表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第四章:迷宮の先で待つもの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/169

84.迷宮都市リエンガン 2


「……殺気は感じられませんが、ここは亡命者が多いのでしょうか」

「ロードテアが死の街となっていたのは、いつからなんだろう……」

「とにかく奥に進みましょう」

「そ、そうだね」


 俺とルムデスは響いて来た声に誘われるようにして、洞穴の町をひたすら歩き進んでいる。


 ボートの桟橋からすぐ目の前に木造の住居が並び続いていて、町の人たちは俺たちに気にするそぶりを見せていない。


 釣りをする人もいれば、家の掃除をしたりと、流れ着く者に対して慣れているようにも見える。

 勝手に先に進んだノワの姿はどこにもなく、俺たちは慎重に進むしかなかった。


 地上の町ではなく洞穴の中で暮らしているせいなのか、表立って敵対心を出して来る人はいない……そう思っていたが――


『そこの二人、ちょっと待て』


 そう甘くはなかったか。


 奥へ進むにつれて住居よりも木片で作られた囲いが目に付くと思っていたら、数人の男女が俺たちの前に立ちふさがっていた。


「……」


 俺の前にいるルムデスは声を発さず、目の前にいる者たちから視線を逸らすことなく警戒を強めている。


「そう警戒するなよ。おたくら、ロードテアから逃げて来たんだろ?」

「へぇ……あそこ、まだ人がいたの? だからフードで顔を隠してるってこと?」

「どうだかな。後ろの男はともかく、俺らを警戒してる女はやり合うつもりがありそうだけどな」


 男たちの言う通り、ルムデスは全く油断をしていない。

 それどころか、隠し持っている暗器類をいつでも出せるようにしているのは、気のせいだろうか。

  

 どうする……?

 話し合いをするだけで退いてくれるかどうか、いや、そもそも逃げ場は無いか。


「ねぇ、ベリル……あの耳って」

「どうした、ラズ。……ん? 耳? ……エルフか?」

「エルフってあの尖り耳の? ど、どうするよ、ベリル」

「――ってことは、後ろの男の用心棒か。俺がやる。ラズとオルモは何もするなよ」


 会話の流れからして戦いに転じそうな気配があるが、何故俺たちの前に立ちはだかるのか。


「エルフだとすれば、どうするおつもりがあるのです……?」

「――うっ……!? て、てめぇ……!」


 相手の出方をうかがっていたら、先にルムデスの方からリーダー格っぽい男の喉元に、仕込み短剣を突き付けていた。


 ルムデスも冷静なようでいて、案外好戦的な所があるんだよな。

 ここは俺がビシッと言うしかなさそうだ。


『お前ら、何をしているか! そこの二人は災いではない。敵意を出すな!』


 そう思っていたら、男たちの後方から野太い男の声が聞こえて来た。

 その声は、洞穴に入ってすぐに響き渡っていた声にも似ている。


「ア、アインさん!?」

「ヤバいよ……どうしてここに……」


 他の二人の怯えぶりを見る限り、格そのものが違う人間のようだ。


「……ちっ、エルフ。あの人が来た以上、俺は何もしない。物騒なモンを早いとこ、隠せ」

「いいでしょう」


 よほどの男なのか、ルムデスに短剣を突き付けられていた男の方から、敵意を引いたらしい。

 後ろに立ち尽くしていた俺だけが、状況にのめり込めていない。


『ロードテアからの人間に敵意を向けるなと言ったはずだ!! どうなんだ、お前ら!』


「お、俺は何もしてないっす!」

「右に同じです」

「……向けてねえよ」


 3人の男女のうち一人は、ルムデスというかエルフに因縁でもあるのか、渋々従っているようだ。

 そんな男たちを尻目に野太い声の男は、ルムデスではなく俺の前に立ちふさがった。


 身なりからしてただの民では無さそうで、監視兵のような出で立ちだ。

 とはいえ濃い藍色の胴衣に身を包んでいる辺り、都市の兵と比べると装備に重厚感は無く、町の警備人といったところか。


 武器こそ目に見えて携帯はしていないように見えるものの、ルムデスと同等の長身で体格がいい男は、日の当たらない洞穴内にも拘らず、赤銅しゃくどう色の肌を俺に見せている。


「ロードテアからの客人……で、相違ないか?」

「そ、そうです」

「そう退けるな。話は聞いているぞ」

「え、誰に?」


 そう言うと男は少しだけ屈み、俺にだけ聞こえるようにして『死霊術師ノワールの面倒を見ているのだろう?』と、小声で言って来た。


 敢えての行為をして来たので、俺もすぐに頷いて見せた。


「……案ずるな。俺は敵ではない。この町……ガルコットの連中が、過剰なまでに外の人間を怖がっているだけだ。不快な思いをさせてすまないな」

「ガルコット……? ここは迷宮都市リエンガンでは?」

「リエンガンはここから相当深い場所にある。この町は唯一、外と繋がっている町だ。そこにいる奴等も、リエンガンには行ったことが無いほど、この町は入り口に過ぎないのだ」

「つまり、もっと奥に行かないとたどり着かないと?」

「そういうことだ。ガルコットは、迷宮都市に行く為に通り過ぎるだけの町なだけだな。まぁ、俺も迷宮ダンジョン都市に行ったことは一度しか無いがな! がははっ!」


 一体どれだけ深い地下に、都市があるというのか。

 

 アサレアと魔剣士たちが指名して来たのが迷宮都市だっただけに、簡単に行けるものだとばかり思っていた。


 それがまさか、まだスタート地点にすら立っていないなんて思わなかった。


「その、ノワは今どこに?」

「あの子なら、この先の村で休んでいるはずだ。それと気を付けろ。お前たちよりも前に、危険な奴等が奥へ進んで行ったからな。それもあって、そいつらも気を張っていたのだろうな」

「村……? 町の奥に村が?」

「迷宮都市は伊達じゃないということだろうな」

「お前とそこの女はどういう関係だ? フードで顔を隠していても気配で分かるが……」

「か、関係ですか!? 俺は精霊使いでして、そこの彼女は護衛をしてくれていまして」


 どうやら敵にもならず、ノワを知る人間のようなので危ない目に遭いそうには無いが、俺が召喚士ということは隠すべきことかもしれない。


「エルフに守られる人間……か。お前の名前は? 出身は?」

「お、俺は……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ