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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第四章:最強召喚士の始まり

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34.最強召喚士、廃村を拠点にすることを決める


 闇エルフのことはこの際気にしないことにして、ミンザーネ村に戻ると、意外な人が出迎えた。


「おう! お帰り! 俺のことは覚えているか?」

「レグルスさんですよね? 何でここに来ているんですか?」

「いや~タチが悪い女だと感じていたが、まさかお前さんのことであそこまでやるなんてな~……申し訳ないなと思って、ここに来ちまった」

「それはいいですけど、大丈夫なんですか? 俺の所にいるとレグルスさんも狙われるんじゃ……」


 ル・バランのギルドに誘ってくれたレグルスさんは、冒険者ギルドではなく職人ギルドのマスター。


 最弱召喚士としての俺に相当落胆をしていたらしく、もう会うことは無いと思っていた。


「ル・バランは冒険者ギルドなんてもんは無かったわけなんだが、仮にも城塞国なんでな……冒険者に宿を提供するんだとよ! そうなるとどのみち、俺もやばいのかなと思ったわけだ」

「あ……そうか。俺と関わったことが知られたら……」

「で、案の定だが、ユーベルの奴が迷惑をかけた上に、世界中のギルドにライゼルのことを知らせちまったわけだ。執拗というべきか、あそこまで惚れる女だとは……なので、すまん!」

「……はい? 惚れ……?」

「好かれすぎて追いかけられているんだろ? 獲物を追うのが得意なエルフだったからな。そういう意味でもすまん!」


 どういうわけかレグルスの中で、ユーベルの危険度は性格だけではなく、俺への好意的な執着心と思っているようだ。


「いや、土下座とかはいいですから。それよりも、ここで暮らすおつもりですか?」

「ライゼルにはあんなべっぴんさんのヨメがいるとはな! てっきりあの合成士の姉ちゃんかと思っていたが、あんなおっかねえ母ちゃんがいるとはよ。そこを邪魔したくはねえが、俺をここにいさせてくれねえか?」

「母ちゃん……? あぁ――」


 ミンザーネという廃村に身を隠した俺とアサレア、それに召喚した彼女たち。


 一時的にここにいるつもりだったが、まさかの全世界敵だらけな問題が起こるとは思いもしなかった。


 幸いにも、アサレアの保護をしてくれたメーテウスの人たちは、俺たちをどうするわけでもない。


 むしろ、廃村になったミンザーネで休むことを提案して来たので、少なくとも敵にはならないだろう。


「いるんだろ? お前のヨメさんも」

「嫁じゃないんですよ。でも、俺の大切な彼女たちをここで守らないと駄目なんだって分かりまして……レグルスさんがいるのは構いませんが、どうするおつもりですか?」

「それなら問題ない。俺は冒険者じゃねえからな! 合成士の姉ちゃんにも協力できるし、お前さんの獣にも協力できるかもしれねえ。食料に武器に……まぁ、色々役に立てるぞ! どうだ?」


 トルエノがこの場にいないのが救いだったかもしれない。


 ルムデスは眠っているし、ムルヴは人間には敵意をあまり向けない神の鳥さん。


 アサレアの相談相手とかになれるなら、この人を置いておくのは悪くないかもしれない。


「一人くらい置くのはいいですが、廃村なので……」

「だからそれだよ! 俺は職人だぜ? 廃村を元通り以上に出来ることも可能だ! なんなら、ここを拠点にして、敵……まぁ、同じ人間相手なんだが、敵から守れるように直してやろう!」

「ここを拠点に……ですか? 魔法的な結界や守りの獣は俺が何とかしますが、建物とかを出来るのならお願いします!」

「よし! 交渉成立だな! 改めてよろしく頼むぜ、ライゼル!」

「は、はい」


 別の意味で冒険者ギルドではなく、職人ギルドの人と出会っていて良かったと思えた。


「じゃあ、邪魔が入らないようにここを守る獣を呼び出すので、驚かずにいてください」

「お? 召喚って奴だな! お前さん、この前よりも随分強くなった気がするぜ?」


『我、大地を守り、地に眠る守りの獣をこの地に望む。顕現せよ! 守護たる獣!』


 呼んでから気付いてしまったのは、すでに土の妖精であるイビルがいたことだった。


 彼女がいるのに新しい土の召喚をしてしまうとは、失敗したかもしれない。


『お呼びした主は、あなたか?』


 見るからに小さな村は簡単に守ってくれそうな、大柄な獣が出てくれた。


「あぁ、そうだ。名を俺に預け、ここを守れ」

「御意に」


『あらあら、まぁまぁ~……ライゼルちゃん、どうしてかな?』

「ひ、ひぃっ!?」

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