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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第二章:光を求める者

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57.召喚士と自我の目覚め 前編


「……おっ! どうやら戻って来たみたいだな」

「ふ、ふん。召喚士が召喚されるなんて、本当にそんなことになっていたなんて、馬鹿げてるし」


 消えたアフル、そして偽のアサレアを最後に俺は意識を落としていた。


 再びの目覚めを待っていた俺を上から覗き込んでいたのは、人間の姿をした人間ではない何かだった。


 一人は僅かながら見覚えがある。

 恐らく俺は、見覚えのある何かを既に降し、召喚の力としているのだろう。


 だがもう片方の女、それも少女に似た何かは、不貞腐れたような顔で俺を見下している。

 つまり俺の敵であり、今すぐ消すべき相手だと感じた。


「戻って来て早々だが、ライゼルに紹介してやりたい奴が――」

「その前に、レイムと決着をつけてもらうのが先だと思うけど?」

「まぁ、そうだけどよ。ライゼルの潜在的な力に変化が……うっ?」


 あぁ、やはりそうか。

 アサレアもそうだったように、少女に見えるコレは俺の敵だ。


 まずはコレを消しておく必要がある。

 体を起こし、召喚の言を唱えてすぐに消し去ってやる。


「マリムが許しても、レイムは許さないもん……今すぐ溶岩流で熔けちゃえ!!」


 不思議なことに、痛みも何も一切感じなくなっている。


 これは俺の元々の強さなのかあるいは力が開放されたことで、敵が繰り出すあらゆる攻撃そのものを無効としているのか、今は考える必要性を感じない。


「……今何かしているのか? 女」

「な、何……え、お前……マリムに助けを求めていた召喚士? 違う、違う!」

「お、おい。ライゼル、お前――」

「お前? 貴様らごときが俺をお前呼ばわり? 面倒だな、まとめて消してやる……」


 俺の意識はアフルの最後の姿を見た後、何かに操られるように、制御の効かない奴と化していた。


『闇黒より眠りし悪の女王、冥界に君臨せし漆黒の翼を広げ、唱えの言を聞き、見えるる炎に覆い尽くせ!』


「よ、止せ!! 妖精を滅せば、召喚は出来なくなるぞ」

「知ったことか、雑魚め……」


 これが俺の本来の力だったのかと思うほどに、内の底から闇の力が溢れ出て来ている。


 目の前の妖精らしき何かは、必死に乞う姿を見せているがこうなった以上、炎ごと消してしまうのが正しいだろう、そう思った。


「消えろ!!」


 迷う事など無く、闇黒から流れ出ている力を、目に見えている妖精に浴びせた。


『あぁ、危ない。危ない男の子になったんですね。駄目ですよ? 光を求めていながら、闇に呑み込まれて戻って来たなんて、エンテは許したくないです』


 誰だ? 

 生意気な炎を繰り出す妖精を、この手で消した手ごたえを感じていたが、炎は無く一面に広がるのは水たまりだ。


「――ったく、遅いぜ、エンテ!」

「遅いのではないです! 時機を見計らって待っていただけなんです。降されたマリムがやるべきことなのに、見ているだけだなんてそれでも地神なのです?」

「い、いや……それはだな」

「とにかく、召喚士として覚醒したのはいいことですが、闇に呑まれそうなのは頂けません! 全て流して、男の子のあるべき姿に戻さないと悲しいことになりますです!」

「た、頼むぜ、エンテ」


 誰か分からないが、俺の邪魔をする妖精は全て消す。

 それが彼女の望みだ。


 彼女……アサレア……違う、違う――彼女?

 俺は――

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