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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第三章:敵となる存在

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79.召喚士、死霊術師に囚われる 前編


『こっちだ!! こっちの裏道にいるぞ! 袋小路に追い詰めろ』


 くっ、何で、何でこんなことに。


 油断をしていたわけではなかったのに、どうして目を離した隙にこんな目に遭ってしまうのだろう。


 ◇


「……この格好は昔のアサレアを思い出すんだけど、こうまでする必要はあるかな?」

「必要です。ライゼルさまはご自身のお力と評判を、あまりに知らなすぎです! 本来なら外を出歩いている時でも、顔をさらけ出すことを避けたい所なんですよ?」

「でも人間を必要以上に恐れる必要は……」

「そうは言っても、放牧の民だって最後は友好関係になりましたが、最初に襲って来たじゃありませんか! 召喚士だからではなく、見知らぬ地では見境なく襲って来ることを想定しないと、心配にもなります」

「そ、そうか。確かにそうだった……ごめん、ルムデス」

「と、とにかく、幸いにしてライゼルさまは、ここの都市の人間たちと似た外套を着ていますので、下を向きながら歩いていれば心配ないかと」

「ふっふん~我は隠れないぞ! 何か言われる前に滅し――」

「駄目だからね?」

「むー……」


 龍人リヴェルナのおかげで、俺たちは眼下に見えていた橋上の邪術都市、ロードテアに辿り着いた。


 橋本体がとてつもなく広く出来ていて、橋上きょうじょうには、いくつもの建物が連なっている。


「橋の中心には力ある者、端に追いやられるのは弱者……つくづく、人間は愚かで分かりやすいですね」


 ルムデスによれば、橋上の端になるにつれて裏道や小道ばかりが目立ち、力を持つ者と持たない者を分けているような造りになっているらしい。


「はは……ルムデスは手厳しいね」

「ライゼルさまがお優しく、それでいて気にしておられないだけです!」

「そ、そっか。村ではそこまで分け隔てられていなかったから、気付かなかったよ」


 ロランナ村で暮らしていた時は、召喚士としては確かに最弱だったとはいえ、それで家に差がつけられることは無かった。


 だからじゃないけど、ロードテアの家々の差に、気付かなかったと言える。


「ライゼルさまったら、全く! あら? サーシャはどこへ?」

「あ、あれ? さっきまでそこにいたはずなのに……」

「人に危害は加えないでしょうけれど、心配です。ライゼルさま! 探しましょう」

「それじゃあ二手に分かれて探そう!」

「お、お待ちくださ――」


 ◇◇


 ルムデスの言葉を聞かずに、どうして俺は単独行動を取ってしまったのだろうか。


 ここがどういう都市なのかも分かっていないままで一人きりにさせるなんて、自己嫌悪に陥りそうだ。


 そんなことを思いながら、入り組んだ細く狭い裏道に来ていたことに気付かずにいると、朽古びた家の前で、誰かに声をかけられたことに気付く。


「もし……そこの者」

「はい?」


 しまった……顔を隠していたのに、どうして返事をしてしまったのだろう。


「おぬしは、何故顔を晒さず外を出歩いている?」

「……え?」

「ここロードテアでは、()()をする為に、顔をフードから出すことになっているはずだが、お前は死霊のまま彷徨う骸か? ん? お前……手配書の召喚士に似ているな」

「ち、違いますよ!? 俺は生きている人間で召喚……」

「――やはりそうか! ならば手配書を正すべく邪術を施してやろう」

「……邪術? い、いりませんよ!!」

「おい、待て!!」


 な、何でこんなことになっているんだ。

 ルムデスと一緒にルナを探していれば、今頃はここの観光でも出来るはずだったのに。


 それにしてもこんな都市にまで手配書が来ているなんて。

 そもそも邪術で何をするのか。


 はぁっはぁっはぁっ……体力ばかりはどうしようもない。


 よくよく見ると橋の端に追いやられているし、狭い道の行き止まりに追いやられている気がする。


 一体この都市はどういう……。

 

『召喚士がいたぞ!! 早く邪術を施せ!』

『袋小路に追い詰めろ!! 早くしないと獣を呼ばれるぞ』


「わぁっ!? ひ、ひぃぃ……」


 応援が増える前に、どこかに隠れないと!

 何をされるか分からないし、たまったものじゃないぞ。


「――んっ? うわっ!?」


 薄暗い路地裏の壁に寄りかかりながら息を整えていると、突然扉の中から手が見えて、そのまま中に引き込まれてしまった。


 そのまま俺は倒された状態で、硬く冷たい石の上に寝かされているようだ。

 状況がいまいち掴めないままで、恐る恐る見上げると、フードを被る女性らしき姿が目に映った。


「ひひ……生霊のくせに、活きのいい奴が釣れた……」

「ええええっ!? お、俺は生きていますし、召喚士を――じゃなくて!!」

「ロードテアに召喚士? まだそんなことをほざくのか? 召喚士ならば、さぞ邪術の施し甲斐がありそうだ」

「ど、どういう意味で……」

「そのままジッとしていれば、楽になれる……施したら、堂々と歩かせてやる」

「くっ、ぐぅぅっ!! う、動けない……」

「ひひひ……邪術のかかったヒモで括り付けてある。召喚士であろうと、その術から逃れられない……」


 あぁ……ルムデス、ルナ。

 外に助けを呼んだところで捕まるだろうし、このよく分からない女にも囚われるし、一人になっては駄目だったんだ。


 口を封じられる前に召喚をする……それしか、手は無いのか――

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