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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第五章:戦いの始まり

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96.リエンガン戦闘街区 1


「起きて、起きて……ライ、ライゼル……」

「ずっと眠っててもいいのよ~? ライゼルちゃんじゃ何の役にも立たないのだし」

「は、はは……起きてるからね?」

「うふふ……ライゼルちゃん、もういいの?」

「まぁ、何とか。イビルのたわわな温もりのおかげだよ」

「あらあら? わたしじゃないわよ~?」

「へっ?」


 イビル母さんじゃないということは、まさかノワなのかと彼女を見ると、心配そうな表情で聞いて来た。


「な、何かまずかった……の?」

「い、いや、そっか。ありがとう、ノワ」


 小さな女の子だからと思っていたのに、色んな意味で助けられた。


「ここにはもう気配は無いんだよね?」


 特に問題のある表情になっていない二人を見ると、ここには何も無いようだ。


「そ、それじゃ、先に進もうか」

「……うん」

「うふふ~楽しみね」


 ロザック旧市街を見て回るといったことにはならず、ここで得られた結末は、旧友フィアフルを光でも闇でもない地に送っただけだった。


 彼を滅し、呼び出したのは全て自分によるものだったが、罪を敢えて引き受けたとでもいうような挑発だっただけに、最後まで情けをかけられたような気がしてならなかった。


「ライゼルちゃんに引き合わせたのは、あの人でもあるのだから、前を向いてとっとと進んでね~?」

「そ、そうだね」


 イビルの言うようにフィアフルが召喚しなければ、こうして再び召喚契りをすることが叶わなかった……そう思えば、もう迷うことはない。


 旧市街から数百メートル程度進んだところで、再び岩肌を露わにした洞窟の姿となった。

 

 ルムデスが同行している本物のアインたちとは、一向に出会うことが無く、薄暗い地下の道をひたすら歩き続けるしかなかった。


 しばらく歩き続けると、人工的な明るさを灯した空間にたどり着く。

 廃墟と化していた旧市街とは明らかに違う光景が、俺たちの視界に映り込んで来た。


「ここにも門が……」

 ロザック旧市街の門に似ているが、それよりも物々しい形状になっていてつたではなく、鎖のようなものが何重にも絡まっている。


「はふぁ~全然違うよ~? ここがリエンガンなの?」

「そ、そうなのかな?」


 ノワが驚くのも無理はなく、旧市街とここに来るまでの道とあまりにかけ離れた光景が広がっていて、人の気配が無かった所から、急に多くの人が行き交っていることに驚きを隠せないのだろう。


 新市街と言っていいかは分からないが、リエンガンの玄関口とも言うべきなのか、新しく作られた広場や噴水、木造ではなく石造りの建物が所狭しと建ち並んでいる。


 気になる所と言えば、地中の都市だからか牛や鶏といった家畜は全く見られず、民のほとんどが身なりを整えた格好で歩いていることだ。


 さらに言えば、一定の距離でそれぞれの建物の前に、剣のようなものが置かれているのはどういう意味があるのか。


「あれれ? 何か聞こえたような?」

「え? 何の音?」

「ほら、たくさんの人がどこかに向かっているの」

「ふむ……?」


 ノワには何かの音が聞こえたらしく、指差しの方を見ると確かに人の流れが、その方角へ向かい出しているようにも見える。


 追うわけにも行かず、まずは門をくぐり抜けようとすると、イビルが一人だけで行動したいと言い出した。


「……ライゼルちゃん、わたしは水を探して来るわね~」

「え? い、いや、一人になるのはまずいよ。何が起きるか分からないし、迷宮都市って言われているってことは、はぐれてしまえば再会するのが難しいってことだと思うし……」

「そうなったら召喚……うふふ、ライゼルちゃんが呼んでくれればいいの。簡単でしょ~?」

「あっ……そ、そうか」

「とにかくそういうことなの~」


 忘れがちにはなるが、マンドレイクの彼女は植物妖精ということもあって、水が足りなくなると強い毒を放つ習性がある。


 再召喚しても、彼女の場合は、水を得なければならないということなのかもしれない。


「――むむっ!? ライゼル、あのね。やっぱり聞き覚えのある音が聞こえて来るの」

「ど、どこから?」

「うんん、この音は召喚士には聞こえないの。だから、ボク、行ってみて来る!」

「ノワも!? それが何なのか分からないけど、一人になるのは駄目だよ! はぐれたり迷っても、俺にはノワを探す手段は無いんだよ?」

「……ボクがライゼル、見つけるの。だから大丈夫。ボクが行かなきゃ駄目なの」

「――って、あぁっ!」


 強く引き留めるには至らず、彼女たちはそれぞれ気になるところに向かって行ってしまった。

 イビルとノワを守るどころか、守られたことでたどり着いたリエンガン入り口。


 ここに来てまさか、一人だけになろうとは思いもしなかった。


 そんな中自分一人だけが取り残された広場だったが、石造りの家の住民が次々と外に出て来ては、どこかに集まるような気配を漂わせている。


『そこの者。お前も来るか?』

 俺に見向きもせずに同じ方へ向かっていく人たちを見ていると、一人の男が見かねたのか声をかけて来た。


「……えっ? ど、どこに行くんですか?」

「ギルドだ。と言っても、冒険者ギルドではないぞ」

「そ、そうなんですね。そこは何の?」

「リエンガンでは一つ目のギルドになるが、生活ギルドといったところだ」

「へ、へぇ~変わってるんですね」

「冒険者ギルドといったものとは違って安心したか?」

「初めて聞くギルドなので、驚きました。俺も行っていいんですか? えっと……」

「……俺は一街区に住むクラヴォスだ。よろしくな! あんたは?」

「リ……リゼルです」

「そうか、まずはギルドに行くとするか」

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