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K.P.Vampire!!  作者: 月唄
第1章
3/7

一章:2

「…まいったな」


俺は意気揚々と無秩序地帯「深淵の森」へやってきたのはいいがすでに迷ってしまった

この「深淵の森」はグレイスラムから少し歩いた場所に広がる森林地帯である

昔は動物たちであふれる普通の森だったらしいが、いつからかディガイズが住み着き無秩序地帯と化してしまった

俺がここにやってきた理由は他でもない、ディガイズ討伐のためだ

ここに住むと言われているディガイズ、分類種は吸血鬼。このあたりで一番報奨金が高いディガイズである

もちろん勝てる見込みはないが一攫千金を狙うにはこれしかない

情報によると吸血鬼は黒いマントを羽織っており姿形は人間と変わらないという

あとは高難易度の魔術を使いその魔法で弱らせた獲物の血を吸い尽くしてしまう…とグレイスラムに流れ着いていた冒険者が言っていた

…だがこれは吸血鬼を見つける前に迷って死んでしまうかもしれない

とりあえず俺は森を歩き続けることしかできなかった


「…こいつはディガイズ退治どころではなくなってきたかもしれないな」


しかし今来た道を引き返そうにもどっちから来たかわからない状況だった

日が暮れる前になんとかしないと冗談抜きでやばい…


「これで荷物が大量なら…今頃エサになっているな」


独り言を淡々と喋ることしかやることがなかった

あてもなく森を歩き続けていると


「…気のせいか?空気が変わった気が」


ただのカンではあるがなにかさっきまでの場所とは何か違う感覚に襲われた

嫌な予感がしたので俺は足を止め剣を構えた


「ほほう、気配に気づくとはなかなかやるな」

「な!?」


声のした方を振り返ったその時

人型ではあるがその姿は人間ではない羽の生えた化物が飛びかかってきていた


「ちぃっ!!」


俺は反射的に剣を振り回したのだがそれは攻撃と呼べるようなものではなかった

化物はそれをひらりとかわした後すこし距離を開けた


「…なんだその動き、ただの素人かよ」

「へへっ、これはいい餌が迷い込んできたなおい!」

「まあ待て、もしかしたら罠かもしれない」


そこには一体ではなく三体の化物がそこにいた

…実物は初めて見るが奴らはディガイズだ、多分だが分類は悪魔だろう

それほど上級のものではなさそうだが一体でもきついのに三体は無理だ

…逃げなければ

だが、足が動かなかった


「ほら見てみろよ、構えは確かに強そうな奴だが足がすくんでやがるぜ!」

「「なんだただのへたれか」」

「お前ら声揃えて馬鹿にするな!」


俺は二本の小剣を逆手に持ち、親父に教えてもらった構えを整えていた

が、実践は初めてなのでどうなるかわからない

…死んだときはその時だ


「うおおおおおおおおお!」


半ばやけくそになっていただからだろうか先ほどまで動かなかった足が動いた

奴らとの距離を詰め左手の剣を真横に斬りつけた

が、奴らはもてあそぶかのようにひらりとよけ一匹の悪魔が俺を蹴り飛ばした


「がはっ…」

「…おい、なぜ蹴った」

「だってよぉ、爪でやったらすぐ死んじまうじゃんか。おもしろくないだろ?」

「あいかわらず狂ってるな」


…やっぱり駄目だ、歯が立たない、でも生き残るためには戦うしかない

俺は離れた奴らとの距離を詰めようとした…その時だった


「うわああああああ!どいてぇええええええええええ!」

「え?」

「「「ん?」」」


空から誰かが落ちてきた

…俺は目を疑った、まさか本当に空から女の子が落ちてくることがあろうとは…

落ちてきたのは王都にも数えるほどしかいないと思うようなとてもかわいい女の子だった

髪は肩ぐらいまでのオレンジのショートヘアで背はそこまで大きくなくかわいらしいちんまりサイズだ

それより、驚いたのはその格好だった

そう、黒いマントを羽織っていたんだ


「おいおい、なんで吸血鬼様が降ってくるんだよ!」

「どうせ途中で魔力が薄くなったんだろう」

「ドジだからな」


そう、それは俺のここへ来た目的

吸血鬼が俺の目の前にあらわれたのだ

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