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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
二部:第一章:覚醒を望む者

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39.覚醒の召喚士、失意のままで成り行きを任せる


「そ、それはそうと、ここはどこなんだ?」

「あら、案外素直に言うことを聞きますのね。最強召喚士になったのですから、もっと抵抗してあたしを消してしまうものとばかり……」

「しない。こんなよく分からない地に置き去りにされたら、最強の意味が無いだろ……それに……」

「ウフフ……賢明ですわね。ご心配なさらずとも、あなた様の名を頂いている以上、無下にもしませんわ」


 意識しなくても、ここにいるのは僕とユーベルだけだ。


 他のみんなは無事なのだろうか。


「こ、ここからどうすればいい?」

「……見たところ、体力と精神力のほとんどを悪魔に奪われているみたいですわね。たとえ召喚出来ても、獣に喰われてしまうのは確実。ですので、あたしがお傍につきますわ」

「お、お前は僕の命を狙って追跡を繰り返しているんじゃなかったのか? 敵に居場所を教えたりして、助けようとはして来なかった。何で助ける?」

「力を失った証拠に、あなたは昔の言葉に戻っている。そこから戻るには、時間が必要と存じますわね」


 体の奥から何かが失われたような感覚があるのは、そういうことなのか。

 ユーベルの姿はハッキリと見えているのに、周りに何があるのか全く見えない。


「ここはどこかの村……?」

「果ての地。人間はおろか、他の種族も敵もいない。あなたは悪魔から力を奪われ、見知らぬ地に肉体を放置された。そこをあたしが拾ったというわけ」

「な、何で……」

「それはそうでしょ? あたしも人間は嫌いだけど、それまで味方だった人間をああも滅してしまえば、ライゼルの身に何が起こるかお分かりなのでは?」


 そ、そうか……イゴルたちは確かに嫌な奴等だった。

 だけどやり過ぎたということか。


 しかしどうしてここにいるのは、ユーベルなんだ? ……せめて、ルムデスだったら。


「何かもやり遂げて、何も残らない感想は?」

「本当にトルエノがしたことなのか……?」

「悪魔なんてそんなもの。力を強くさせて、美味しく頂いた……ただそれだけ」


 信じていたわけじゃなかった……だけど、あれだけ自分に従っていたトルエノが、あんなに豹変するなんて。


「どうすればいい……どうすれば――」

「あたしはこのままここで、ライゼルと一緒に朽ちるのを望むけど、ルムデスを悔しがらせるのも未練。そういうわけだから、あなたと出てやるよ」


 まずはワケの分からない地から出る……出てから決めよう。


 もう何も僕には残っていないんだ……


 ◇◇◇


「アサレア、彼は見つかりましたか?」

「……どこにもいないです。ルムデスさんは、ライゼルと意思を通じているはずですよね? 声は届かないんですか?」

「いえ、それも含めて悪魔に奪われました。彼ともう一度、契る必要があります……それくらい闇黒の魔力が凄まじかったと言わざるを得ません」

「そ、そうなんですね……」

「ええ、少なくともわたくしたちが感じられる近さに、彼はいないでしょう。ムルヴとイビルの姿も見えませんし、一緒にいるのはわたくしとアサレアだけということです」

「ライゼル……どうしてこんなことに」

「アサレアの故郷は彼と同じでしたよね?」

「そ、そうですけど、全て片付けて引き払いました。ライゼルの仲間というだけで、恐らくもう……」

「わたくしがアサレアをお守りしますわ。ライゼルの村に何か手掛かりがあるかもしれないのです。それであれば、あなたと一緒に行く方がいいと感じました」


 ライゼルの故郷、ロランナ村。

 彼の両親が姿を消した家に、果たして何かが残っているのだろうか。


 ルムデス、アサレアの二人は、姿を消したトルエノとライゼルの行方を追うことをやめ、ロランナ村に向かうことを決めた。

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