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ビーストハンター 第3話 「帰らざる波止場 」(7)

「『永泰号』で行っちゃうのね」

 奥のオフィスから二人の用心棒を連れて出て来たボスの龍源に、メイリンのママ・志乃は言った。

「なぁに、しばらくの間だけだ…ほとぼりが冷めたらまた戻ってくるさ」

「体に気を付けてね…オフィスはそのままにして置くわ」

「あぁ、頼んだよ志乃…留守の間は手下たちの面倒を見てやってくれ」

 そう志乃に別れを告げて店を出ると、龍源は店の前に待たせていた黒いセダンに乗ろうとした。

 けれども、それが志乃との今生の別れになってしまった。

「ビシュッ!」どこからともなく飛んで来たSR-25ライフル* の弾丸が龍源の頭を貫いた。


 *SR-25ライフル=米海軍特殊部隊SEAL's仕様の狙撃銃。アルカイダのビンラディンを殺害した銃として有名。


「スナイパーだっ!ボスがやられた」

「どこから撃ってきやがったっ?」

 二人の用心棒はあわててセダンの陰に隠れた。

 拳銃を抜いて辺りを見回していると、向こうからやってきた一台のサイドカーがサ~ッ!と横に滑り込んできた。

 乗っていた男が、やおらゴーグルを取ってニヤリと笑った。

「この野郎っ!」

 二人の用心棒が男を撃とうとした時は、すでに運転手共々デザートイーグル44マグナムに頭を撃ち抜かれていた。

 手際よく手下を片付けたシュンは、取り出した催涙弾をラウンジの中に投げ込んだ。

「パ~ン!」と催涙弾の弾ける音と共に、店の中にもうもうと白煙が立ち昇った。

「ゴホッ!ゴホッ!」「ゲホッ!」店の客やホステスが、目や口を押さえながら跳び出してきた。

 けれども、シュンはデザートイーグルを構えたまま、武装サイドカーに跨って動こうともしない。

 ようやく、拳銃を手にした五、六人の男たちが、防毒マスクを被って店の外に出てきた。

「丸バレッ」シュンはそう言って笑いながら、逃げ惑う客を避けて、的確に男たちを仕留めていった。

 多分、警察や警備会社の襲撃を予想して、予め防毒マスクを用意していたのだろう…だが、それが逆に命取りになった。

 ゲームの得意なシュンには極めて目標が識別しやすく、男たちは客を人質に取る間もなく格好の標的にされてしまった。

 それでも、一人の男が何とかシュンの銃弾を交わして大通りの方に逃げていった。

「バウッ!」武装サイドカーの側車から跳び出したカイザーが、待ってましたとばかり男を追い掛けた。

 男は猟犬の追撃を振り切ろうとやみくもに拳銃を放ったが、たちまちカイザーに押さえ込まれた。

「ギャァ~~!助けてくれ~っ」男は悲鳴を上げてカイザーの牙を振りほどこうともがいた。

 ジャーダンの手下を始末して近寄ってきたシュンは、カイザーが猟犬の本能に従って狩りを楽しんでいるのを見た。

 猟犬が獲物を仕留めるやり方は、まず鋭い牙で傷を負わせて大量の血を流させ、相手を行動不能にする事から始まる。

 そうして、相手の行動が鈍った所で急所の首筋に噛み付いて命を奪うのだ。

「あぁ、その獲物はお前にやるよ。遠慮なく仕留めるといい」シュンはほくそ笑みながら言った。


~続く~

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