3、トイツメの時間
「一体、どういうことなの‼」
私は家に帰ると真っ先に兄の所へ行った。兄はスットボケた顔をしている。さすがにこれには頭にくる。
兄は何か思い出したような顔をするとこう言った。
「パフェなら日曜日におごるから…」
「そうじゃない!」
私は兄に大声で怒鳴った。確かにそれもそうだけど…。パフェ~~~…
「お~い…」
イチゴはこの間食べたしな~…。
「おーい!」
は!うっかりしていた。パフェの誘惑に負けているなんて。
「お前はパフェのことしか頭にないのか?」
「うっさいわね!バカ兄貴!」
本当にクソ兄貴である。パフェのことで人を誑かすなんて、地球上の全員が許したとしても私は絶対に許さない。それにしても、クラスのみんなは私のことも含めて騙されすぎである。天文部のメンバーは簡単に見抜いたというのに。得に、松田と結崎の鋭さときたら…。あれは絶対に敵に回したくない相手だ。
「そんなことより、今日のあの発言は何なの!」
危うく、本当に言いたかったことを忘れそうだった。危ない危ない。私は今日のことを思い出しながら兄を睨んだ。相変わらず、素っ惚けた顔でソファーに座っている。
「なんのことだっけ?」
「とぼけるのもいい加減にして!」
私は完全にヒートアップした。今すぐ、殺してもいいだろうと思うぐらいにだ。私は殺意をむき出しにしていた。
「分かっているさ…」
兄は荒んだ声でそう言った。私は今回はせめるのをやめにした。いつもなら躊躇なく問い詰めるが、あえて止めることにした。
「分かったんならご飯作ってよね!今日はバカ兄がとうばんでしょ!」
私はそういうと部屋を後にした。一体、何を考えているのだろう。
私がそう思うのは部員が五名居ないと、停部にされるからだ。それを十分、承知の上での決断なのだろうと考える。生徒会の仕事は確かに忙しい。この高校では他の高校と違い、二倍ぐらいの仕事量がある。それも、この学校の行事があまりにも多すぎるのが理由の一つと言えるだろう。兄はそれに加え、教師からの信頼も厚い。そのため、教師の手伝いをよくしている。教師共は兄に依存しているようなものだ。兄が卒業するときの次の世代が心配である。
私は自室に戻ると、鍵を施錠して自分の趣味にせいを出した。