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第8話「リクの秘密と夜の森」

タクトたちの旅は、少しずつ仲間との絆を深めながら進んでいく。しかし、リクが抱える「夜になると必ず放尿してしまう」という秘密は、まだ誰にも知られていなかった。そんな中、夜の森で事件が起こる――。

夜。森の中で焚き火がぱちぱちと燃えている。タクトとアリスは木の枝に腰を掛け、簡素な夕食を取っていた。


「明日は街に着くはずだよ」

「ふふ、やっとお風呂に入れるわね」


そんな会話の裏で、リクはそわそわと落ち着かない様子だった。彼は小学生くらいの背丈で、まだ幼さを残す顔立ち。夜が近づくにつれ、不安げに空を見上げていた。


タクトは気付いた。「リク、どうした? 体調でも悪いのか?」

リクは慌てて首を振る。

「う、ううん! 大丈夫!」


しかし、その夜。森の静寂を破ったのは、獣の唸り声――ではなく、水音だった。


タクトが目を覚ますと、リクがテントの隅で膝を抱えていた。足元には、しっとりと濡れた地面。

「……リク、お前……」


リクは涙目になり、声を震わせた。

「ごめんなさい! 夜になると、どうしても……おしっこ、止められないんだ!」


アリスは驚いたが、すぐに表情を和らげた。

「リク……そんなことで、謝る必要はないわ。子どもなんだから、恥ずかしがらなくていい」


けれどタクトは気づいていた。リクの症状はただの癖や年齢の問題ではない。彼の体から、うっすらと魔力が漏れ出していたのだ。


「これは……呪いかもしれない」


タクトが呟くと、アリスの顔色も変わった。王族として魔術や呪いの知識を学んできた彼女には、心当たりがあった。

「昔……『夜泣きの呪符』という禁術があったと聞いたわ。子どもを夜ごと弱らせ、最終的には命を奪う呪い……」


リクは震えながら言った。

「ぼく、前に村が魔物に襲われたとき、変な人に印をつけられたんだ……それから、ずっと……」


タクトは拳を握った。

「つまりリクの放尿は呪いのせいだ。放っておけば命に関わる……。絶対に解いてやる」


アリスもうなずき、真剣な瞳でタクトを見る。

「森の奥に“月影の泉”があると聞いたわ。そこなら浄化の力で呪いを祓えるかもしれない」


こうして3人は、夜の森を進む決意を固める。リクは怯えながらも、タクトの背中を見て小さく頷いた。

「……タクト、アリス。ぼく、もう逃げない。がんばる」


焚き火の炎が消え、闇の中へ。新たな試練が始まろうとしていた。


リクの放尿は単なる子どもの癖ではなく、呪いによるものだった――。彼を救うため、タクトとアリスは「月影の泉」を目指す。仲間の絆がさらに試される第9話へと続く。

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