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第2話 俺とスキルとクチャ音
初めまして!
今回はスキル「クチャラー」の威力が明らかになる回です。
読んだらパンを食べるとき静かにしてください(笑)
音
《スキル【クチャラー】発動条件:食事中》
頭の中に浮かんだ文字を見て、俺は絶望した。
「……いやいやいや、誰が好き好んでこんなスキル使うんだよ!」
試しに硬いパンを一口。
クチャ……クチャ……。
――おおお!? なんだこの力!
パンを噛むたびに周囲の空気が震え、床板がギシギシと鳴る。
すると窓の外にいたスライムがビクッと震え、逃げ出していった。
「……マジかよ。音で敵を追い払えるのか?」
試しに大きくすすってみる。
ズゾゾゾゾッ!!
庭の鳥たちが一斉に飛び立ち、近所の犬が悲鳴を上げて逃げていった。
「ちょっと待て……これ、チートじゃね?」
だが問題はひとつ。
発動中、俺自身が地獄の音を聞き続けなきゃいけないのだ。
耳を塞ぎながらパンを噛み砕く俺は、涙目になりながら叫んだ。
「強いけど……使いたくねぇぇぇぇ!!」
こうして俺の異世界生活は、騒音と共に本格的に始まったのだった。
読んでくださりありがとうございます!
このスキル、便利だけど使いどころが難しいんです……
次回は、クチャ音嫌いのヒロインが登場!?
お楽しみに!




