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ビーストハンター 第3話 「帰らざる波止場 」(6)

 背後から放たれた銃弾が、一瞬にして栄達の胸を貫いた。

 ビクッ!と弾かれたように身体を起した栄達は、そのまま仰向けにひっくり返った。

「危なかったなぁ、とっつあん…油断は禁物だぜ」

 公園の木の陰から、モーゼルを手にしたショーがゆっくりと歩いて来た。

「スマン!ソルジャー…助かったよ」

「なぁに、ジャーダンの一味を追ってたら、たまたま通り掛かったんでね」

「こいつ、妹の目の手術をするため…とか何とか言ってたが、嘘を付いて俺をだまし討ちするつもりだったのかな~?」

「まんざら、話は嘘でもないだろう…じゃ、俺はヤツらの後を追わなきゃならんから後始末は頼むよ」

「あぁ、気を付けてな」

 そう言うと、ジョーは武装サイドカーに跨って去って行った。

 ツクモは身をかがめてしゃがむと、倒れている栄達を覗き込んだ。

 すると、息も絶え絶えの栄達が、上着の懐から血に染まった茶封筒を出してきた。

「これを小芳に・わ・た・し・て・や・っ・て…」

 途切れ途切れの声でやっとそれだけ言うと、栄達はがっくりと息絶えた。

 ツクモが茶封筒を開けると、血の付いた数百万円の現金が出てきた。

 上着のポケットを探ると、中から血まみれの写真が見つかった…栄達が妹と二人で並んで撮った写真だった。

(馬鹿野郎~~っ!この大馬鹿野郎がぁ~!)ツクモはこみ上げて来る涙を抑えきれなかった。

 きっと、何も知らない妹の小芳は、福建でいつまでも経っても帰ってこない兄を待ち続けるのだろう。

(やりきれねぇ~っ!…自分がイェーガーだって事がつくづく恨めしい)

 ツクモは、ただ呆然と栄達の亡骸を見つめるより仕方がなかった。


 ウズメが探ってきた情報から、ジャーダンのボス・郭龍源の居所が絞れてきた。

 ネオ東京の5番街に『メイリン』と言うラウンジがある…そのラウンジを経営しているのはどうやら龍源の愛人らしい。

 ビルの一階は80坪ほどあるのに、表通りに面したラウンジは40坪ほどだ…後の半分を何に使っているのか?

 ウズメはこのラウンジの奥半分に龍源の隠れオフィスがあるとにらんだ。

 ラウンジを隠れ蓑に使い、いざと言う時は客を人質に取って逃げる算段なのだろう。

「明日動きがあるよ。どうもボスは高飛びするつもりらしいね」ウズメは掴んだ情報をヒジリに知らせた。

「ほんじゃぁ、空港へ行く途中で待ち伏せしたらよろしおまんな?」

「いゃ、空港への道はもう他の警備会社がわんさか張ってると思うよ」

「まぁ、そうでっしゃろな~」

「それにボスだって馬鹿じゃない。空港は危ない事ぐらい知ってるさ…多分船じゃないかな?」

「ほなら、わてらはどないしたらええんでっしゃろか?」

「出てきたところを片付けるしかなさそうだね」

「店の前ででっか?う~ん、ぎょうさん人通りがありますさかいなぁ…やばいんやおまへんか?」

「そこはお前さんの腕の見せ所さね…スナイピングには自信があるんだろ」

「かなわんなぁ…姉さんにそない言われると」ウズメに言われると、ヒジリは断る訳にはいかなかった。


~続く~

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