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怪談遊戯  作者: 雪鳴月彦
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――幕間――

「――みたいな話。単にカーナビが調子悪かったのか、それとも本当に何かしらの怪異だったのか。どっちとも解釈できるよな」


 思ったよりも真剣な様子で話を聞いていた三人を見回して、俺は感想を求めるようにそんなことを口にした。


「……峠には、日本各地で色々な噂がありますよね。私もいくつか峠にまつわるお話を聞かせていただいたことがあります」


 まるで、俺がした話の余韻(よいん)を楽しむようなゆったりとした口調で、羽切が言葉を紡いだ。


「人里から離れた山々の間を通る道には、やはり人外の何か(・・)が集まりやすいものなのでしょうか。……私がここへ来てから出会ったとある男性も、お二人ほど峠で恐い思いをしたことがあるとおっしゃっていたのを、今のお話で思いだしました」


 羽切の視線が、まるで見えない何かを追いかけるように、スルリと動く。


「せっかくですから、私も峠の話をしましょうか。別々の方から聞いたお話ですが、まとめて話させてもらいますね。……ではまずは、趣味でバイク乗りをしていると言っていた、四十代の方が体験したお話です」

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