できていないんだとか。
ナップ達がピラミッドで狩りをしていたのも、半ば鉄鉱石目当てだったらしい。素材を用意する手間はあるが、鍛冶屋で作った装備は性能がいいし、場合によっては安上がりだからだ。
俺としても素材アイテムの流通量は増えてくれた方がいい。俺一人の金策として独占するよりも、大勢で採掘して相場を下げてやった方が、装備作りの面では恩恵が大きいのだ。
なので快くプラメージ廃坑を教え、せっかくだからと二人でツルハシ担いで採掘ツアーに来たわけである。
「ガウス、あそこっ。あの横穴、今絶対何か動いたよな!?」
「ナップ、それは影だよ。松明の灯りで揺れただけさ」
「ガウス、ガウス! 唸り声が聞こえないのか!?」
「落ち着けよナップ。俺達の声や足音が反響しているだけだ」
「だけどガウス、見えないのか? あの暗がりに何かいるぞ!」
俺は無言で走り出した。犠牲になるのは俺以外だけでいい。
しかし松明を持っているのは俺なので、その灯りを頼りにナップは猛追した。
「そういう奴だと思ってたよ、ガウス……!
俺はお前を信じていた。本当にやばい時は、必ず一人だけ逃げると!」
ちっ、だからモンスターよりも俺を警戒してたってか。笑えない話だ。
後方からは俺達に気付いたゴブリンの亜種、ノッカーの集団が追って来る。洞窟暮らしに適応しているだけあって、単純な足の速さでは勝てるが、地形的な問題で振り切れそうにはない。
ナップを生贄に捧げるしかないが、こいつのステやプレイヤースキルを考えると、ダウンさせる前にノッカーが追いついてしまうだろう。
だからこそ俺は、背後のナップに当たるコースで松明を投げ捨てた。
「が、ガウス……!!」
人間のゴミなところはよォ……暗さに弱いって点だぜ……。
さあナップ、条件は同じだ。転べばそこで終わりの、デッドヒートを始めよう。
まあ俺は松明を投げる瞬間まで、必死に地形を頭に入れておいたけどな!
「ハッハァー! 尊い犠牲になってくれやナップ!」
掴まれたりしないように、全力で加速する。ナップも少しは足掻くかもしれないが、悪足掻きの芽は潰しておくのが勝負の作法ってもんだ。
だがしかし、ナップは予想外となる起死回生の一手を打った。
「ヒール!!」
「なっ、ンだとぉ……!?」
スキルエフェクト……!!
ナップは俺を対象にヒールを使うことで、そのエフェクトーー燐光によって光源を確保した。
暗闇の坑道を切り開く光を手にして、立場は完全に逆転する。俺が迷いなく走れるのは、ほんの僅かな距離だけ。その程度ならば、追いつくまでにナップのMPが枯渇することもないだろう。
事実、さらに二回のヒールを発動して、ナップは俺の横に並んで不敵に笑った。
「ヒールの使い方は工夫次第だと、あの人に学んだのさ……!」
すかさずトレード申請を飛ばす。
「おわぁっ!?」
ポップアップした表示フレームに視界を遮られて、ナップは転倒した。
分かっちゃいないよ、ナップ。全然分かっちゃいない。姐御だったらそれこそ、俺が何かするよりも早く、俺の視界をヒールで潰していた筈だ。
それができていないお前は、理解者には程遠い。この世には、憧れだけでは届かない地平というものがあるんだ。
「ゲーヒャッヒャッヒャ! あばよナップ!
お前の愉快な死に様は、姐御に笑い話として伝えておいてやるよ!」
高笑いして突き進む俺は、しかしすぐに足を止めた。
この騒ぎに引き寄せられたのか、前方からはトロールがのっそりと迫っていたからだ。
「…………」
後ろを振り返れば、よく見えないがナップはまだ無事らしい。ノッカーが追いつくのも時間の問題だとは思うが、今はまだ生きている。
そうとなれば、俺のやるべきことは一つだけだ。
「ナップ! ここは俺に任せて先に行け!」
「綺麗な話にするなよ外道!? もう手遅れだ、手遅れ!」
こうして俺達はラシアへ死に戻りすることになった。
やっぱりプラメージ廃坑は恐ろしい場所だなぁ。
○
「ーーははっ、ついにやったなガウス!」
血走った目をギョロギョロとさせながら、ナップが不気味なほど朗らかに笑う。
きっと同じような顔をしている俺も、その肩を叩いて笑った。
「それもこれも、お前が諦めなかったからさ。
もしも俺一人だったら、とっくに諦めていたぜ」
「ふっ……それは俺も同じだよ、ガウス。
お前がいたから俺は、ここまで頑張れたんだ」
互いの健闘を称え合い、俺達はプラメージ廃坑の採掘ポイントで笑った。
あれから挑戦すること四度。幾度もの裏切りを乗り越えて、俺達はようやく当初の目的を果たせたのだ。
「さ、早く採掘しちまおうぜ。敵が来たらぬか喜びになっちまう」
ツルハシを装備しながら告げた言葉に、ナップも頷いてツルハシを取り出した。
「ああ、そうだな」
そうして俺達はツルハシを持ったまま、無言で向かい合った。
破顔したのはどちらが先だったのだろう。
俺達は敵意がないと示すために、両手を上に上げた。
「ここまで来て裏切ろうとは思っていないよ。ガウスもそうだろう?」
「ああ、もちろんさ。くだらねぇよ」
俺達の気持ちは同じで。
ツルハシ持ったまま手を上げてんだから、そりゃ脳天狙って振り下ろすよなァ!!
激突したツルハシが火花を散らし、ここに俺とナップの最終決戦が幕を開けた。
勝者は飛び入り参加した現地在住のトロールさん。
○
ちゃんと鉄鉱石を採掘できたのは、不毛な争いにも疲れた七度目のアタックだった。
散々殺し合って分かったこととしては、ナップの実力はやっぱり俺より上だということ。島人連中と争った経験がなければ、俺は何もできずに敗北していただろう。
実力を認め合った俺達は、次は必ず殺すと約束してラシアで別れた。その後、尾行して油断したところを殺して埋めておいた。殺し合うと合意したばかりなので、当然、PK判定は回避だ。
さーて、どうすっかな……鉄鉱石はそれなりに手に入ったが、鍛冶屋で防具を作るとなると金もかかるし、今の手持ちだと厳しいか。ソロでどっかに行く気分でもないし、溜まり場に帰るとしよう。
溜まり場に顔を出すと、残っているのはクラレットと姐御だけだった。
二人はイスに座って朗らかに会話しており、その光景に心が洗われるような思いがした。いや、片方は穢れている気もするが、クラレットの浄化パワーが上回っている。仮に浄化パワーが足りなくても、先程までの俺とナップの会話よりはよっぽど平和的だ。
そうそう、これだよこれ。俺の帰るべき場所はこういう、光に溢れる場所なんだよ。冥府魔道から戻ったことを実感しつつ、俺は笑顔で二人に駆け寄った。
「ただいまっ!」
「あ、おかえりガウス」
「採掘はどうでしたかー?」
何よりもまずアガリを確認してくる姐御らしさが、帰って来たんだなと実感させてくれる。
俺は苦笑して頬をかきながら、
「かかった時間を考えると微妙かもしんねぇ。
装備の一つや二つは作れると思うんだが、誰の何を優先するかだな」
その返事を聞いて、二人は白い目を俺に向けた。
うっ……そりゃあ俺だって、もうちょっと甲斐性のあるところを見せたいけど、ソロでもプラメージ廃坑は無理がある場所なわけで。そこにナップまで同行したんだから、これは仕方のないことだ。
しかし俺の予想と違い、呆れたようにクラレットが口を開いた。
「やっぱりナップさんとケンカしたんだね……」
「この子は誰にでも噛みつきますからねー」
「おいおい、人をまるで狂犬か何かみたいに言うんじゃねぇよ。
時と場所、それと相手を選ぶだけのインテリジェンスはあるつもりだぜ?
それでも狂犬だって言うんなら、ちゃんと躾をするのが飼い主の責任ってもんだ。
ほら、もっとちゃんと握って! 俺の手綱!」
ふんぞり返って言ったら、姐御に手招きされたのでササっと傍に寄る。
隣に座るように指示されたので腰を下ろすと、姐御は俺の膝に座り直した。
「それで鉄鉱石以外には、何か掘れたりしました?
黄鉄鉱は使い道ないんで、またロンさんに売っちゃえばいいと思いますけどー」
「あー、精鉱石ってのが少しだけ。
たぶん上位素材だけど、数が数だから今は使えないと思う」
「ふむふむ。名前的には魔法関係っぽいですねー。
それは売らないでロンさんに預けて、調べてもらいましょうか」
そういうことなら、また会った時にでも渡しておこう。
それから鉄鉱石で誰の装備を優先しようかと話していたら、おずおずとクラレットが手を挙げた。
「あの……いいの?」
「「うん?」」
何を問われているのか分からず、俺と姐御は揃って首を傾げた。
その様子にクラレットは、何故か達観した様子で頷いた。
「あ、うん……何でもないです」
よく分からんが自己解決したらしい。
そう言えば、と俺は姐御の頭にアゴを乗せて話す。
「他の三人はどうしてんの? トリオで狩りとか?」
「カモさんはソロで検証したいことがあるからって、どこか行っちゃいましたね」
「ツバメとスピカちゃんは少し前に、今日はもう落ちるって」
なるほど。まあ明日も学校あるんだし、そろそろ寝ないとダメだよな。
「……ん? クラレットはまだいいのか?」
わりと夜更かしの多い俺はともかく、クラレットも落ちた方がいい時間だと思うのだが。
尋ねられた彼女は、ほんの少し、困ったように眉を下げて笑った。
「おかえりって言わないと、拗ねちゃいそうな気がしたから」
「ああ、うん。それは」
拗ねるわ。確かに俺なら拗ねる。
他に誰もいなけりゃ、姐御だって溜まり場に残っていなかっただろう。
そうなると廃坑から帰った俺は誰にも出迎えられず、寂しい心を慰めるべく無意味にナップにささやき連打して、拒否られるまで嫌がらせをしていたに違いない。
だけど素直に認めるのも何か嫌で、俺はわざと不機嫌そうに言った。
「そんなに俺、子供っぽく見えるか?」
「じゃ、じゃあ、私もそろそろ寝るね」
「待ってクラレット! 本当に子供っぽく見えてんの!?」
背丈は平均身長に届いてないけど、チビってわけじゃないんだぜ! もしも中学生とかに見えてるんだったら、断固として抗議しなきゃいけない問題だよこれ!
しかしクラレットは曖昧に笑い、手を振って逃げるようにログアウトした。
……俺は膝の上に座る姐御の、小さな体をそっと抱き締めて言う。
「姐御……俺、大きくなりたい……」
「その願い、絶対に叶えさせません」
人選を誤った。この金髪コロポックルは邪悪過ぎる。
ちくしょう。俺と違って大人だから、もう希望がないからって、器まで小さいぜこの人。
もっと縮めと脳天を突付いて、キレる姐御から逃げるように俺もログアウトした。
○
【暮井の発言】
だーかーらーさぁー!
パンチラ前提のデザインでパンツ見えたって、何も嬉しくないんだよ!
見えないことに価値があるんだから、見せパンなんて邪道の最たるものだね!!
【緑葉の発言】
珍しく気が合ったわね、暮井さん。ええ、実にその通りよ。
いいこと野蛮人ども。パンツを恋心だと解釈してみなさい。
オープンなのもいいけど、秘めた恋心の方が萌えるでしょう!?
【うどん貴族の発言】
けど俺、やっぱ見えるだけでありがたいわ。
【コロの発言】
だよな。なんか見えた瞬間、ゲージ溜まるよな。
【デュランダル斉藤の発言】
そもそもパンツっていらなくね?
【大勢の発言】(4人)
死ねよ異教徒。
【デュランダル斉藤の発言】
ばっかお前ら、冷静に考えてみろよ。
普段は見えなくて、見えるだけでありがたいだろ。
つまりパンツを取り払った先にこそ真理がある。お分かり?
【のーみんの発言】
あたい清純そうな子がえぐいパンツ穿いてるの好き。
【ガウスの発言】
寝る前に顔出したらこの魔境だよ。一分ぐらい絶句したわ。
【暮井の発言】
が、ガウスさん、何故ここに!?
【緑葉の発言】
はっ、まさか……私達のパンツ談義が、彼を呼び寄せてしまったの……?
【コロの発言】
言い伝えは本当だったんだ!
おパンツパワーが高まる時、伝説の戦士……パンツァーが現れる!
【デュランダル斉藤の発言】
くっ、穿いてない派はこれでは劣勢……!
誰ぞ! 誰ぞおらぬか!?
【八艘@墜落中の発言】
いるさ! ここにな!
【デュランダル斉藤の発言】
いや八艘さん、あんた仕事中じゃん。名前で分かるよ。
こんなとこにいないで仕事しろって。
【八艘@墜落中の発言】
あばよ……ダチ公……!
【緑葉の発言】
ところでパンツァー、私もゲオル始めたわ。
明日にでもフレ登録させなさい。
【ガウスの発言】
え、マジで?
【のーみんの発言】
あたいが誘ったのさ!
【緑葉の発言】
ま、そういうわけよ。のーみんとペアで頑張るわ。
どうせならもう一人ぐらい欲しいのだけど……ああ、そこの麺類でいいわ。
【うどん貴族の発言】
俺ぇ? 構わんけど、土日はメイスやるぞ俺。
【緑葉の発言】
問題ないわ。ほらガウス、これで三人よ。
フレ登録ついでに、三人分の装備も調達しておいてね。
【ガウスの発言】
あの、財布握ってんのは姐御なんだけど。
【のーみんの発言】
……地道にコツコツ頑張ろうね、みっちゃん☆
【緑葉の発言】
ええ、そうね。額に汗して稼ぐからこそ尊いのだわ。
ああもう労働って最ッ高ーー! 資本主義バンザーイ!!
姐御に資産管理を任せておくと、こういう時に役立つんだなぁ。
まあちゃんと頼めば姐御も鬼ではないし、ポーションぐらいは分けると思うけど。
ともあれ、明日も騒がしくなりそうだと思いつつ、俺は眠ることにした。
メリークリスマス!!!!!




