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怪談遊戯  作者: 雪鳴月彦
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第九話:空間

 大抵の人は一度くらい、電車に乗った経験があると思います。


 これは、電車にまつわる都市伝説みたいな話なのですけれど、電車が混んでいるのにも関わらず、何故か座席に誰も座っていない空間があることってないでしょうか。


 人が一人座れるスペースがあるのに、誰もそこを利用しようとしていない。


 もし、あなたがそのスペースを見かけたら、なるべくは座らないことをお勧めします。


 それは何故か?


 そのスペースには、人の目には見えない存在が座っていることがあるからです。


 もし万が一、あなたがそれに気づかず不自然に空いた空間へ座り込んでしまったら……。


 気をつけて下さい。


 きっと近い未来、あなたの身に予期せぬ不幸が振りかかるかもしれません。




 普段生活をしていて稀に、スマホを見ながら歩いていた人がホームから転落したとか、無理矢理線路を渡ろうとした人が走ってきた電車に撥ねられ死亡した、なんてニュースを観ることはないでしょうか。


 そういった事故がもし、見えない力によって引き起こされた悲劇だったとしたら。


 そしてその悲劇の真実が、不幸にも見えない存在の上に重なるように座ってしまったことで、その存在を不快にさせ、向こうの世界へ引きずり込まれているというものだとしたら――。


 この話は所詮(しょせん)都市伝説。根拠も何もありません。


 ですが、もう一度忠告しておきます。


 今後あなたが電車に乗って、不自然に空いた席を見つけたなら、なるべくそこへ座ることは避けて下さい。


 もし、どうしても座ろうとするのであれば、自己責任の上で、覚悟をして座って下さい。


 そこへ座ってしまったせいで、近い将来、あなたの不幸を知らせるニュースを私たちが観てしまうことになるかもしれませんから。

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