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竜と信仰の奇譚  作者: 長月十九
第七章 花咲ける根無し草
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第八話 思い通りにならなくて


 デル2さん達と親睦を深めた後、寝る前に顔を出しておこうか、と俺はクランの拠点に向かった。

 まあログアウトはどこでしてもいいのだが、動物的な本能とでも言えばいいのか、決まった場所でしないと落ち着かないっていうのもあるんだよな。あと姐御達の様子も見ておきたいし。

 ちなみにランドルフ達こと裏クランには、やり過ぎない程度にわらびもちとイエローブラッドの下っ端を狩れと命じてある。少なくとも武闘派の幹部はランドルフでも荷が重いと判明したし、他のクズどもでは中堅どころの一般メンバー相手でも厳しいだろう。育成途中の下っ端を狩るのが一番だ。

 トーマ派にもちょっかいをかけておきたいが、それは明日以降でいいだろう。あまり事を急ぎ過ぎると、誰かが裏で糸を引いている構図が浮き彫りになってしまう。

 そんなわけで今日はもうやることもないしと、俺は一仕事終えた顔で拠点に入った。

 リビングにいたのはスピカと緑葉さん、のーみんの三人。飼い主がどちらもいないことに少し寂しくなったが、そんな日もあるだろう。やあやあと挨拶しつつ、俺はスピカの隣へ腰を下ろした。


「おかえり、兄ちゃん。どこ行ってたの?」


「また変なことしてたんじゃないでしょうね」


 暖かく迎えてくれるスピカと違い、緑葉さんの冷たさは病的とすら言える。こんなにも善良な俺を、どうしてそんなイメージで見てしまうのか。きっと幼少期に問題があったに違いない。

 心優しい俺は、緑葉さんにアンニュイな表情で同情の眼差しを向け、ふっと穏やかに一笑。でもセンシティブな話題に触れるのもどうかと思い、存在を無視してスピカに向き直った。


「真面目に狩りしてただけだよ」


 狩りの対象がプレイヤーってだけで、嘘ではない。


「ま、俺も借金とか地道に返そうと反省してな。人間、やっぱ真面目が一番だぜ」


「兄ちゃん……」


 スピカがこう、歯に物が挟まったような顔をする。言いたいことはちゃんと言えと指摘するべきか、何でも口に出さないような思いやりができるようになったと褒めるべきか。

 思案していると、何故か不機嫌そうに緑葉さんが口を挟んできた。


「ふん。あんたが真面目とか、似合わないにも程があるわね」


「なんでさ。こう見えて努力を厭わない男だぜ、俺は」


「努力の方向性が邪悪なのよ、邪悪」


 むぅ。決してそんなことはないと思うが、現在進行系の努力の内容を話すのは躊躇われる。緑葉さんはまだ姐御側というか、つまらない良識に囚われているようだし。

 だが言い返さなかったことで傷付いたとでも思ったのか、のーみんがフォローを入れた。


「がっちゃんや。みっちゃんは拗ねておるのだよ」


「「はぁ?」」


 意味不明な発言に、二人して眉をひそめる。

 構わず、のーみんは緑葉さんの肩を抱いて続けた。


「がっちゃんは悪さがバレて追い詰められけど、だからこそ今、頼って欲しいという乙女心! それなのに一人で狩りとか行くから、拗ねちゃったわけだにゃー……あいだだだっ!?」


 勝手に理解者っぽく振る舞った代償か、のーみんは手の甲をつねられて悲鳴を上げた。

 緑葉さんは痛がるのーみんを半目で見て、


「馬鹿言ってんじゃないの。どうして私がこんな駄犬に」


 呆れたように吐息を洩らしたところへ、小首を傾げたスピカが言った。


「でも緑葉さん、兄ちゃんのこと大好きに見えるけど」


「――――――」


 言われた瞬間、緑葉さんはインベントリから弓矢を引き抜いた。

 あ、本気だこれ。マジな殺意に俺ものーみんも慌てたが、制止する暇もなく、強烈な矢が放たれた。


「痛ったあ――――!?」


 額に当たった矢が、自動車事故めいた轟音を立てる。それを痛いの一言で済ませるのは流石にスピカでも不可能だったのか、額を両手で押さえてジタバタと悶絶した。

 ……つーか死なないんだ。その事実が怖いわ。

 で、恐る恐る緑葉さんの方を確認すると、彼女はにっこりと笑って、


「寝ぼけてたみたいだけど、目は覚めたかしら?」


「う、うん」


 やだ怖い。まあしかし、今のはスピカが悪いか。

 緑葉さんは素直じゃないので分かり難いが、俺も嫌われているわけではないだろう。しかし駄犬呼びからも分かるように、明らかに俺を格下と見て、飼い主でもないのにご主人様気取りだ。

 そんな相手を大好き扱いされたら、怒るのも当然だ。ひょっとしたらお気に入りの玩具ぐらいには思っているかもしれないが、プライドがあればスピカの言葉を許せはしない筈だ。

 だからこの場は緑葉さんの肩を持っておこうと、俺は頭を下げた。


「すまねぇな、うちの妹がトンチンカンなこと言って」


「べ、別にいいわよ。駄犬に躾ができるとは思ってないし」


「みっちゃんの照れ隠しは過激だにゃー。がふっ」


 すかさず余計なことを言ったのーみんが、無言で脇腹を殴られた。

 しかし死なない限りは止まらないのがのーみんだ。彼女は少し涙目になりつつも、相変わらずの調子で口を開いた。


「これでがっちゃんのハーレム計画も、一歩前進だぜぃ……!」


「興味ねぇんだけどなぁ」


 当人の意思を無視するこの感じ、トーマも同じような気持ちを味わっていたのかもしれない。

 いつかは少し優しくしてやろうと思ったが、そのいつかは気が向いた時でいいだろう。当面の間は地獄を見てもらわないと、こっちの計画が狂ってしまうのだ。

 ともあれ、のーみんの言葉に俺と緑葉さんが呆れていると、スピカがこちらの肩をつついて、


「兄ちゃん、兄ちゃん。緑葉さんはいいけど、のーみんは駄目だからね」


 言った瞬間、また容赦のない矢の一撃がスピカを吹き飛ばした。


「今のはのーみんへの攻撃なんじゃねぇかな……?」


「あら駄犬、もうおねむ? 寝かせてあげるわよ?」


「すんません、何も言ってないデス」


 俺だって命が惜しい。

 射られたスピカも同感なのか、特に文句を言わずまたソファーへ座った。

 けどまあ、ハーレムはともかくとして……こっちに引き込むなら、やっぱ緑葉さんからなんだよな。面白がってる内はのーみんもセットで引き込めるし、デメリットが何もない。

 今なら姐御達もいないから邪魔されないし、チャンスではある。緑葉さんなら拝み倒せばいける気がするし、スピカを丸め込むのは赤子の手を捻るよりも簡単だ。

 うむ。やっぱ今しかないな!

 そうと決まれば攻めの一手だ。落ち着いて話せるように、緑葉さんが弓をインベントリに戻すのを待ってから、親しみを感じさせる笑顔を意識して言葉を紡ぐ。


「まあ蒸し返すわけじゃねぇけど、俺も緑葉さんのことは好きだぜ」


「そ、そう? ……おだてたって何も出さないわよ」


 やはりガードが堅い。これがツバメあたりなら動転して舞い上がり、面白いように掌の上で転がせるに違いないが、そう簡単にはいかないようだ。

 しかし俺は学ぶ男だ。ヨーゼフがやったように、ガードを崩すテクニックというものがある。


「お世辞じゃないんだけどな。いつも世話になってるし、緑葉さんがいなきゃ俺なんて、とっくの昔に野垂れ死んでたっておかしくないぜ」


 弱みを見せることで、守ってあげたいと思わせる。

 これぞアンダードッグ効果……!

 同時に褒めておくことで、承認欲求も満たす複合テクニック……!

 きっとこれでガードは崩せた。時間を置いて平常心に戻られないよう、さらに言葉を重ねる。


「今だって俺には緑葉さんが必要だ。例えばの話――俺と姐御なら、どっちを選ぶ?」


 二択を迫ることで、回答を縛るダブルバインド……!

 最終的な判断は緑葉さんに委ねることになってしまうが、分は悪くない。この前は失敗に終わってしまったものの、緑葉さんは姐御よりも俺を選んでくれていた。

 その二択を改めて迫れば、あるいは。


「それは、まあ、タルタルだけど」


 俺は両目に怪しげなピンク色の光を灯らせた。


「頼む。こんなことを頼めるの、緑葉さんしかいないんだ」


「……も、もう。仕方ないわね」


 気恥ずかしそうに顔を逸らしつつも、緑葉さんは俺を受け入れてくれた。わぁい。

 やっぱり誠心誠意、頭を下げてお願いするのが一番なのだ。

 心理学的なテクニックにばっかり頼るから、ヨーゼフはモテないに違いない。脳内ノノカが何故か爆笑しているが、改めてヨーゼフが滑稽に思えたからだろう。


「ちょい待った! がっちゃん、今なんか明らかにおかしかったよ!?」


 ちっ。俺はのーみんにも同じ目を向けて、


「もちろん、お前も必要だ。力を貸してくれるよな」


「う……うーん……? まあ、がっちゃんが喜んでくれる、なら?」


 腑に落ちないような顔をしているが、すぐに気にならなくなるだろう。

 俺はのーみんの生まれを詳しく聞いたわけではないが、こいつは魔術を知る前から、世界の改変に抵抗力があったしな。単にそういう体質なのかもしれないが、生まれに由来する何かがあると考えた方が自然だ。土地と深く結び付いた血筋なら、その土地の神から加護を得ている可能性が高い。現代では珍しいが、天然の巫女のようなものだろうと、脳内ノノカが推測してくれた。

 念のためにもっと強く干渉した方がいいとアドバイスが届いたので、俺は腰を上げると、緑葉さんとのーみんの間へ割り込むように座り、二人の肩へ腕を回して抱き寄せた。


「これからは一蓮托生だ。仲良くやっていこうな!」


「な、なんか照れるわね、こういうの……」


「にっひっひ。みっちゃんも素直になってきたにゃー」


 ふふふ、いい調子だ。違和感を少し覚えるものの、気にならないぐらいに馴染んでいる。

 こんなことをすれば、普段なら迷いなく俺を殺しそうな緑葉さんでさえ、抵抗しないどころか体を寄せ、体重を預けてくる。のーみんに至っては、自分から抱き着いてくるほどだ。

 決してハーレム願望があるわけではないが、これはこれで悪くないな……!

 今後はのーみんの戯言を拒絶するだけではなく、少しは乗っかってみる価値があるかもしれない。

 だが新たな価値観に俺が目覚めかけようとした時、スピカが勢いよく立ち上がった。

 スピカは怒ったような、泣き出しそうな、不思議な顔で俺を指差して、


「変!! 兄ちゃん、変!!」


「おいおい。いつも通りのクールでイケメンなお兄ちゃんだぞ?」


 言葉を裏付けるように、俺の瞳がピンク色に輝いた。

 その瞬間、スピカの表情はさらに鬼気迫るものとなって、


「ほらぁ!! なんか光ったもん!」


 なん……だと……?

 俺はもちろんのこと、脳内ノノカも驚愕に目を見開いた。ついでにフルパワー。しかしビカビカと光る目を見てもスピカに変化はなく、その心は頑ななままだった。

 どういうことだ。焦る俺をよそに、抱き着いているのーみんが首だけで振り向いて、


「細かいこと気にして、変なのはそっちだにゃー」


「そっちだよ!! 緑葉さんだって、そんなことしないじゃん!」


 言われた緑葉さんは照れながらはにかんで、


「そうかもだけど……駄犬のこと好きだし、素直になるのも悪くないなって」


「違う……! こんなの緑葉さんじゃない!」


 俺もちょっとそう思うが、それどころではない。

 どうしてスピカに通用しない。のーみんならまだ分かる。だがスピカは俺と同じで、特別な血筋ってわけではない筈だ。脳内ノノカも、この異常事態に戸惑っていた。

 考えられる可能性は何だ。防御系のスキルエンハンス? 違う。その程度では俺からの――ノノカからの干渉を防げない。いや、可能性はあるかもしれないが、無意識に発動できるものではない。

 手がかりが足りない。もっと情報がいる。ここ最近のことだけではなく、知る限りの全てを思い出せ。あいつが生まれてからこれまでの記憶をノノカに――――


「――――ぐ」


 必要なことだとはいえ、記憶を搾取される感覚に頭痛が走る。

 駄目だノノカ。それ以上は俺が壊れる。お前は確かに万能かもしれないが、お前の力に俺が耐えられない。生存本能が安全装置となって、ノノカの暴挙が停止する。好奇心が旺盛なのは結構だが、度が過ぎるのは困りものだ。

 俺は頭痛を追い出すように頭を振って、


「そこまでにしておけ、スピカ」


 まだ言い争いを続けるスピカを止めるために、口を開いた。


「あんまり兄ちゃんを困らせないでくれ」


「だって変じゃん! 兄ちゃんに誑かされる二人じゃないもん!」


 遠回しだけど俺に魅力がないってことかな?

 ちょっと切なくなる指摘だが、俺は悲しみを乗り越えて腰を上げる。緑葉さんとのーみんも一緒に立ち上がり、慰めるように体を寄せてくれた。あったけぇ……。

 人の温もりの尊さを胸に刻み、押し付けられる胸の感触を魂に刻む。

 もう、何も怖くない。


「お前と敵対したくはなかったんだが……意地を張るなら仕方ねぇな。

 もし気が変わったらいつでも言えよ。兄ちゃん、寛大な方だから」


「……クラレットさんにも、タル姉ちゃんにも言いつけるからね」


「好きにしろ」


 そう告げて、俺は緑葉さんとのーみんの腰に腕を回し、悠然と拠点を出た。

 ……やっちまった。予定通りに事が進まないのはもう慣れたが、スピカは本当に想定外だった。

 今からでも手を打つべきじゃないかと脳内ノノカが囁くが、それはできない。今更かもしれないが、あいつに危害を加えたり、悲しませることだけはできない。

 強情だと呆れられたが、これはお前のおかげで思い出せた俺の起源だ。そう簡単に俺を思い通りにできると思うなよノノカ様。これは決して反抗というわけではなく、何もかもが思い通りに進むと面白くないじゃんっていう当たり前の話であり、俺なりのサービス精神なわけです。オーケー?

 脳内ノノカが仕方なさそうに納得してくれたところで、俺は緑葉さん達を連れてドヴァリに移動した。

 こうなっては仕方がない。裏クランを従えている今なら安全だろうと割り切り、当面の仮拠点として宿を借りる。あ、お金ないんで借りていい? わぁい、ありがとう緑葉さん!

 三人で一部屋を借りて、俺達はログアウトした。


     ○


【ガウスの発言】

 前置きなしで言うけど、誰かゲオルやらね?


【ピザ小僧の発言】

 マジで急だな。ってか、姐御達と一緒にやってんじゃなかったか?


【ガウスの発言】

 そうなんだけど人手……いや、仲間……手駒が足りなくてよ。


【デュランダル斉藤の発言】

 言い直す意味あった???


【緑葉の発言】

 待ちなさい。駄犬なりに成長しているわ。

 昔のあいつなら、素直に奴隷と言うところよ。


【デュランダル斉藤の発言】

 マイナスが大き過ぎてプラスになれてないよ???


【あやせの発言】

 待ってください。今、緑葉さんが変でしたよ。


【八艘@飛行中の発言】

 あ、マジだ。ガウスの肩持ってる。


【緑葉の発言】

 だってほら、認めるべきところは認めなきゃ……ね?


【八艘@飛行中の発言】

 ……不気味過ぎるんだけど、お前ら何か企んでない?


【ガウスの発言】

 そんなことねぇよ。とにかく人手が欲しいから、誰かゲオルやらねぇかなって。


【双頭凹んどるの発言】

 ううむ……しかしガウスが積極的だと、裏があるように思えてならんな。


【フクツーの発言】

 最近は大人しかったけど、こいつ、ちょっとあれだもんね。


【緑葉の発言】

 心配いらないわ。駄犬だって成長してるのよ?


【デュランダル斉藤の発言】

 優しい緑葉さんとか解釈違いなんだけど。


【あやせの発言】

 同性には結構、優しいんですけどね。


【てむてーの発言】

 え? 拙者、優しくされた覚えないでゴザるよ?


【ピザ小僧の発言】

 てむてーはネタ枠だしなぁ。


【てむてーの発言】

 そういう心のない発言、どうかと思うでゴザる!


【ガウスの発言】

 うるせぇ忍んでろ。で、どうよ。誰かやらねぇか。


【ツーフーリンの発言】

 ゴホッゴホッ……くっ、俺ももう少し若ければ。


【八艘@飛行中の発言】

 無理すんなよプリン体。


【ツーフーリンの発言】

 せめて名前で呼んでくれない?


【暮井の発言】

 ……俺はやってもいいぜ、ガウスさん。

 ゲオルには何か、運命を感じるんだ。


【ノノカからガウスへの秘密発言】

 そいつは駄目だよ兄さん。変態だ。


【ガウスの発言】

 なんか素直に歓迎できねぇんだけど。


【暮井の発言】

 いいじゃん! 差別すんなよ!


【ガウスの発言】

 じゃあ俺、もう寝るから。暮井さん以外で誰かいたらよろしくな。


【暮井の発言】

 待てよ、待ってくれよガウスさん……!

 嘘じゃないんだ、ときめきみたいなものを感じたんだよ……!



 無視して寝ることにした。

 使い捨てても心の痛まない人材ではあるが、選ぶ権利はあると思う。

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[一言] でれでれ緑葉さん…!良い…!!!これもまた良し
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