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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第四章:最強召喚士の始まり

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29.最強召喚士、悪しき召喚士を堕とし冥界へ案内する 前編


 真っ先に攻撃を仕掛けて来た冒険者たち。


 そのほとんどを占める魔法士と騎士は、それなりの強さだった。


 特に属性魔法を一斉に放って来た魔法士の攻撃は、少なからずダメージを受けた。


 リジェネレーションが無ければただでは済まなかったに違いない。


 そんな彼らを灰にしたくない思いがあり、体だけを残す呪術を使用した。


(くく、甘い主だな)


 心の中でもトルエノに言われたものの、慈悲を与えることにした。


 俺の考えに関係なく、残りの戦士と弓使いは少ない人数のままで、イゴルの周りを固めることにしたらしい。


 回復術士の多くはイゴルの近くで防御を上げ始めている。


 それでも数人だけは、俺に向かって神聖魔法や弱い水属性魔法を唱えていた。


「フフ、ライゼル様に神聖魔法とは、何とも無駄なことをするものですね」

「ルムデス? ここは俺一人だけで戦っている。キミが出て来ては――」

「ええ、わたくしは何も致しませんわ。あの者たちは自然が勝手に裁いてくれるのですから」

「うん? どういう――」


「「キャー!?」」

「「うわぁぁぁ!? やめろー! う、うるさい! 俺は最弱じゃない!」」


 神聖魔法と水魔法を放った回復術士たちは、何かの幻覚と幻聴で身動きが取れなくなっているようだ。


 それどころか、イゴルの周りを囲っていた者たちも、耳を塞ぐようにしてその場に膝をついている。


「アレは?」

「フフフ……妖精が植えた木霊こだまなのではないでしょうか」


 地面から顔のようなものを覗かせた木霊は、姿こそ見せないが効果は十分のようだった。


 イゴルが放った『最弱』という言葉を山々から反射させ、その場の者たちを惑わせてしまった。


「あ! もしかしてイビルが……」

「きっと妖精のしわざですね。それなら、ライゼル様のしわざとは言えないと思います」

「そ、そうだよね」

「ライゼル様、他の人間はもう何も出来ないと思います。あの悪しき人間に罰をお与え下さいませ」

「あぁ、分かってる」

「あの……」

「勝ったら、キミに褒美(キス)を与えるよ。それでいいかな、ルムデス」

「……はい、お待ちしております」


 何だかんだで呪術はトルエノのおかげだったし、ギルド連中は自然の力で勝手に自滅した。


 集められた冒険者の強さの程は分からない。


 それでも世界には、少数でも強い連中がいると感じることが出来た。


『ちっ、どいつもこいつも役立たずかよ。所詮は烏合の衆って奴か。そう思うよなあ? 最弱』


 イゴルの周りにいた冒険者は、幻覚と幻聴でまともに立つことが出来なくなっている。


 見た感じ、イゴルは何かを召喚しているようには見えない。


『味方でもない者を従わせて、嬉しいのか?』


『へっ、低級小僧が生意気抜かしてやがる。どのみち、邪魔な奴等には違いなかったからな! 俺が呼び出す獣は場所を取るんだからなぁーー!』


 声を張り上げたイゴルは、すでに召喚の言を唱え終わっていた。


 両手を広げたのち、待ち望んだとされる獣が来襲したようだ。


『どうだ、最弱! コイツは世界を揺るがすヨルムンガンドだ。てめえが地面に何か細工しようが、コイツには関係ねえんだよ! 蛇の姿でもビビッてんだろうが、もう一つ絶望を教えてやるよ。コイツは神の末裔だ! ライゼルなんかには呼べるはずもねえ!』


 イゴルが呼び出した蛇の姿をした獣は、大きさだけでもムルヴに匹敵している。


 上空に遊ばせているムルブは、地上に降りて来ないように伝えてあり、彼女は降りて来ない。


 耐性が高くても、イゴルが呼び出した蛇には耐えられるか分からない。


『おら! 何か呼ぶんだろ? 呼んでみろよ! コイツよりも強い奴をよ!』


 イゴルの求めに応じたのか、ヨルムンガンドと呼ばれている蛇は、俺だけに狙いを定めながらその場を動かずにいるようだ。


「我、闇黒女王の支配にありて、闇の審判を求める者……我が求めに応ずるモノあらば、冥界より我の元へと顕現せよ!」


 トルエノを支配していなければ、とても呼び出すことは出来なかったらしい獣を求めてみた。 

 

 正直言って、かなりの闇を以てしてもヨルムンガンドには勝てるか分からない。


 どれくらい待ったか分からない静寂。


 その場の緊張を破る様な声がどこからか聞こえて来た。


「「わんわんわんっ!」」


「へ? い、犬?」


『ふはっ! はははははは! さすがライゼルだな。最弱召喚士の名は伊達じゃねえわ! 犬かよ! それも3匹って、半端すぎるぜ。おいおい、しかも飼い主の爺も呼んでしまったか? がはははっ!』


 俺が気づくよりも先に、イゴルの視線の先には怖さを感じない3匹の犬と、その近くをゆっくりと歩くお爺さんの姿があった。


「げほっげほっ……これこれ、主様の元に集まるのじゃ」

「え、えーと? あなたは?」

「闇黒、冥界より参りましてございますじゃ……我が主ライゼル様の為に、悪しき人間を案内するとしますのじゃ」

「は、はぁ……」


 イゴルに笑われるのも無理はない。


 それくらい、今まで呼び出した牛よりも絶望しか感じないからだ。


『最弱ライゼル! 慈悲を与えて欲しいか? だが俺は爺だろうが犬だろうが容赦しねえぞ? ライゼルなんぞに呼び出された爺と犬には、せいぜい地獄で詫びやがれ!』


「「わんっ! ハッハッハッ……わんわん」」


 は、はは……可愛いなぁ……どうやら他にも召喚しまくるしかなさそうだ。

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