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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
二部:第一章:覚醒を望む者

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40.覚醒の召喚士、ギルド連合有志に見つけられる


「ほらっ、しっかり歩きなよ! 悪魔が奪ったのはあなたの力の一部だけど、体力じゃない。言っておくが、身の回りの世話までするつもりなんてない! あたしは仲間になるつもりはないんだ」

「うぅぅ……」


 ロランナ村でライゼルをバカにし続けたかつての召喚仲間たちは、最強召喚を手に入れたライゼルによって完全に滅された。


 しかし、滅しの力のほとんどを悪魔トルエノに奪われたことで、すっかりと落ち込み、進むべき道を失ってしまうライゼルだった。


 ライゼルを拾い助けたダークエルフのユーベルは、必要以上に助けるつもりは無く、様子を見ている。


「ちっ、覚醒したかと思えば、このザマとはね」

「……僕はもう何も無い……出来ないんだ」

「悪いけど、あたしは最弱召喚の名を貰ったわけじゃない。悪魔に翻弄されながらも、最強のまま人間どもを消しまくった覚醒召喚士に期待してたんだ」

「……僕はもう……」

「腐るのは勝手だけど、そのままだとあんたは同じ人間にやられるよ?」


 名の無い廃村から連れられたライゼルは、ユーベルに引っ張られながら小さな村にたどり着く。


「あたしは面倒を見ない。また人間にやられて、悪魔に頼るつもりか知らないけど、助けないからな!」


 最低限の布切れを身に纏っているけど、今のままじゃどうにも出来ない。

 どうすればいいっていうんだ。


「そこの流れ者……お前はどこからたどり着いた? ここは小さき村トセンだ。悪いが、流れ者にいられるわけには……ん? お前の人相……」


 人相? ただの召喚士が、こんな小さな村にまで知られているはずは……


 ぼやけた視界がようやく見えて来たので、落ち着いて辺りを見渡すと小さな村の割に、ギルドや宿、武器を磨く鍛冶所まであることに気付く。


 住んでる村人よりも、冒険者の方が多く行き来している気さえする。

 そんな光景を眺めていると、何故かロランナ村を思い出してしまう。


 小さな村でもギルドがあって、呼べば呼ぶほどスキルは下がっていたあの頃。

 そんなに長い年月を経たわけじゃないはずなのに、僕はどうして悲しくなっているのだろうか。


 今の力では、また子ウサギくらいしか召喚出来ないかもしれない。

 それでも呼んでみよう。


 そこからまた生きる目的を探して、アサレアたちを探しに行けばいいんだ。

 そう思いながら、両手を前にかざし、召喚をしようとした時だった。


「――! お前、召喚士か?」

「え?」

「ふ……ふふ……はははははっ!! この村に来ていやがったか!」

「え、な、何……?」


 不用意ではあったが、召喚をする構えをしようとしただけの自分に、ローブ姿の男が高笑いをしながら、何度も俺を見ては笑いをこらえきれない様子を見せている。


「お前がねぇ? 見たところ、追い剝ぎか何かで装備すら失っているようだが、召喚しようとしたってことは、お前はこの村を滅ぼしに来たわけか」

「――え」

「手始めに低級な獣でも呼び出そうとしたつもりらしいが、運の尽き……いや、俺らには運が向いて来たって奴か?」

「俺ら……? そ、そうじゃなくて、僕はっ――!」


 ロランナ村を懐かしみながら、召喚をしようとしただけなのに、どうして謂れの無いことを言って来るのか。


『おい!! 冒険者ども、ここに手配の召喚士がいるぜ! 今すぐ加勢してくれ! 召喚士を追放して、村を救うぞ!!』


「なっ……!?」


 この先のことを見る気の無かった俺が、今また見知らぬ村で、屈辱を受けることになるというのだろうか。


 イゴルたちを完全に滅し終えて、残ったのはギルドからの追い打ちなんて、そんなのはあんまりだ。


「召喚士ごときが、小さな村ギルドを壊滅させるからこんな目に遭うってわけだ!」

「呼び出してみろよ? 呼べるんだろ? 最強の大蛇で俺たち冒険者を踏み潰したんだよなぁ?」

「身をやつして、トセン村に忍んでいやがるとは思わなかったぜ。どうした? 冒険者ごときとは遣り合わねえってのか?」

「呼べよ? 召喚すれば、多勢の俺たち冒険者ごと蹂躙出来るかもしれねえだろ? さっきの構えで召喚してみやがれ、追放弱者めが!!」


 ロランナ村の時よりも、明らかに敵意をむき出しにされている。

 確かに、ロランナ村のギルドもろとも壊滅させた。


 ギルドマスターだけは、辛うじて命を助けていたのがこんなことになるなんて、トルエノの言う通り僕が甘かったということなのか。


「うううっ……うう、ぐ……」


『村にあるありったけの石をぶつけてやれ!!』


 何で、どうしてこんなひどい目に遭わなければならないんだ。

 駄目で元々、何でもいい……召喚して、村……いや、こんな連中を追い払いたい。


「く……そ――」


『おい、見ろよ? 召喚士様が構えを見せようとしてるぞ!』


「か、神威無き我が……がぁっ!? がはっ……」


 何でもいいので、何かの召喚を唱え始めたところで、わき腹に強い衝撃と苦痛が襲った。

 やはりロランナ村の思い出なんて、そんなものだった。


 どこにいても、誰になっても、味方はいてはくれないんだ。


「させるかよ、誰の許可を得て呼び出そうとしていやがる!」

「どうする、フィング。ここで殺しても、報酬は多くねえぜ?」

「確か、コイツを狙ってるのはロランナ村のマスターだったか? あんな辺鄙な村に、雑魚召喚士を差し出したところで見合う報酬は得られねえな。よし、近くの町に向かう。油断するつもりはねえが、召喚の構えを見せたら、お前らの魔法で痛めつけてやれ!」

「そうと決まりゃあ、ゲヘンは、ギルドの適当な連中を引っ張って来い! すぐ出発すんぞ!」


 ユーベルは助けてはくれないみたいだ。

 彼女の狙いは、僕に近づくルムデスに復讐したいだけ。


 トルエノ……僕の前には、姿を見せてくれないのか?

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