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村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第二章:下級の試練

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15.下級召喚士、合成士と悪魔に答えを求められる


「ユーベル・カルディア……いつからここへ来ていたのです? ここに来るまでどれほどのエルフを――」

「さぁね……お前もそうだろ?」

「わたくしは召喚で呼ばれたまでのこと。同族を虐げたあなたとは違う」


 やはり何かの因縁があるみたいだ。光と闇……それだけで対立をしていそうな気もするけど。


 一体どれほどの強さなのかと思っていたけど、召喚でビーストを呼んだ時にナイフで仕留めていたけど、さばきを見た感じでは、それなりに強いんだろうなという印象だった。


 トルエノの属性魔法や、ルムデスの光魔法を見ているだけに、強さの感覚がおかしくなってしまったのかもしれない。


 見ている限りでは、ユーベルは魔法を使えないエルフらしく、ルムデスに対しては刃先の鋭いナイフを構えているだけだ。


「……主よ、生を賜りし者への戒めを乞う。咎人、ユーベルに咎めの審判を!」

「く……!」


 容赦のない光柱がユーベルの全身を覆い、彼女の動きを止めている。


 この前見た消失魔法とは違うみたいで、痛みだけを与えているように見える。 


「あ、あの、彼女は?」

「ホーリージャッジメントをかけただけですので、生きています」

「消したりはしないんだね」

「ええ、まぁ……」


 同じエルフだから殺すまではしないということなのかな?


「と、とりあえず俺は戻るよ」

「くっ……おい、そこの最弱召喚士、どこへ行く?」

「ギルドに報告に……」

「……あたしとも契れ! 光のエルフと契ってんだろ? だったら闇とも契れよ」

「闇は間に合ってまして、ごめんなさいっ!」


 闇というか闇黒の女王だけで満足しないとだし、大人姿のトルエノに戻すことを約束しているから他の闇と契るのは駄目なはず。


「……召喚士、お前の名前は何だ? 名前を言ったらどこにでも行きな」

「あ、そうでした。俺だけ聞いておいて教えてませんでした。俺は――」


『名前を教えてはダメですっ!』


「ライゼル・バリーチェだよ。よろしく、ユーベル」

「……ライゼルか。ソレが聞けたなら、光のエルフとこれ以上戦う意味は無い。じゃあまたな、ライゼル」

「え?」


 俺の名前を聞いて満足したのか、ユーベルは町の中に戻ることなくどこかにいなくなってしまった。


「ルムデス? どうかしたの?」

「あ、あぁぁ……ライゼル……どうして簡単にご自分のお名前をあげてしまうんですか!」

「え、あげる? ど、どういうこと?」

「闇のユーベルは、名乗った相手の存在を消すまで追い詰めるタチの悪いエルフ……つまり、あなたを消すまで彼女は付きまとって来るんです……つまり、別の意味で契ったとも言えるんです」

「そ、そういえばユーベルも名前を知ったら消すとか言ってたけど、そ、そういう意味?」


 今までルムデスが散々俺の名前を出して話をしていたけど、それは関係無くて、直に教えてしまったから駄目だったってことだろうか。


「はぁ……ライゼルは人を疑うことをして来なかったんですね。だからこそわたくしやトルエノを召喚出来たのかもしれませんが……」

「で、でも、トルエノもいるしルムデスも近くにいるから大丈夫だよね?」

「……いいですか! わたくしがお守り出来るのはライゼルであって魂じゃないんです!」

「魂? んん?」

「そういうことは悪魔にでも聞いてください。わたくしは何だか疲れました」

「何だか分からないけど、ごめんね」


 何となく分かる様なそうでないような、とにかくルムデスが無事で良かった。


「いえ、魂はともかくユーベルに傷を負わせることが出来ましたし、追って来るとしてもすぐではないでしょう。覚悟がおありでしたら、ライゼルの手でユーベルを葬ってくださいね」

「葬る……で、出来るように頑張る」


 お仕置きみたいなものなのだろうか。光魔法にも手加減のようなものがあるみたいだった。


 何だか自然と敵を増やしているような気がしてならないけど、ルジェクやイゴルのような憎しみに駆られてといった気持ちにはなっていないのが、何とも言えなかった。


 イビルの幻覚のおかげで、俺自身は癒されて精神と体力はすっかりと回復した。


 町の中に戻ってひとまずギルドに立ち寄ると、またしても見慣れないフードをかぶった人の姿があった。


 俺と似たような外套を着ているということは、数少ない後衛職のギルドメンバーなのかもしれない。 


「おっ、ライゼル! 戻ったか」

「ど、どうもです」

「――ライゼル?」

「え? ど、どちら様?」

「もう! 忘れちゃったの? わたし、アサレア! アサレア・カルナだってば!」


 深くかぶっていたフードを捲し上げた彼女は、黒くて長い髪を手で掻き上げ、隠していた素顔を俺に見せつけた。


「ア、アサレア!? え、どうしてここに? というか……」

「な、何? そんなに見つめないでくれる? 恥ずかしいじゃない!」

「い、いやー、そんな顔だったんだなぁって」


 今まで間近でハッキリと彼女の顔を眺めたことは無かったし、村ではいつもフードで顔を隠していた彼女なだけに、こうしてみるのは初めてかもしれない。


 幼い顔立ちのアサレアは、目が大きく鼻筋も通っていて、何よりも顔が俺より小さくて可愛い女の子だったことに驚きを隠せないでいる。


「そんなに見つめないでよ……近いってば!」

「あっ……ご、ごめん」


「おいおい、俺のこと忘れてねえか? 二人の関係は大体分かったけどよ」


「「ご、ごめんなさい」」


 ほぼ同時に謝るとか、いつ以来なんだろうか。


「で、ライゼルの用件はあいつのことだろ? 悪かったな、何も話してなくて」

「……彼女はどこに行ったか分かりますか?」

「あいつは気まぐれなエルフだからな。そのうちまた素材を引っさげて来るだろうが、とにかくすまなかった」

「い、いえ、俺の責任でもあるので何とかします。それで、あの……俺はギルドには入れないんです」

「あぁ、そうだろうな。旅の途中って言ってたしな。気にするな! 入るんなら、もっと召喚の精度を上げてから入ってくれ」


 職人ギルドにすら断られるとか、もっと強くならないと駄目みたいだ。


「……ってことは、あんたも入れないクチか?」

「はい、ごめんなさい」


 召喚してでもアサレアをロランナ村から脱出させようとしていたのに、どうして彼女がここにいるんだろうか。


 まさかルムデスの時のように知らない間に呼んでいたとか?


「ちょっとライゼル!」

「え、何?」

「彼女って誰? それにどうしてここに? 村を出てからちっとも戻って来ないどころか、召喚を失敗しまくって村周辺の地形を変えまくったって聞いたんだけど、本当なの?」

「お、俺は村を出たんじゃなくて、追い出されてここに来てるんだよ。召喚は失敗……じゃないし、地形はオリアンのせいであって俺じゃないよ」


 オリアンのせいなのは確かだし、トルエノの力も反撃によるものだから間違ってはいないはず。


「ふ、ふぅん? じゃあ彼女って誰? 今は誰と一緒に旅をしているの?」

「えーと、何と言えばいいのか」


 本当になんて言えば分かってくれるのか。


「け、獣だよ。俺が召喚した獣たちと一緒に旅をしているんだよ」

「じゃあ、そこでライゼルを見つめている女の子は誰なの?」

「えっ!?」

「くくっ、いつまで経っても来ないかと思えば、ライゼル。キサマ、人間と仲良くしていたのか?」

「いや、その……俺は人間だから、人間と仲良くはするよ? 誰もが敵意を剥き出しにしているわけじゃないんだよ? だから落ち着いて話を聞いて欲しいなぁ」

「この女と契ったのか?」

「そ、そんなことはしていないからね?」

「なにそれ、契りって何? ねえ、ライゼル何なの?」


 宿に待たせ過ぎたせいもあるのか、トルエノはかなり機嫌を損ねている。


 そんな状況なのに、どうしてアサレアと鉢合わせをしてしまうんだろうか。


 そもそもアサレアがどうやってここに来たのかを聞きたいのに、二人の空気がそれを許さないみたいだ。


「「ライゼル、答えは?」」


「え、えーと……」



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