第4話 クチャラー初陣、音の暴力発動
今回はクチャラー初バトル回です!
戦闘でもギャグ要素全開なので、ぜひパンを食べながら読まないでください(笑)
異世界の小さな村は、今日も静か……のはずだった。
俺――スキル「クチャラー」を手に入れた元・高校生の異世界転生者――は、朝食のパンをかじりながら、その効果にまだ慣れていない。
「ズゾゾ……クチャクチャ……」
食べるたびに発生する異様な音。
庭にいた鳥たちも、先ほどの騒動でまだ警戒中だ。
「また鳴らしてるのね!」
背後から、赤いドレスの王女アリスが怒鳴る。
「このままじゃ村の平和が……!」
彼女の視線は、まるで戦場で敵を睨みつける将軍のようだった。
今日、村に魔物が出没したらしい。
王女は俺を引き連れて、その討伐に向かうことを決めた。
「……え、俺も戦うの?」
「当然よ。あなたのスキルがあるんだから」
俺はスプーンを握り直す。
チートスキルとはいえ、戦場で使うのは初めてだ。
しかも対象は魔物――耳があるかどうかすら怪しい。
森の中、モンスターが姿を現す。
小さなスライムから、中型の狼型魔物まで、さまざまな姿が見える。
俺が息を吸い、パンを噛む――
「ズゾゾゾッ!!」
その瞬間、周囲に衝撃波のような音が響き渡る。
スライムはぷるぷる震え、狼型魔物は耳を押さえて後退。
「ちょ、効いてる!? マジで効いてる!!」
王女アリスは目を丸くして俺を見た。
「……あなた、使えるじゃない!」
「でも……耳が痛くてパンが噛めねぇぇぇ!!」
俺の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだが、スキルの威力は確かに村を守る力になっていた。
「……これ、慣れれば最強かもな」
俺はそう呟く。王女は小さく笑った。
「次はもう少し上手く使うのよ」
そう言い残して、アリスは魔物の群れに立ち向かう。
俺は息を整えつつ、次の一口に備える――
この奇妙な“音の暴力”による初陣は、意外な成功で幕を閉じたのだった。
だが、この村の静寂は、まだ本当には戻っていない。
新たな魔物の気配が、森の奥深くから忍び寄っていた……
読んでくださりありがとうございます!
今回はスキル初使用のバトルでした。
次回は新たな魔物の登場で、クチャラーの能力がさらに試されます。
お楽しみに!




