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【書籍化】閃光の冒険者(web版)  作者: 田舎の青年@書籍発売中
第八章『留学生編』
114/135

第114話:無人島探索開始

(●´ω`●)

俺達が森に足を踏み入れから数分後。

「早速お出ましだぞ」

大木の影から、Dランクのマンイーターが顔を出した。

マンイーターを簡単に説明すると、大きな動く肉食植物である。


ヘルが俺達の前に躍り出た。

「ここは私が」

片手を突き出し、〈水〉魔法を放つ。

【アクアブレード】

水の刃はマンイーターを真っ二つにした後、隣の大木も切断した。


ブリトラが叫んだ。

「ヤバい!倒れるぞ、気をつけろ!」

「エクス」

「ブルル」

エクスは、幹の太さが一メートル以上ある大木を、後ろ足で軽々と蹴り飛ばした。

ドシィン。

音は森に響き渡り、驚いた鳥達が一斉に飛び立った。


「ナイスだ」

「開始早々、死ぬかと思ったわ」

「すみません。不注意でした」

エクスのダイエットにも丁度良かったから、次から気を付けてくれれば大丈夫だ。

と声に出して言ってしまうと、エクスがシュンとしてしまうので、ダイエット中なのは秘密にしておこう。


「次から気を付けてくれれば大丈夫だ。それよりも見事な魔法だった」

「俺だって上級魔法くらい使える」

何かと張り合ってくるブリトラを、ヘルは冷静に受け流す。

「はいはい」

「てめぇ!」


そして、エクスを撫でながら礼を言った。律儀である。

「エクスちゃん、ありがとうございます」

「ブルル」


小腹が空いたので、果樹園で採れた果物をマジックバッグから取り出し、四人で食べながら探索を続ける。もちろん光探知は常に起動しているので、安心して欲しい。

「奥からゴブリンの群れがやってくるぞ」

「マジ?まだ何も見えねえんだけど」

「ゴブリンはFランクですが、群れになれば実質E~Dランクですので、油断は禁物です」

「その通りだ」


今度はブリトラが一歩前に出た。

「今度は俺がやる!」

約十秒後、茂みの向こうからゴブリンの群れが現れた。

すぐ俺達に気が付き、涎を垂らしながら突っ込んできた。

ちなみに、ムーたんに御馳走をチラつかせた時も、あんな感じで突っ込んでくる。


ブリトラは地に両手をつき、呟いた。

【ソイルランサー】

地面からいくつもの土槍が飛び出し、次々とゴブリンを貫いていく。


「おぉ。魔法の制御が上手いな」

「だろ~?めっちゃ練習したんだわ、この魔法」

「悔しいですが、魔力操作に関しては私と同等みたいですね」

「俺の方が上手い」

「厳密に言えば、私の方が少し上手です」


龍人族がフィジカル特化なのに対し、魔人族と天使族は主に魔法特化である。

ナチュラルに人間を見下すくらいには得意なのだ。

そんな両国の学生代表として、帝国へ留学に来たということは、もしや……。


俺はいがみ合っている二人に問う。

「そういえば、二人とも何級まで使えるんだ?」

「そら超級よ」

「私も超級まで使えますよ」

「ほう。凄いじゃないか」


今年の帝王祭は大盛り上がりになるだろうな。

リリー、ヘル、ブリトラ。そしてレイ(女神)。

この四人はどんな戦いを見せてくれるのか。

非常に楽しみである。


ブリトラはえっへんと胸を張り、ヘルは照れくさそうに言った。

「こう見えても魔王国の同年代ではトップなんだぜ?」

「同じく。伊達に聖王様の推薦を受けていませんよ」

「そうか」


するとヘルが何かを思い出したようで、少し顔を暗くした。

「本当は、ここにジークフリート王子もいたはずなのですが……」

「アイツは性格に難ありだったからなぁ」

二人共、同じ留学生として何か思うところがあるのだろう。


「でも代わりに彼奴は火龍の卵を置いていってくれたぞ」

「お前空気読めよ……」


そんなこんなで俺達は探索を続ける。

「私、《光》魔法見たいです」

「あ、俺も見てえな!大陸中で謳われるレベルの魔法なんだろ?」

「それは知らんが、ちょっとだけならいいぞ」


数分後、前からCランクのオウルベアが姿を現した。

オウルベアは頭がフクロウの巨大熊さんである。一応夜行性だった気がするのだが、昼間から堂々と練り歩いている。

この島ではほぼ生態系の頂点に近い存在だということを、自分でも理解しているのだろう。


「ちょうどいいな。アイツにしよう」

以前レイと共に創った、見栄え重視の魔法を放つ。

金翅鳥こんじちょう

黄金に輝く光鳥は風を切りながら突き進み、オウルベアの片足を吹き飛ばした。


梟熊はバランスを崩し、地に倒れた。

「エクス」

「ブルルル」

エクスは漆黒の角に魔力を貯め、《雷》魔法を放つ。

密度の高い雷は、紫色に変わり、宙を駆けた。

紫電ってやつだな。

紫電がオウルベアに直撃し、跡形も無く吹き飛ばした。


「ナイスだ、エクス」

「ブルル」

魔法に名前を付けるのであれば、【雷龍の咆哮】ってところだな。


ブリトラとヘルが目を丸くした。

「これ、俺達いらなくね?」

「なんで呼んだのですか……」

「そんなの、嫌がらせに決まってるだろ」

「「えぇ」」


その時、丁度セレナから通話が掛かってきた。

「アルテ様。セレナです~」

「どうしたんだ?」

「今ダンジョンに到着したところなんですけど、想像よりもランクが高そうです」

「目算どのくらいだと思う?」

「詳しくはわかりませんが、Bランク以上なのは確定かと。ちなみにフィールド型です」

まさかのBランク以上だった。


たぶん現在の島のボスは、そのダンジョンから偶々出て来ちゃった奴だろうな。

「なるほど、わかった。セレナがいれば攻略するのは余裕だと思うが、念のためそこで待機しててくれ。いや、やっぱり一度入って、入り口付近を軽く調査してくれるか?」

「了解です~。暇つぶしに調査しておきますね~」

「頼んだぞ」


二人にも軽く説明した。

「えっ。Bランクを討伐した後、ランク不明のダンジョンに行くのか?」

「しかもBランク以上が確定している……」

「おう」

「帰りてぇ」


とりあえず、俺達は直行でボスを倒しに行くことにした。

残った雑魚達は、後でテキトーに《光》魔法で一網打尽にすればいいだろう。







「なぁ、アルテ。そういえば魔王様が『閃光は終焉級魔法を操る』って言ってたんだけど、それマジ?」

「あっ。私も吟遊詩人が謳っているのを耳にしたことがあります。『終焉の魔術師』って。まさか本当に使えるんですか?」

「さぁな」




(´・ω・`)

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