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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第四章:迷宮の先で待つもの

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92.ロザック旧市街・遭遇 前編


 闇黒からアンデッドを召喚したことにより、ライゼルは意識を失ってしまう。


 イビルとノワの二人は、意識を閉ざしても解かれることのない水の守りの中で、ただただ立ち尽くすしかなかった。


「あのアンデッドはボクのアンデッド化と違う……どうすればいいの?」

「ライゼルちゃんのかけた水の守りが解けないし、どうしましょ~」

「待って、あれってエルフのルムデス……?」

「あら? あれは……」


『闇の力が色濃くなっていたから期待して来てみれば……それにされて意識を閉ざすなんて、相変わらず弱いままだね、ライゼル。期待外れもいいとこだ……起きな、最弱の召喚士!』


 不明のエルフは、意識の無いライゼルの背を、思いきり蹴り上げた。


「あぁぁー!? ライゼルが蹴られている!! どうすればいいの? えっと、イビル?」

「うふふ~アレはダークエルフかしら? わたしたちでは何も出来ないの~。諦めて眺めてましょ~」

「あぅ……」


『……ふん、見たことが無いガキと見たことがある植物妖精か。神聖のエルフと別行動を取るなんて、つまらない男だ。いい加減、起きろ!!』


「――う、うう……」


 暗闇の中で強い痛みを感じる。

 誰かが俺に怒りをぶつけながら、体に衝撃を与えているのか。


「ちっ……もう一度やられたいのか?」


 この声はまさか……。


「ユ、ユーベル? な、何でここに……」

「言ったはずだ。お前をどこででも追いかけるとな。少しはマシになったかと思えば、自分が召喚した力で意識を取られる? どこまで甘えてるつもりだ?」

「……うぅ……それは」

「――それより、標的を見失ったアンデッドどもが、そろそろガキどもの所に向かっていくぞ。そこで腐り続けても、誰も救わないし助けない」

「く、くぅっ……」

あの女(ルムデス)と契り、光の力を強めた状態で闇を呼んだから、そのザマってことなんだろ?」

「二人をどうか……」

 

 かつてトルエノから救ってくれたのは、ダークエルフのユーベルだった。ユーベルがいなければ、俺は果ての地で自分を取り戻すことなく、息絶えていただろう。


 ルムデスの姉でもある彼女が、どんな心であれ俺を助けてくれて今がある。

 情けなくても、ここはユーベルに頼むしかない。


「……ちっ、あたしがやるのは、お前がかけた精霊魔法を破るだけだ。ガキと植物妖精を助ける意味は無い」

「た、助かるよ……」


 口調も眼差しも厳しい彼女なのに、やはりどこかルムデスに似ている。


 それにしても闇黒召喚をしたことでこんなにも体の自由を奪われるなんて、精霊や氷龍姫、何よりルムデスの加護が強いということなのか。


 そうだとしても魔剣士の男を逃がした上、アンデッドを彷徨わせてしまっているのは失態だった。


「そこのガキと植物女! 死にたくなかったら、端まで退きな!!」

「ボ、ボクはガキじゃない!」

「あらあら、困ったわね~」


 水精霊の守りは俺の意識がたとえ失われたとしても、水精霊コリエンテの意思によって維持される。


 精霊を降しても精霊の守りまでもが弱まるわけじゃないだけに、一体どうするつもりがあるのか。


 なっ……!? 何だあの構え? それに見たことが無い武器……?


『暗の太刀たち……レゾリューション!』


 ユーベルが放った攻撃は一瞬にして、エンテの守りの水壁を弾き飛ばしてしまった。


「……あたしがするのはこれだけだ。ガキと植物女は勝手にくたばりな!」

「ガキじゃないのに!!」

「やはりあなたはあの時のエルフさんなのね~」

「……ふん」


 あっさりと水壁を崩したユーベルは、俺に構うことなくロザック旧市街の奥へと姿を消していく。

 ルムデスの姉とかに関係なく、彼女の闇と強さはどこまで強いのだろうか。

 

「うう、アンデッドならボクがやるしかない。役立たずなんかじゃない!」


「頑張ってね~わたしは、ライゼルちゃんを起こしに行って来るわね~」


 ハッキリと見えないものの、死霊術師としてのプライドが彼女を目覚めさせたのか、ノワはアンデッドに向かって何かの力をかけ始めている。


 対する俺の元には、緊張感の無いイビル母さんが『あらあら~どうしましょ~』と笑顔のままで膝をついていた。


 ◇◇


「……あの召喚士を斬るんじゃなかったのか?」

「斬りたいのは貴様ら人間だろう? 魔剣士だとかどうだとか、知ったことか」

「確かにそうだな。召喚士……化け物を召喚したあの男は、リエンガンの民の前で殺す。その前にくだらない所でくたばられても困るからな」

「逃げた魔剣士を使わずに、あたしを使うとはいい身分じゃないか」

「アンデッドごときで逃げる魔剣士は断罪したまで。その代わりをさせただけだが、気に入らなかったか?」

「さぁね」

「まぁ、いい。ダークエルフ……お前はもういい。ここで去れ」

「そうさせてもらう」


 ◇


 毒の無いイビル母さんの温もりを久しぶりに感じたおかげで、俺は体を起こせるまでに回復した。


 俺が呼び出したアンデッドは、どうやったのかは不明だがノワの術により、跡形もなく消えていた。


「もう嫌だ~! ライゼルのくせに!!」

「ご、ごめん」

「んん? マンドレイク……イビルは眠っているの?」

「あぁ、うん。彼女も力を使ってくれたからね。イビルが起きたら、旧市街を進んでみようか」

「う、うん」

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