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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第三章:敵となる存在

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75.忠実なる龍人の威勢


「ふっふん! 我が来たからにはもう安心!! エルフ一匹だけでは……」

「ルナ。ルムデスを今すぐ解放してくれないかな? 彼女は俺にとって大事な――」

「我を目の前にしていながら早くも捨て去る……?」

「そうじゃなくて……ええと、何て言えばいいのか」

「いいぞ、我を寵愛すると誓うならば、エルフごときに嫉むことなどしない!」

「ち、誓うよ! 俺が必要としたのは違いないし、ルナが来てくれて助かるし」

「ではライゼルは我に触れるがよいぞ! さぁ!」

「え、ど、どこに?」


 エルフではないのは見て分かるけど、龍人の耳というか角は、彼女の威勢を現わしているようにも見える。

 大人びた口調と気品溢れるルナは、一目見ただけでは龍と分からないほど、綺麗な姿をした女性だ。


 トルエノの妖艶な姿でもなく、澄んだ姿勢のルムデスとも違う。

 

 大人でもなく、少女でもない……もっとも彼女たちには人間が思うような年齢で見てはいけないかもしれないが。


「こ、これでいいかな?」

「むむっ……誇り高き角に触れようとは、ライゼルでなければ噛み殺していたぞ! そ、そこではない。これ、これだ!!」

「んん?」


 腰に手を置いていたルナは、その姿勢のままで腰を動かし始めた。

 色鮮やかなドレスがヒラりとなびく中、俺の視線をその辺りに集めようとしている。


 龍人とはいえ尻尾があるとすれば、そこのことを言っているのだろうか。


「で、では、失礼して……」

「んあぅっ!?」

「えっ? い、痛かった……とかじゃないよね?」

「いい。それで繋がった! ライゼルとは主従の契りが出来た! もう離していい!!」

「あぁ、うん」


 どうやら龍人の弱点ともいうべき場所は、名残でもある尻尾のようだった。

 これで新たな味方、仲間が得られたということなのか。


「ウフフ、では解放!」

「う?」


 ルナの一声で空洞を覆い尽くしていた氷は即座に消え失せ、凍えるような寒さは解消された。

 そして解放されたルムデスが、すぐに俺の元に駆け寄り頭を深く下げている。


「ラ、ライゼルさまっ……! またしても申し訳ございません……」

「いや、今回のことは俺の誤解によるものだし、ルムデスは悪くないからね」

「――それで、彼女がそうなのですね? まさか龍人……それも氷国から来たなんて」


 ルムデスは警戒しながらも、呼び出した龍人ルナにおそれることなく眺めている。


「ふっふん! エルフごときに睨まれようとも、我は頭を下げない!」

「我……? 何だかトルエノを思い出しますね」

「はは……やっぱりそう思うよね」

「それにしても氷国の龍……それだけで一帯を凍らせるなんて、ライゼルさまの召喚は一体どこまでお強くなったのでしょうか」

「え、そうかな? 潜在的には魔力が強まったとは思うけど、俺自身は大したことは……」


 四精霊を従い、賢者の試練を受けたとはいえ、俺自身は実感を得られていない。

 やはりトルエノといた時のような、圧倒的強さと比べてしまう。


「ライゼルさま。寒さは無くなりましたし、ここを出ませんか?」

「それもそうだね。ルナも――」


『ライゼルとエルフ! そこから退かずに留まっておく!! ここはもう用済み!』


 目を離した隙にさっきまですぐ傍にいたルナが見えなくなっていたと思っていたら、彼女は俺たちの前方に立っていて、動くなと言い出した。

 

 一体何をするのだろうか。


「あ、あああああ……っ!?」

「な、何だっ!? 空洞が崩れて行く……? いや、違う……消滅!?」


 龍人ルナは背を向けたと思ったら、何かをしたわけでもなく、空洞そのものを跡形もなく消していた。

 

 微かに角耳を青白く光らせたように見えただけで、魔法のたぐいを発動させたわけではなさそうだった。


「空のある世界! ここがライゼルの世界か!! 我を求めたのはこれを見せる為だったなら、嬉しい!」

「え、えーと、何をしたか聞いても……?」

「ウフフ……あのような暗く狭い所を残しても、ライゼルには無用! ルナにも無用。だから消した! 褒めてくれてもいい!!」

「あ、ありがとう……でもその力はむやみやたらに使わないでくれると……」

「ふっふん! それがライゼルの望み? それなら聞くし、そうする」

「そ、そうしてもらえるといいかな」


 どうやら、俺が考えていた以上の強さを持つ龍人のようだ。

 押し黙っているルムデスが小刻みに全身を震わせているのが、何よりの証拠だろう。


「ライザルさま……い、今までの召喚とは比べられない強大な力が彼女にはあります。わたくしはとてもじゃありませんが、あそこまでは……」

「ルムデスは神聖の力があるし、それにルナ……龍人は、トルエノに匹敵する力だと思うんだ。だから君が落ち込むようなことじゃないと思うよ」

「は、はい……」


 味方となるべくモノを召喚しようとしたのは確かだった。

 しかしまさか龍人……それも計り知れない力の者だとは、予想も想像もしていない。


 ルナと呼ぶことを許された彼女の力を抑えなければ、またトルエノと似たようなことになってしまいかねない。


 ここから先に訪れた地では、ルナにどうにか抑えてもらうとして、過剰な力を使わずに人をいさめて行かなければ――

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