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第46話 策士の覚悟

 自身で張った魔法の壁でダハーカの所まで黒い霧が流れてくる事はなかったがゲオルはヨルムの能力により、石化してしまった。

 一度石化してしまうと元に戻す事は出来ない。もしも石化した本人が生き残っていたとしても。

 つまりはゲオルは死んだも同然。

「これで二人になった。望む通り、一対一の勝負が出来る。喜んだらどうだ?」

「仲間が石にされて喜ぶ者などいない。ましてや仲間を犠牲にして微笑む者など」

「戦において犠牲は付き物だ。それが分からないようなら君は将には向いていないと思うが」

「仲間を思いやれない外道になるくらいなら向いていなくとも結構。お前を殺して仲間に報いる」

「臭い台詞だな。まだ私に勝てると思っているのか」

 ダハーカが魔法を得意とするならファフナーは炎を操る。それもただの炎ではない。彼の髪と同じ色の白い炎だ。ブレスではなく、魔法に近いが色々な攻撃が出来るダハーカのものとは違いそれだけしか攻撃方法を持っていない。

 それが彼が前線に出ていなかった理由の一つ。

 自軍が有利になるように情報が露見しないようにしていたのだ。それ程、彼の白い炎は脅威で彼の自信に繋がっている。

 しかし、ダハーカには魔法がある。

 洞窟の中なので使えるものは限られてくるが多彩な攻撃で翻弄するがやはり白い炎は厄介だった。

 というのも白い炎は何もかも搔き消すのだ。ヨルムのブレスも厄介だがこれは防御面に関しては一級でダハーカの魔法は全てこれにより、掻き消されてしまったがこれではいつまで経っても決着はつかない。

「お前の魔法も大した事はないな。私を倒せる可能性のあったあの人間は石となった。手を足も出ないとはこの事だな」

「それはそちらも同じはず。いつまでそうやって防御し続けるつもりだ」

 白い炎で掻き消せるのは限られてくる。相手を消せるなら最初からそうしているがやっていない事がその証拠だ。

「いつまでもこんな事はしないさ。私もそろそろ飽きてきた」

 足を止めるとファフナーの髪が左側だけ黒色へと変色した。

「誤解をしているようだから教えてやろう。これは搔き消す能力ではなく相手の攻撃を吸収する能力だ。吸収する能力があるのならその反対もあっては不思議ではない。ここまで言えば分かるな」

 吸収の反対、放出があるという事だ。

 先程まで白い炎を放っていた手とは反対の手から黒い炎を出す。

「さて、お前は一体私に何発の魔法を放った?」

 ファフナーは笑みを浮かべて不敵に尋ねた。

「忘れたね。何発でも関係はない」

 予定通り、魔法で誘導する事に成功した。

 その真上には用意していたのは魔法をかけてある岩。本来これはヨルムの石化ブレス対策のものだ。

「ふん、そんな悪足掻きなど」

 ダハーカから吸収した魔法でそれらを吹き飛ばそうとするがそれが狙いだった。それはほんの保険だったが万が一自分の魔法が利用された場合に用意しておいたものが一つある。

 それは魔法に反応して作動する爆弾。

 放出されたものにも反応して洞窟内に爆音を響かせた。

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