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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第二章:光を求める者

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49.召喚士と試練の渦 5


 ユーベルに言われた通り、とにかく無我夢中で短剣を振り回し、土の妖精であるマリムの実体を露わにすることが出来た。


 その時点で行けると勝手に思い、ユーベルに交代しないで、そのままマリムに向かったのは俺のミス。

 間違いだったと気付いても、時は戻ってはくれない。


「戦える召喚士……どうしたい、さっきまでの勢いは!」

「ふぅっ、ふぅっ……はぁぁぁーーはぁはぁはぁ……」

「あんたの魔力は、確かにあたしを露わにした。だからって、弱くなったわけじゃない。あんたじゃなく、そこでイライラを見せているエルフに交代しておけば良かったのさ!」

「……じゃ、じゃあ!」

「そうは行かないね! 多分だけど、あんたが自分から戦う意思を示したのは、今が初めてなんじゃないのかい? だったら、エルフなんざ気にせずにあたしを降してみせな!」

「ひ、ひぃっ……」


 マリムの言う通り、ユーベルの方を見ると明らかにイライラを募らせていて、今さら引き返して交代するなんてことは出来そうにない。


 ユーベルが言うには、俺は敵の弱点を無意識に見つけ、そこを突けることが出来るらしい。

 今はそれを信じて、手にした魔力込めの短剣で、マリムに攻撃を当てるしかなさそうだ。


 部屋を覆っていた土と岩の壁は既に存在を失い、目に見えるのは筋肉質なマリムという妖精だけ。

 彼女にさえ攻撃を当てれば、ここから出られる……もしくは、召喚出来るようになれるのかもしれない。


 ここに来て気付いたのは、どうやら体力的なものは最強とは程遠く、攻撃を受ければ傷も負うということが分かった。


 俺が最強と感じていたのは、トルエノたちを擁し、ロランナ村の連中を一掃した時だけ。

 最初の頃と同様に、あらゆるスキルが下回った可能性がある。


 トルエノに奪われたのが果たして召喚魔力だけなのか、それとも身体的な能力全てなのかなんて、確かめようがない。


 今出来ることは、動く意思を持ってマリムに攻撃を当てることだけだ。


「ライゼル!! 妖精を殺せなかったら、アタシがお前を殺す! 見込み違いな召喚士を、いつまでも守る義理は無い!」

「な、何とかするから!」

「……ふん、少しはマシになったか?」


 後にも先にも引けないなんて、何か変わった動きで向かうしかないのか。


「さぁ! エルフとの別れは済んだかい?」

「わ、別れ……!?」


 実体を露わにしたマリムは、俺の攻撃が当たらないことを分かっているかのように、腕組みをしながら堂々とした姿で近付いて来る。


「……どうでもいいけど、あんたさっきから魔力が溢れているってのに、どうして召喚をしない? 言っとくけど、その短剣をあたしに当てることは出来ないよ! 何でもいいから呼んでみな! 妖精じゃない召喚をする召喚士の力をこの目で確かめてやるよ」

「……え? 魔力が溢れている?」

「あぁ……、そこのエルフには見えないんだろうけど、あたしには良く見えるのさ! ともかく、今ならあんたが呼びたかった奴が呼べるんじゃないのかい?」


 にわかには信じ難いし、ここに呼びたい誰かなんて決めてもいない。

 何となく短剣を振り回していたら、力が少しだけ戻ったような気がしていただけで、召喚でどうにかしようとは思わなかった。


 トルエノは無理でも、何か、誰か少しの間でも呼べたら、状況が変わるかもしれない。


「よ、よし……」

「さぁ、何が出て来る?」


 誰でもいい……けど、心の準備が必要だからきちんと唱えよう。


『け、汚れ無き神聖のおさよ! 我が望みを聞き入れ、願わくばこの地、この場で望みをかなえたまえ!』


 ――って、ユーベルがいるのに、彼女を呼んだらまずい!!


「へえぇ……それがあんたの召喚唱えかい? さて、何が来る?」

「ど、どうでしょう……」


 出来れば失敗していて欲しいと願うのは、ユーベルがいるからに他ならない。


 少しして明るさの無かった空間に、光の柱みたいなものが降り注がれた。

 そして聞き慣れた声が聞こえて来る。


『わたくしをお呼び致しましたのは、貴方様ですか?』


「ル、ルムデス! 来てくれたんだね!!」


『――ルムデス・セイクレッド……わたくしは、光を求める者の声に応えたまで。貴方様の排除対象を光に返し、その声を届けましょう』


「え? 君はルムデスだよね? お、俺のことは覚えていない?」


 俺の反応には答えずに、ユーベルではなくマリムに向けて、何かを唱え始めている。

 ユーベルを見ると、確信が持てないのか敵意を向けていないみたいだ。


「……なるほど、これがあんたの本当の力ってやつかい……まさか本当に呼べるなんてね」


 ルムデスの力がマリムよりも上だと感じているのか、俺に近づいていたマリムは後退あとずさり、守りの態勢を取り始めている。


『では喰らいなさい……光阻む者よ! セイクレッド・リクティ!!』


 う……うわああああ!? こ、この光……いつか喰らったことがある熱さ!?

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