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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第八章:支配者

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161.戦きに勝る力と


「ライゼルさま……ここはわたくしが」

「――ルムデス!? し、しかし……」

「わたくしもあなたさまのお力に守られし存在。少しは時間を稼げるはずです。トルエノと戦うほんの少しの間だけでも、お力を――!」

「……それはアサレアから?」

「はい」


 アサレアを間近で見る限りでは、恐らく自分が持つスキルにすら気付いていない。

 それを僅かな時間でどう分からせられるのか。


『どうした? 来ないなら我から――』

『あなたの相手はわたくしです!』

『ほぅ……? エルフごときが我に挑むか』


 ルムデスが心配ではあるが、ここは彼女に凌いでもらうしかなさそうだ。


「……ねぇ、ライゼル……あ、あれがトルエノ――?」

「あぁ、うん。アサレアが知っているトルエノじゃないけど……ア、アサレア、ど、どうしたの!?」

「あんな……あんなに邪悪な気配を感じさせているなんて、どうして……ロランナ村に、ここにあんな恐ろしいのがいるの」

「……アサレア」

「怖い……怖いよ、ライゼル……」


 アサレアはしがみつきながら、身震いをさせている。


 地力じりきに加え龍の力を得たから分からなくなっていたが、底上げのスキルを秘めているとしても、合成士のアサレアは力の強さを持たない女の子だ。


 そこに悪魔の、それも見たことのない恐怖が自分に近づくのは、あまりに酷すぎる。


 あのトルエノに対し、アサレアからは軽くて鋭いおののきが、足の先まで伝わって来たのが分かった。


 ルムデスがくれた僅かな間に酷なことかもしれないが、彼女を安心させて力のことを知ってもらうしかない。


「アサレア。お、俺が、必ず守るから、だから今から話す君の力の――」

「……ライゼル。手を握りしめて?」

「――え」


 震えながら俺にしがみついているアサレアには、隠された力のことを話していないがまさか……。

 そう思っていると、


「え、えっと、ライゼルに伝わってるって言えばいいのかな……?」

「こ、これ……この流れの力……」

「ルムデスが言おうとしていたことって、これのことだよね」

「な、何で……」

「ずっと前に何となく思っていたんだけど、合成で出来た薬の効果も、薬草も……何か別の力が加わっているのかなって、何となく思い始めていたの……でも誰かに対して力を伝えるような、そんなことにはならなくて……」

「それに気付いたのは?」

「形見の防具に触れてみた頃から……かな」


 アーティファクト自体も不思議な力を秘めていたけど、アサレアから注がれたことも関係しているのだろうか。


 何の為の力なのか分からなかったことなのに、アサレア自身はだいぶ昔に感じていた。

 そして彼女の手から流れて来る力は、間違いなくリエンガンで感じた時のものだ。


 何より、今回はアサレア自身から直接伝わって来ている。

 この底上げからのスキルをトルエノに全て奪われていたら、どうなることか。


「ふぅっ……」

「やっぱり疲れる?」

「ううん、わたしがライゼルに力を注いでいるとか、そんなんじゃないんだよ。気持ちの問題みたいなものかな。本当は凄く怖いし、震えも収まらないの。でもせっかくロランナ村に帰って来られたし、だから、せめてこれくらいは出来ないとって思ったの」

「そ、そうか」


 少しの時間なのに、アサレアから伝わって来た力の流れには、際限が無いように思えた。

 これを狙っていたトルエノは、まだそこまでじゃないということなのか。


 ルムデスが気になる。

 外に出て彼女の元に向かうことにしよう。

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