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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第三章:敵となる存在

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73.新たな召喚への示しといざない


『パパ~! 今は無理でもきっと呼んでね~! 約束だよ!!』


 賢者レーキュリの言葉通り、現状はルムデスと旅を続けるだけで手一杯な俺にとって、賢者の元に娘を置く案について、首を縦にする以外無かった。


 ルオンガルド城の頂上の出来事は、ルムデスには賢者の試練だったと伝えることにするとして、これから先は人のいる村や町、国に入ることには一切怯むことなく進むと伝えることにした。


 ガルダを預けルオンガルドを離れると、彼女の方から口を開く。


「此度のことは賢者の仕業だったとはいえ、魔法の耐性が無いに等しかったことには、反省でしかありません。ライゼルさまには何と非礼をお詫びすればいいか……」

「キミが詫びることじゃないよ。俺の弱さから招いたことなんだ。レーキュリの手荒な試練がなければ、精霊たちの声を再び聞こえるようにはならなかったからね。ルムデスのせいじゃない」

「あ、ありがとう……ございますっ!」


 生真面目なルムデスはルオンガルドを出るまでの間、ずっと俺に謝ることを考えていたに違いない。


 ガルダと話をしている間も何かが起きていることを察して悩んでいたとすれば、俺はもう迷ってはいけないんだ。


「これからどうなされますか?」

「そのことなんだけど、俺はもう人間たちから逃げないことにしたよ。逃げずに戦って、還す」

「命を……という意味なのでしょうか?」


 トルエノが俺の力を奪うまでは、冥界だとか冥府だとかを自由に開いていた。

 闇の呪縛に囚われたままの俺が、最強を意のままにしていた……そう思っていたけど、そうじゃなかった。


 彼女の意図がどうだったのかなんて教えてもくれないだろうけど、今度は俺が彼女を支配する。

 その為には、召喚した相手を完全に支配することが不可欠だと判断した。


「負の感情を生み出したのは俺であることに違いは無くて、でも、ロランナ村のギルドが発さなくても、闇にのまれたままの俺だったなら、俺は世界中の人間を滅していたかもしれない」

「そ、そんなことは……」

「だから他のやり方で人間たちを還す。そうすれば俺の力を世界に……って思ったんだ」

「ライゼルさま……わたくしは、ライゼルさまに確かな召喚をされた身。あなたを守り、愛し、強くなられることを見守らせて頂きます」

「うん、よろしく頼むよ、ルムデス」

「はいっ!」

「ふぁっ……くしゅん!! うぅ、それにしても寒いなぁ……」

「そ、そうですね。気付きませんでしたが、雪原地帯なのでしょうか?」


 ルオンガルドから離れ、少し歩いて気付いたことがあった。

 雲海の下に位置するこの道は吹雪こそ無いが、所々の岩や地面に薄い氷が張っているということだ。


 湖面を見ても氷結していることが見て分かる。


 そもそもガルダの導きが無ければたどり着いていなかった所だったが、人の気配どころか魔物の気配すらもしばらく感じられないのは、そういう環境だったと言わざるを得ない。


 そしてもう一つ、ガルダを賢者に預けた代わりの助言だったかもしれないが、仲間になる者を召喚すべきだと言われた。


 俺の味方、仲間は今の時点でルムデスただ一人。

 アサレアは目的地に向かった先で会えるとして、イビル母さんは再召喚が可能かどうか。


 ムルヴに至っては、アサレアを上空から守っていると聞かされただけで、俺の言うことを聞いてくれるかどうか。


 そして本物のトルエノは、俺が全ての力を支配してから召喚しようと決めている。


 魔剣士、そして本当かどうか不明のアフル……彼らに負けるつもりは無いが、仲間を求めるのは必要で必然だと感じ始めた。


「ここがどこなのか分からないけど、人も魔物もいない今だからこそ召喚を試したいんだけど、いいかな?」

「わたくしがライゼルさまに逆らう意味はどこにもありません。新たな仲間を求めることは、この先においてきっと良いことになると思います」

「そっか、うん。それじゃあ少し離れていて」


 何が出て来るか、味方か敵になるのか不明な召喚を試みることになる。

 今は最弱だった頃の必死さが無く、確かな強さを自分自身で捉えている感覚だ。


 今の自分なら、まだ出会ったことのない召喚に出会えそうな予感を感じる。


『凍えし地、冷たき狭間、底に眠りし我が力……我が命に捧ぐことあらば、奇跡となりてここに示せ!』


 寒い地で凍えながら召喚することになろうとは、こんなことは想定していなかった。

 それでも上手く行けば、この先はもっとすんなりと進んで行けるはず。


「ライゼルさま……あ、現れませんね」

「あ、あれ? お、おかしいな……俺としては結構真面目なげんを唱えたはずなんだけど」

「し、しかし気配を感じません。もちろん、寒さによる感覚の鈍さも関係しているかもしれないのですが、それでも何かしらの異変を感じてもおかしくないかなと思うのです」

「だ、だよねぇ……」


 これはもしかして召喚失敗ということだろうか。

 最弱だった時は召喚そのものが出来ず、ミミズですら出て来なかった。


 しかし四精霊を従え、神聖のルムデスを傍に置いているのに、これはあまりな展開。

 賢者の試練で俺の底力も上がったはずなのに……


「ラ、ライゼルさま、さ、寒いですし、どこかに――」

「そうだね。あ! 山の窪みなのか分からないけど、洞窟なのかな? そ、そこに移動しよう!」

「召喚はどうされますか?」

「多分、失敗したのかなぁとも思うし、とにかく寒さを凌ごう!」

「わ、分かりました」


 こんな筈は無かったのに、姿を現してくれないとかどういうことなんだ。


 とにかく今は洞窟で暖を取って、もう一度召喚をするしかない。


お読みいただきありがとうございます。


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