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怪談遊戯  作者: 雪鳴月彦
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――幕間――

「……その踏切が実在するもんなのか、それとも匿名を利用した嘘っぱちだったのかは知らねぇけど。前にそんな話を読んだことがあるっていう、ただそれだけなんだけど」


 その話を読んだときのことを思い返しながら、たどたどしく語り終えた渋沢は、肩を竦めるようにしながら俺たちの反応を窺った。


 ピシリ、と屋根の辺りで家鳴りがして、少し驚いた風に戸波が上を見上げた。


「前に、嘘や噂もそれを聞き伝える者たちが信じるならば、真実に形を変えることがある……と誰かから聞いたことがあります。仮に今のお話が嘘であったとしても、それを読んだ人たちが信用し、疑うことなく受け入れてしまっていれば……既にもう、真実となり具現化してしまっている可能性があるかもしれませんね」


 人の心が作りだす魔物というモノも、この世にはおりますから。


 からかっているのか、それとも本気なのか。


 羽切はクスリと笑いながらそう言うと、戸波の真似をするようにわざとらしい仕草で天井を仰いだ。


「電車と言えば、私も昔は電車に乗る機会が何度かあったのですが……そう、今思いだしました。一つ、不思議なお話があるのです。ただ、これは恐いというものとは少し違うのですが、せっかくなのでご紹介しておきましょうか。もうずっと前、友人と電車に乗っているときに、その友人が教えてくれたお話です……」


 上げていた顎を引くようにしてほんの僅かに身を乗り出し、羽切は静かな口調で次の話を紡ぎ始めた。

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