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プロローグ 決められた運命

世界は時として残酷に微笑むことがある、そう思ったのは何時からだろう。

絶対に越えられない壁を見つけたとき?

母ともう会うことが出来なくなったとき?

自分の存在に嫌気が指したとき?

違う、それのどれでもない。

本当の意味でそれを思い知らされたのは、自分の無力を知り守りたいものに守られ、そして大事な人達が目の前でいなくなってしまったあの時だ。


無力、無意味、無駄、無謀、頭の中にいくつもの無の言葉が浮かび上がってきても今の自分を表現しきれない。

いや、表現することすらも思い上がりなのかも知れない。

自分を守りたいために自分が悪くないようにする、生物的な本能のまま頭の中に描こうとしていただけに過ぎない。


そんな自分が、そんな事しか出来ない自分が俺は酷く許せなくてそれでいてとても愛しい…。

笑ってしまう程最低な自分の事を愛しく思う俺はこんな俺を殺してと思うのはおかしいことなのだろうか?

そんな事を考えながら俺は空を睨み付ける。

睨み付けたところで変わるものではないが、それでも、俺は、この残酷を嗤う空を世界を睨み付けた。


●●●●


始まりは唐突に訪れる。

今思えば単純なことなのだけど俺に、いや俺達にとっては運命の始まりでありそれでいて人生の終わりが迎えられた時なのかも知れない。


「おお!成功したぞ!」

「ついに、ついに!我々の力で勇者様達をお迎えすることが……!」


(何だ?何が起きた?迎える?我々の力?)


「ゆ、勇者様が目を覚まされたぞ!皆!準備を!」


動き出した。

自分達を取り囲む人の誰かがそう口にした。

一体誰が、とこの時の俺は辺りを見渡そうと目を動かそうとする前に俺の後ろから一人立ち上がり人混みに向かって歩き始めた。


(確か同じクラスの武井だったか?彼も同じ様に?)


「おい!何なんだここは!?お前ら一体何なんだよ!?」

「まあ落ち着いて下さい勇者様。ひとまずお疲れのはずですから一度お休みになられてはいかがでしょうか?」

「はあ?訳のわからないことを言ってんじゃねぇ!勝手にこんな所につれられてお休み下さいだと?ふざけんな!!」


武井はそのまま目の前で話をしていた人物に殴りかかろうとするが目の前の人物に触れることができなかった。

武井の拳はまるで透明の壁を殴っているように目の前の人物の前で止まっていた。

いや、正確には本当に薄い壁のようなものを殴っていた。

驚く武井を余所に笑顔を作りながら目の前の人物は俺達に近づき始める。

近づくにつれ俺の頭の中は少しずつクリアになってきたと思う。

俺は体を起こし武井の側まで歩こうと立ち上がろうとするが目眩でも起きたのか頭がずきずきと痛み出す。


「ウッ!」

「……ッ!おい大丈夫か!?」


武井は俺の声が聞こえたのだろう直ぐに後ろを向いて俺のところまで走り始めた。

よく走れるな…。


「大丈夫か?えっと…。」

「柊だ…。」

「柊か…そうか。で、大丈夫か?」

「頭が少し痛むだけで大丈夫だ。」


俺はそう言いながら何とか立とうとするが武井から止められ座ったままの状態で先程話しかけた人物に顔を向けた。

見た目は俺達よりも少し年上の青年で服装からしてここにいる他の人達よりも立場は上のようだ。

青年はニヤニヤと少し気味の悪い笑顔をしながら更に近づいて武井が殴った薄い壁の前で止まった。


「あんたは一体誰だ。」

「おっと、これは失礼しました勇者様。私はアレックス・シード・ベルフェルーゴと申します。この国の代表の一人と思っていただければ。」

「代表…? 」

「おそらく王族か何かだと思えばいいのか?」


俺の質問にアレックスは微笑みながら頷き、膝をつき俺達に頭を下げ始めた。

アレックスに続いて周りにいる人物達は俺達に頭を下げ始める。


「何だ、え?」

「我々はあなた方をお待ちしておりました。勇者様どうか我々に力をお貸しください!」


この時俺達の運命の歯車は変わり始めたのかもしれない。

この時の俺達はその運命が変わることに気付くことが出来ず周りに流されるだけだったのかもしれない。




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